ジガー

  • 2019.05.23 Thursday
  • 22:12

 

はじめましてのお客様でもお馴染みの方でも、中には「こんなこと今さら聞いてもいいですか?」なんて断りを前置きされてからご質問、

 

という人がいらっしゃいますが、なにをおっしゃるうさぎさん。

 

えぇんやで、おいちゃんになんでも聞きよし、今更なんて思わずに急かしてよ。

 

てか基礎だの基本というべき情報こそが曖昧だったりいい加減なのが常じゃ悲しいけどこれ実態なのよね、なこの業界にあってはくだらない質問なんてナッシング。

 

疑問を抱くはむしろ正解。

 

てなわけで本日のお題はこちら。

 

 

「ジガー」

 

「ってなにさ?なんなのさ?何かの名前なの?それとも容量?その両方?ねぇ?ねぇ?!」

 

みたいな話だったのですが、それじゃまぁまぁとりあえず落ち着いて、順を追って説明をば。

 

まずジガーとは円錐を二つ合わせたような形状の計量器具の名称です。

 

バーテンダーがよく使っているアレ。

 

え?それってメジャーカップのこと?と問われれば、そうなんですけれども、単にメジャーカップというと計量できるカップ状のものならなんでもっていう総称になるので。

 

今となってはあくまでもメジャーカップの内、画像のようなものだけを、本来はジガーと呼称するべきなのです。

 

 

そもそもジガー(jigger)とは英語で小さなコップという意味合いのスラングがごとき言葉でした。

 

その歴史は古く、1800年代の初め頃には酒場などで一杯売りをする際に小さな容器で量って注いでを行う、その器をしてなんとなくすでにジガーと呼んでいた、と記す資料も残されています。

 

後、「おう、ウイスキーをワンジガーくれ」みたいな、

 

転じて一杯分、的なニュアンスでも使われるようになりました。

 

基本、アメリカのみでのお話ですが。

 

一方、それとは異なる方向性で事が明確に動いたのは1893年7月29日。

 

アメリカはシカゴのコーネリアス・ダンガンさんが酒類等の計量を目的とした独自の計量器具を考案。

 

その名称を「ジガー」としたのです。

 

なぜにこうまで具体的な年月日が断言できるのかと言えば、だってこれ特許局に申請された資料ですし、今でも閲覧可能ですし、

 

なんでしたら当時の図案なんてオサレポスターになってたりもするもんだから興味のある方はどうぞ。

 

 

つーことで、スラング由来でいつの間にやら一杯を指す用語としてと、固有名詞として使われる場合という二つの意味を持った「ジガー」ですが、

 

相も変わらず毎度のごとく、日本にやって来た頃からテキトーの渦に巻き込まれて混乱が生じます。

 

洋酒を一杯売りするにあたって明確な指標が無い時代に以上の経緯を把握しないまま対処せざるを得なかった先人たちは、

 

なんとなくメジャーカップで量って注げばいい。

 

メジャーカップのオサレ語はどうやらジガーらしい。

 

ジガーは1.5オンス(約44ml)と1オンス(約28ミリ)の二つの計量カップから構成されているものが主なので、なにしろアメリカ人ならいっぱい飲むっしょ?じゃぁデッケーほうで、んでキリが悪いから45mlにしよう!

 

からの、

 

本場の一杯はワンジガー!イコール45mlこそが由緒正しき適量なのだ!

 

で定着。

 

ふむぅ。

 

米国ではユタのみ州法で一杯、これをまぁ1ジガーと言い換えてもよいのだろうけれど1.5オンスってことで定めてはいるけれど、それだって厳密には44ミリだし、全体では1.25から1.5オンスまでの範囲内でまちまちだったり、

 

つーか、それがアバウトにしたってだ、一杯の基準をだ、45mlとしてる国なんて古今東西世界中探したって日本以外だと(日本だって標準は30mlが主流だけどね)ギリシャぐらいしかねぇーんですけど?

 

ギリシャ?じゃあ日本だけじゃん実質、とかいうアカデミックなギャグも言えるよ?ひゅー

 

とまぁ色々ありましたが、ここまでの経緯と内容に対して正しく理解されている人のほうが気の毒と思えるほどに少ない現代の日本においては、

 

まとめるよ?

 

「ジガー」とはすなわち、

 

由来なんざ全く知ったこっちゃないけどメジャーカップのなんかカッケー本場風な呼び方と認知されている、

 

と同時に、

 

一杯=ワンショット=1オンスが手本=30mlが標準、

 

だけれども、

 

これとは別に昔ながらの「ジガー」という液量単位があって、

 

それは1ジガー=45mlである。

 

と、日本最大手のメーカー様がプロの物書きにギャラを払って作った解説を公式ホームページに掲載されておられるぐらいですから、

 

って、

 

液量単位?

 

え?

 

単位なのか?

 

液量単位になっちゃった。

 

45mlだって。

 

液量単位なんですって。

 

まぁ、もう、ここまできたら覆すのは無理案件ですので、長いものには巻かれておいてくださいまし。

 

てなわけで、

 

だからって、

 

色々申し上げましたが、途中でも書いた通り、以上の内容をまるっと理解しているバーテンダーなんて目視でスカイフィッシュを発見するぐらいに遭遇は困難なお話ならば、

 

その人が知っているという「ジガー」に関する情報、それそのものがそもそも間違っている、とまでは言わないまでも着地で足をぐねっている可能性が高いとはいえ、

 

それでよし、それが普通、それが常識、の世界こそが「今」なのです。

 

「実はねー」だの「知らないのー?」なんて、ドヤ顔でマウント取りにいったりとか、野暮はしちゃダメよ?

 

知識はひけらかして他者を攻撃するための武器にあらず。

 

己の成長と豊かなBarライフのため、用法容量を守って正しくお使いください。

 

なんか最近ここで仕入れたネタを利用してよそ様でご迷惑を働いた、なんて不届き者の話とか聞いて、ちょっとショックです。

 

そういう輩にかぎって店には来たことないっていうね。

 

なんなん?

 

つーかネットでディスってるとかいう連中も文句があるなら直接言いにくればよくね?

 

こちとら今、会いに行けるバーテンダーやってんだから。

 

むう。

 

いや、やっぱこわいからいいや、やめて。

 

最後、愚痴になりました、あいすみません。

 

 

ちなみに。

 

「ジガー」について詳しく調べようと「jigger」で検索をかけてもこれ、言うてもこんな狭い業界でのみ通用するツールだかスラングもどきのニッチでマニアックな単語ならば、

 

よっぽど世間的には認知度が高い(それでもしれてるけど)、同名の寄生虫の話やら画像といったグロ情報がやたらにエンカウントしてくるのでご注意を。

 

指の隙間から零れ堕ちてゆくエピローグ

  • 2019.05.18 Saturday
  • 23:23

 

これまでのあらすじ:それはさておきゴジラストアで予約した例の品がそろそろ届くはずなのだが、と待ちわびているサヰキであった。

 

 

 

帰宅後、早速ネットでマックブックプロのコーティングに関する情報を洗い直すが、万全のサポートを受けたという報告ばかりがありふれていて、自力でこれを解決したケースは私がたどり着けたものだとかろうじて一件のみ、それもどこぞのブログのコメント欄に送られてきた話で、

 

「私はピカールで落としました」とする、エビデンスとしてはなんとも心許ない情報だけであった。

 

だが、皆がそこに至るまでの経緯の中にこそ有益な情報は存在していた。

 

酷くコーティングが剥げてしまった人達には共通した行動が見受けられたのだ。

 

それはウェットティッシュなり眼鏡クリーナーなど、成分にアルコールを含んだ何かしらでモニター表面を清掃した人ほど、どうやら被害が顕著である、という事実。

 

思い返せば、かく言う私も小林製薬の「メガネクリーナーふきふき」で清掃した際に尋常でなく被害が拡大している。

 

「メガネクリーナふきふき」といえば「イソプロピルアルコール」を使用している。

 

覚えておられるだろうか?

 

「イソプロピルアルコール」についてはその昔、当ブログでも取り上げたことがある。

 

清掃・洗浄用アイテムとして私にとっては取り扱いに慣れた、勝手知ったる獲物なわけだ。

 

なるほど。

 

敵の弱点は把握した。

 

武器もある。

 

いくぜっ!

 

落ちろ!蚊トンボ!

 

貴様のようなニュータイプのなり損ないは(ry

 

というわけで以下のアイテムを使って作戦を実行していくが、

 

 

言うても個人的なスキルとまで大袈裟なものではないにしろ多少は技量的なそれを必要としますし、責任は負えないのであくまでも私的な経験談であって推奨するものではなく、良い子はマネしないでね、とお定まりの注意喚起と共に工程の詳細に至るまでは省略しつつザックリ話を進めますけれども、

 

浸しーの、

 

 

こすりーの、

 

すると、

 

いきなり途中からだけど、

 

濃く黒いのがコーティング部分なのだが、

 

 

こんな感じで、

 

 

まぁ落ちる。

 

逆に聞きたい、なぜ落ちるのか?待て待て、ちょっと座んなさい、どうして落ちてしまうのか?と問いただしたい勢いでまぁ落ちる。

 

ちなみに冒頭で探り当てた「ピカール」による作業も試してはみたが(ノーマルとグラスターポリッシュの両方で)、大体が研磨剤を使用するのはモニター本体に傷がつく可能性が否めないのでいかがなものか?以前にちっとも落ちやしなかったのですけれども?

 

さて、

 

マックブックプロの不良コーティング除去に関する最終報告である。

 

期限切れで高額の修理費を請求された挙句に天才様から自己解決は無理と宣言された案件でしたが、

 

結果、イソプロピルアルコールを主力とした独自の除去作業によりモニターをはじめ本体自体に一切の損傷も無いまま綺麗にコーティングのみを落とすことに成功。

 

しかしながらコーティングを失ってしまったと捉えれば、これを補うために保護シール等の導入も検討していたものの、むしろモニターの解像度が増したのではないかと思えるほど映りが良くなったし、映り込みも気にならなければ私はお外に持ち出して他人様からのぞき込まれて困るような画面を表示する予定もないので現在そのままで使用しているが特に問題も無くて万事解決にございます。

 

だがしかしまぁ、

 

無くても問題ないし、あっても大して意味はないどころか落ちやす過ぎて迷惑この上ないコーティングって、そもそもいったいなんだったんだよ・・・?

 

どうしてこうなった?

 

ともあれ、

 

どうだ!

 

参ったか!ジーニアス!

 

あんたが言ってた無理を成し遂げたぜ!

 

わーい。

 

ん?

 

・・・。

 

いや、

 

待てよ?

 

なにしろジーニアス。

 

最初からこの結末を見越していたとは考えられないだろうか?

 

自らの労力は最小限どころか何もしていないのに、しかして実際に事は解決している。

 

費用をかけたくない以上事故の可能性も否めない方法しか手段がないならば、これを私に実行させることで己のリスクも回避して。

 

いやいや、それは私自身が動いたからだ。

 

これは私の意思で・・・。

 

でも、まさか、動かされていた?としたら?

 

だって相手はジーニアス。

 

こちらは所詮が凡人。

 

見透かされていた?

 

「Genius Bar」の文字を目にしてムキになるであろうことも計算ずくだとすると?

 

最初・・・から?

 

!?

 

アップルかっ!?

 

ずっと!アップルの手の上かっ!?

 

オレは、

 

やったんじゃない!?

 

やらされた?!

 

!!

 

しまった!

 

自分のお気の毒な性格とおいたわしい思考回路を考慮するのを忘れていた!!

 

勝てない!

 

どの道これは勝てないですぞっ!

 

端から相手にされなかったって時点で戦ってすらいないんだけどね!

 

実はっ!

 

あははっ!

 

世間との相性が悪いとするならば問題は間違いなくこちらにあるのだから、と時々少し悩んだりもするけれど強く、と言わないまでも、それでもちゃんと生きてゆけたらな、と願います。

 

天才に挑みし凡人のモノローグ

  • 2019.05.14 Tuesday
  • 20:23

 

「Genius Bar」

 

初めてネット上でこの言葉と対面した時、たいへんにチープな物言いだが、私の感情は喜怒哀楽の全てを均等に、しかして実に低い温度で同時に発現し、どうにも処理が間に合わず、あっけにとられた、というべきか、結果として虚無にも等しい脱力感に包まれた。

 

まずはこれがなにかを説明すると、つまりはアップル社における修理受付カウンターのことである。

 

が、世界を統べる四騎士が一角にも例えられるアップル様ともなると、そんな、修理カウンターだのサポートうんぬんなどという名称は存在すらしない。

 

すなわち「ジーニアス バー」。

 

天才の肩書が正式名称たるスタッフによってアフターケアが提供される場所、それを指す唯一の呼び方なのだ。

 

そう、

 

私がマックブックプロの修理のために予約をし訪れたのは紛れもない「ジーニアス バー」であり、

 

今、眼前において、自前でなんとかしようなんて無理だと私に告げているのは他の誰でもない、ジーニアス様なのだ。

 

バー、とは、

 

長い板状のものをもってすれば、とりもなおさずそれらはみなバーであって、

 

そもそもBarのバーをカウンターなどと呼称する文化は日本独自のものならば、

 

「ジーニアス バー」の「バー」たるや、カウンターの代替語、その程度の意味合いしかないのかもしれないが、

 

バーにあってテンダーするからには広義において、あるいはまた彼もバーテンダーであるとすると、

 

しかも、

 

ジーニアスだと。

 

ジーニアスだとぉ?

 

誰を差し置いてどの口が、などとは言わないが。

 

いや、わかっている。

 

これは言いがかりだ。

 

私自身が仮にもBarと呼称される空間で、その内にあるを生業としているからといって、同列に対抗意識を燃やすなどとは身の程知らずにもほどある、おこがましい行為だとは十二分に承知している。

 

無意識下で自覚している己の劣等感を盾にした自虐的な僻みだ。

 

あるいは単純に無償修理が受けられなかったことに対する抵抗か。

 

そしてそれを、天才とまで呼称しておいて救ってくれやしなかった彼に対する苛立ちと。

 

しかしもう止められない。


せめてこの湧き上がる負の感情を他者に向けて放つような愚行はさすがに最低限大人として控えておくが、

 

紅に染まったこの俺を慰める奴はもういないのだ。

 

やってやろうじゃないか、ジーニアス バーのジーニアス様がおっしゃる無理ってやつを。

 

やり場のない情念を情熱に変えて。


「え!!自分でマックブックプロのコーティングを!?」

 

「出来らあっ!」

 

・・・・。

 

それにしても、だ。

 

仮に私が転職し、どこかしらの修理カウンターに勤めていたとして上司から、

 

「今日からウチの修理カウンターは名称をジーニアス バーと改めます」などと言われたらどうするだろう?

 

そうでなくも現在の店舗を紹介などする際に、

 

「オーセンティック・バーみたいな言い方もありふれてますし、ウチはジーニアス バーって呼称で行きますね」みたいなことになったら?

 

そう名乗るからには、などと頑張れる気が微塵もしない。

 

いや、そういう話じゃない。

 

私はそれを理由に退職までを考えかねない気がする。

 

いや、割りとマジで。

 

一つ事を是とする者、

 

非とする者、

 

人は、

 

人の世とは、

 

かくも多種多様である。

 

 

つづく

 

そして始まる戦いのプロローグ

  • 2019.05.12 Sunday
  • 18:11

 

いただいたマックブックプロの異変には、実は早くから気づいていました。

 

モニターが少し汚れているな、と日常的に画面を拭いていたその箇所が、次第に、しかして確実にちょっこすおかしなことになっていったのです。

 

拭けば拭くほどに汚れが広がっていく、というかもうこれは外部的に付着したナニカではないと、そう確信するまでにはあまり時間を有しませんでした。

 

焦る気持ちを抑え込みながら早速電脳にアクセスして私は安堵しました。

 

なぜならトラブルが発生したことに変わりないとはいえ、同様の症状と対処法に関する情報がネット上には溢れかえっていたからです。

 

そう、まるでそれは乳歯が抜けて永久歯に生え変わるを怪我だの異常だのと騒ぎ立てないのと同様、マックブックプロ使いとしては至極当然の通過儀礼のごとき些末な現象だったのです。

 

要点は以下の通り。

 

特定の時期に生産されていたマックブックプロはモニターのコーティングが著しく剥げやすいという仕様になっており、あくまでも初期不良ではないとしながらも事実上非を認めたからこそアップルは無償修理で対応してくれる。

 

なるほど。

 

あまりにもサクサク動いてくれていたものだから私の頂いたマックブックプロがそう古いものとさえ感じていませんでしたが、どうやら該当機種だったようです。

 

その後にとるべき行動の一挙手一投足にいたるまでをつぶさに紹介してあるサイトは、ブログは、ごまんとありますからして、

 

一刻も早く一人前のマック使いになりたい私は迅速に行動を開始しました。

 

まず調べたところによると修理の依頼方法は大きく分けて二つ。

 

郵送で送るか、あるいは最寄りのアップルストアに持ち込むか、です。

 

私は通勤の際に表参道にあるアップルストアの傍を毎日ニアミスしていますので後者を選択。

 

となるとネットで日時を指定・予約して準備完了です。

 

後日。

 

負傷した相棒を抱え、いざ参らん。

 

「アップルストア 表参道」



写真は帰宅の道すがら深夜に撮影したもので、この時は補修作業をしていたのでしょう、作業員の方もいらっしゃいますからそのスケールもわかりやすいかと。

 

おそらくは5階建てのビルに相当するであろう容積はけっこう広めのワンルームマンションに改築しても20部屋は優に確保できそうなスペースを地上一階・地下一階のわずか2フロアのみにして、おまけにこれがほぼ吹き抜け構造なんて贅沢仕様よりなにより全面ガラス張りとかいう年間の冷暖房費と管理維持費を想像しただけでも卒倒していまいそうなパラメーターの全てをオサレに全振りしたかのごとき建物を見るつけ、私はなぜか毎度のごとく不思議な脱力感に襲われ特大のため息を止められないばかりか、ただならぬ狂気、のようなものさえ感じてしまいます。

 

入店してつつがなく段取りを踏み、地下に降りて担当者を待っていた私はそのわずかな間で店内の空気中に含まれるオサレ濃度の高さに当てられて軽い眩暈を覚えていました。

 

周囲を見回してみると揃いのTシャツでかろうじてスタッフと判別はつくものの、溢れ出すフリーダム感がいかにも奔放そうな人達が、接客中のそれを除いては皆いちおうにiPadをいじりつつ楽し気に談笑している様は、申し訳ないがとても勤務中の態度とは思えないなどと苛立つ私こそがどうやら時代遅れの場違いで、おそらくこれがグローバルなワーキングのアレ的なソレなのでしょう。

 

まるでインターナショナルスクールに体験入学に来た田舎の学ラン中学生のような居心地の悪さのまま所在なく過ごしていると、ようやくやって来た担当者もまたドレッドヘアだのヒゲだの攻め気味メガネだのとフルアーマー化していて、キミそれ逆に無理して自分らしさを絞り出そうとしてない?大丈夫?な感じに自由な方でした。

 

そもそもネット予約をした時点で用件の概要は伝えてあるので話自体はスムーズに進みました。

 

が、しかし、

 

持参したPC本体のシリアルナンバーを照合した辺りから少しずつ歯車が狂いだしたのです。

 

「状態はわかりました。修理は可能ですがこちらの本体は無償交換の期限が切れてるんで料金が発生しますけど?」

 

なぬ。

 

ネット上には無償修理の手順と成功談はあったが期限切れだったなんて報告は見受けられなかった。

 

頂き物がゆえにどうやら私は当然のごとく与えられるはずの機会、それそのものを失ってしまっていたようだ。

 

いやさそもそも初期不良も同然の不手際であれば期限を設けることこそがおかしくないか?

 

などとゴネてみたところで始まらないのだろうし、そんな勇気を持ち合わせていない私はほぼ考える間もなく返事をした。

 

「有料でもけっこうです、お願いします。」

 

「はい。ではこちらのパッドにサインを・・・」

 

ちょっと待て。

 

てっきり私はそうなると次にくるのは修理の内容とその費用に対する説明とばかり思っていたが、それらを省いていきなり話を転がされ始めたことにいささかの不安感と抑えられない猜疑心を覚え言葉を挟む。

 

「あの、ちなみにですけど費用ってどのくらいかかるものですか?」

 

「あ?えぇ、こちらだと・・五万・・・」

 

五万?!

 

いやいやいやいや。

 

高くない?

 

値段じゃなくて。

 

いや、値段なんだけど。

 

費用として。

 

初期不良がどうのは置いといても、たかだかモニターのコーティング不良でやんスよ?

 

やっても薄皮一枚交換するだけのことでしょ?

 

あれですか?

 

マックブックプロのモニター表面は肉の部位で言ったらヒレですか?シャトーブリアンですか?

 

五万てなんなら新しいノーパソ買えるやん。

 

技術料?

 

いやなんのだよ?

 

色々あるのかもしれない。

 

諸々あるのかもしれない、

 

が、

 

私的には到底納得のできない金額に私は、

 

「じゃぁけっこうです、すみません。」

 

と修理の申し込みを断った。


ケチと思われようがいい。


言い訳と捉えられても。


だが、肝要なのは納得なのだ。


私は納得ができなかった。


ただそれだけのこと。

 

「あ、はい」

 

別にどっちでもいいけどね、ぐらいの軽いリアクションの担当者に私は聞いた。

 

「ちなみにですけど、これ、じゃぁ、逆にコーティングを全部剥がすとかなると何か手っ取り早い方法とかってありますかね?」

 

担当者は少し気まずそうな笑みを浮かべながらこう言った。

 

「いやー、綺麗に?というか全部剥がすとか無理ですよ」

 

あん?

 

言ったな?

 

はーん。

 

そーなんだー。

 

もう、私はこの時点で覚悟を決めていた。

 

ムキになっていたのを認めよう。

 

それには理由があるのだが、その説明をするためには少しばかり時間を遡らなければならない。

 

 

どうでもいいけど長くなったからつづきます。

 

モンキー47

  • 2019.05.09 Thursday
  • 00:47

 

今さら語るべくもない、言わずと知れたクラフト・ジンブームの牽引役にして大人気のプレミアム・ジンです。

 

いやぁ、本当に流行りを通り越して定着してるんですね、このジャンル。

 

あんまり言われるものですから入荷いたしました。

 

冒頭の通り今さらなにをお話しすることも無いのですが、

 

まぁ、ね、

 

私のことですから。

 

 

「モンキー47」

 

 

ドイツ南部、バーデン=ヴュルテンベルク州のシュヴァルツヴァルト(黒い森)でゲストハウスを営みつつ余生を過ごしていたイギリスの退役軍人モンゴメリー・コリンズさんの趣味は自家製酒づくり。

 

彼の死後「猿のマックス・黒い森のドライジン」と銘打たれたボトルとそのレシピが発見されます。

 

猿は彼がドイツに移住するきっかけにもなった第二次大戦直後のドイツ復興支援の一環で再建に携わったベルリン動物園の白毛のオナガザル・マックスくんのスポンサーになったことに由来しているのだそうです。

 

このニュースに触発されたのが当該ブランドの設立者アレクサンダー・シュタイン氏。

 

天才蒸溜職人クリストフ・ケラー氏と共に件のレシピを再現し、ついに幻のジンが復活・爆誕しましたとさ。

 

めでたしめでたし。

 

ちなみに「47」って数字は使っているハーブ(私はボタニカルとは言わない、屈しない。たとえ皆が寿司をカンと数えようとも私は・・・)の数とアルコール度数がそうなのだとか。

 

とまぁ以上がこのジンの概要としては唯一でありながらどこにでも転がっている内容なわけですが、

 

さて。

 

まず、

 

元軍人のコリンズさんが遺したレシピとこの酒の内容はほぼ無関係です。

 

それについてはシュタイン氏も公言されていますが、あくまでも「ドイツは地元の森の水と天然素材から作ったジンってイケんじゃね?」というインスピレーションになったのみ。(とか言いながら最終的な製品に使用された現地調達の原材料比率は全体の約三分の一程度なんですけれども)

 

まぁねぇ、元ネタがなければシュタインヘイガーどころかただのシュナップスだもんねぇ、はさて置いて、

 

レシピはほぼほぼ新規で作成されたものです。

 

ところでそもそもシュタインさんって何者なのさ?といえば、

 

彼の地の出身ながらフィンランドの携帯電話会社ノキアに就職し、十年勤めたのちに脱サラして新規事業を画策していたオジサン。(ノキアと言えば先日何気にhuluをつけたらマトリックスの一気見配信がスタートしてて、あれに出てくるフタがシャコーン!って開くケータイがすごくほしかったなぁーって。あとエイリアンの一気見もやってたから今日も帰ったら見るんだ、という本当にどうでもいい話)

 

しかしながら酒造を営む実家に生まれ〜とかありますが、この地域はマイクロ・ディスティラリーもカウントすると優に2万を超えるとかいう、呆れた数の家が何かしらの酒造りに関与しているので、

 

まぁ大阪の実家にたこ焼き用の鉄板があって幼いころから食べるばっかりやないでぇワイは家でもたこ焼き作ってたんやでぇ、ぐらいのこと。

 

つまり脱サラしたオジサンが地元ニュースをネタにジン作りを始めようとしたわけですが、そもそも当初はアルコール飲料ですらない、アロマ系の商品開発をしようとしていたとかいうね。

 

それじゃどうしよう?せっかくいいネタ仕入れたのに、助けて天才蒸溜職人、

 

と登場するのがクリストフ・ケラーさん。

 

って何者?

 

かと申しますれば、ドイツで出版会社を設立、経営してのち退任後に小さな酒造会社を起こしたという、言わばこちらも脱サラ組。

 

いえ、いいんですけどね。

 

必ずしもキャリアの長さが技量に比例するものでもないならば年だけとってる自称職人、しかしてポンコツなんてこたぁ珍しくもないわけで。

 

でも、あれ?なんとなくイメージと違うくない?

 

元軍人の趣味の痕跡を借りて元ケータイ会社の社員と元出版社社長が?

 

登場人物にもれなくその道のプロと呼べる人材が一切関与しないのにこだわりの逸品を?

 

とまでは言わないですが、

 

あれよね?つまりは平均年齢高めの転職組によるベンチャー的なノリが正解で、

 

思ってたのと違うなぁ、ってのはこちらの勝手。

 

にしてもドイツの片隅で完成した手作り感パない商品がなぜにこうまでブレイクしたのか?

 

となると結局この人がビジネス的に一番優れた功労者なのだろうけど、とある一人の日本人が関係してきます。

 

日本でまだ見知られてないボトル、バズりそうな酒を探し求めてフランスに来ていたバイヤーさん(はリアルで近所におられる方なのでちょっと伏せておきますけども)がついでに視察に行かせてくれと訪れるや散らばるキーワードやらエピソードを足して引いてすれば、

 

色々諸々踏まえた上でこりゃイケる!と思われたのでしょう。

 

その場で即契約して輸入を開始したのがまだ2012年のことですから先見の明と申しましょうか、大したものです。

 

あるいはまぁ、その後にクラフト・ジンブーム、それそのものが仕掛けられて・・・とかとかは、

 

いずれにせよですが、良いのです。

 

以上はちょっとだけ、一般的に流布している情報と私の知っている事情がちょーっとだけ食い違うというほどでもなく解釈の度合いにちょちょちょーーっとだけ温度差がある程度のことですからしてそれは良いのです。

 

が、

 

しかし。

 

悪く言うつもりは毛頭ありません。

 

ディスりたいなんてこれっぽっちも思っていません。

 

私。

 

わからないのです。

 

私。

 

なんか、この酒、っていうかクラフト・ジン?

 

世間様の評価が凄すぎない?

 

え?

 

そんなに?

 

いや、悪くはないよ?

 

でも、

 

絶賛されすぎじゃね?

 

酒としてそんなにですか?

 

そもそもなんでそこまでジンなの?

 

つかそんなにジン好きだったっけ?

 

みんな。

 

いやいやいや、

 

具合と加減ですよ?

 

スゴない?

 

やだ、なにこの感じ?

 

疎外感?

 

ふーむ。

 

まぁーなー、

 

人は流れに乗ればいい、って赤い人も言ってたけれど、

 

私が乗りそびれちゃっただけのことなのかなぁー。

 

ふーむ。

 

そりゃ好きなものを飲んでいただければ良いのですけれども。

 

なにも問題はございません。

 

本当に好きならば、ね。

 

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