ジガー

  • 2019.05.23 Thursday
  • 22:12

 

はじめましてのお客様でもお馴染みの方でも、中には「こんなこと今さら聞いてもいいですか?」なんて断りを前置きされてからご質問、

 

という人がいらっしゃいますが、なにをおっしゃるうさぎさん。

 

えぇんやで、おいちゃんになんでも聞きよし、今更なんて思わずに急かしてよ。

 

てか基礎だの基本というべき情報こそが曖昧だったりいい加減なのが常じゃ悲しいけどこれ実態なのよね、なこの業界にあってはくだらない質問なんてナッシング。

 

疑問を抱くはむしろ正解。

 

てなわけで本日のお題はこちら。

 

 

「ジガー」

 

「ってなにさ?なんなのさ?何かの名前なの?それとも容量?その両方?ねぇ?ねぇ?!」

 

みたいな話だったのですが、それじゃまぁまぁとりあえず落ち着いて、順を追って説明をば。

 

まずジガーとは円錐を二つ合わせたような形状の計量器具の名称です。

 

バーテンダーがよく使っているアレ。

 

え?それってメジャーカップのこと?と問われれば、そうなんですけれども、単にメジャーカップというと計量できるカップ状のものならなんでもっていう総称になるので。

 

今となってはあくまでもメジャーカップの内、画像のようなものだけを、本来はジガーと呼称するべきなのです。

 

 

そもそもジガー(jigger)とは英語で小さなコップという意味合いのスラングがごとき言葉でした。

 

その歴史は古く、1800年代の初め頃には酒場などで一杯売りをする際に小さな容器で量って注いでを行う、その器をしてなんとなくすでにジガーと呼んでいた、と記す資料も残されています。

 

後、「おう、ウイスキーをワンジガーくれ」みたいな、

 

転じて一杯分、的なニュアンスでも使われるようになりました。

 

基本、アメリカのみでのお話ですが。

 

一方、それとは異なる方向性で事が明確に動いたのは1893年7月29日。

 

アメリカはシカゴのコーネリアス・ダンガンさんが酒類等の計量を目的とした独自の計量器具を考案。

 

その名称を「ジガー」としたのです。

 

なぜにこうまで具体的な年月日が断言できるのかと言えば、だってこれ特許局に申請された資料ですし、今でも閲覧可能ですし、

 

なんでしたら当時の図案なんてオサレポスターになってたりもするもんだから興味のある方はどうぞ。

 

 

つーことで、スラング由来でいつの間にやら一杯を指す用語としてと、固有名詞として使われる場合という二つの意味を持った「ジガー」ですが、

 

相も変わらず毎度のごとく、日本にやって来た頃からテキトーの渦に巻き込まれて混乱が生じます。

 

洋酒を一杯売りするにあたって明確な指標が無い時代に以上の経緯を把握しないまま対処せざるを得なかった先人たちは、

 

なんとなくメジャーカップで量って注げばいい。

 

メジャーカップのオサレ語はどうやらジガーらしい。

 

ジガーは1.5オンス(約44ml)と1オンス(約28ミリ)の二つの計量カップから構成されているものが主なので、なにしろアメリカ人ならいっぱい飲むっしょ?じゃぁデッケーほうで、んでキリが悪いから45mlにしよう!

 

からの、

 

本場の一杯はワンジガー!イコール45mlこそが由緒正しき適量なのだ!

 

で定着。

 

ふむぅ。

 

米国ではユタのみ州法で一杯、これをまぁ1ジガーと言い換えてもよいのだろうけれど1.5オンスってことで定めてはいるけれど、それだって厳密には44ミリだし、全体では1.25から1.5オンスまでの範囲内でまちまちだったり、

 

つーか、それがアバウトにしたってだ、一杯の基準をだ、45mlとしてる国なんて古今東西世界中探したって日本以外だと(日本だって標準は30mlが主流だけどね)ギリシャぐらいしかねぇーんですけど?

 

ギリシャ?じゃあ日本だけじゃん実質、とかいうアカデミックなギャグも言えるよ?ひゅー

 

とまぁ色々ありましたが、ここまでの経緯と内容に対して正しく理解されている人のほうが気の毒と思えるほどに少ない現代の日本においては、

 

まとめるよ?

 

「ジガー」とはすなわち、

 

由来なんざ全く知ったこっちゃないけどメジャーカップのなんかカッケー本場風な呼び方と認知されている、

 

と同時に、

 

一杯=ワンショット=1オンスが手本=30mlが標準、

 

だけれども、

 

これとは別に昔ながらの「ジガー」という液量単位があって、

 

それは1ジガー=45mlである。

 

と、日本最大手のメーカー様がプロの物書きにギャラを払って作った解説を公式ホームページに掲載されておられるぐらいですから、

 

って、

 

液量単位?

 

え?

 

単位なのか?

 

液量単位になっちゃった。

 

45mlだって。

 

液量単位なんですって。

 

まぁ、もう、ここまできたら覆すのは無理案件ですので、長いものには巻かれておいてくださいまし。

 

てなわけで、

 

だからって、

 

色々申し上げましたが、途中でも書いた通り、以上の内容をまるっと理解しているバーテンダーなんて目視でスカイフィッシュを発見するぐらいに遭遇は困難なお話ならば、

 

その人が知っているという「ジガー」に関する情報、それそのものがそもそも間違っている、とまでは言わないまでも着地で足をぐねっている可能性が高いとはいえ、

 

それでよし、それが普通、それが常識、の世界こそが「今」なのです。

 

「実はねー」だの「知らないのー?」なんて、ドヤ顔でマウント取りにいったりとか、野暮はしちゃダメよ?

 

知識はひけらかして他者を攻撃するための武器にあらず。

 

己の成長と豊かなBarライフのため、用法容量を守って正しくお使いください。

 

なんか最近ここで仕入れたネタを利用してよそ様でご迷惑を働いた、なんて不届き者の話とか聞いて、ちょっとショックです。

 

そういう輩にかぎって店には来たことないっていうね。

 

なんなん?

 

つーかネットでディスってるとかいう連中も文句があるなら直接言いにくればよくね?

 

こちとら今、会いに行けるバーテンダーやってんだから。

 

むう。

 

いや、やっぱこわいからいいや、やめて。

 

最後、愚痴になりました、あいすみません。

 

 

ちなみに。

 

「ジガー」について詳しく調べようと「jigger」で検索をかけてもこれ、言うてもこんな狭い業界でのみ通用するツールだかスラングもどきのニッチでマニアックな単語ならば、

 

よっぽど世間的には認知度が高い(それでもしれてるけど)、同名の寄生虫の話やら画像といったグロ情報がやたらにエンカウントしてくるのでご注意を。

 

コメント
ジガー…ぶっちゃけ初めて聞きました。
不届きモノ…何のためにbarに行ってるやら。何のためにこのブログを読んでるやら。
  • 広島のライダーマン
  • 2019/05/24 10:53 PM
>広島のライダーマンさん

不届き者にはこちらの真意が文字通り届かなかったとあらばそれは偏に私の不徳の致すところと受け止めてなお一層の精進を重ねてゆきたいですとかそれらしいことを言っておけばよいのでしょうか?正直どないせいっちゅーねんって感じ。
  • サヰキ
  • 2019/05/25 6:10 PM
コメントする








    
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM