180日目のカミングアウト。

  • 2019.09.12 Thursday
  • 22:14

 

店づくりの物理的なところを言えば、オペレーションに直接関係する箇所、

 

例えばカウンター内の広さだの作業台までの距離だとかは細かい数字までを私のほうから提示もしましたが、

 

見た目のところ、ことデザインに関しては全くもって一切合切どころか、提示した数値さえ守っていただければ、あとはもう多少機能性を犠牲にしてもらっても構わないので好きなようにカッケーを優先していただくようデザイナーさんにはお願いしていました。

 

それでもなにか要望があれば、と問われた際に、私が唯一言ったのが、それは酒棚についてです。

 

どこのBarに行っても酒棚が「棚」である、と文字に起こすとおかしな日本語になりますが、

 

もっと他に酒の見せ方があってもよいのではないか?ただの棚で終わらない魅力的なバックバーがあってもいいじゃないか?と以前から不満に思っていた私は、さりとて自ら斬新なアイデアを思いつきようもないからこそ、そうリクエスト、というほどではないにしろ一考願えれば、と意見を置いておきました。

 

完成した店は、これが言わば身内の仕事なのであまり私が言うのも手前味噌にもなりかねませんが、そりゃやんごとなきハイブランド様とのっぴきならないお仕事もこなされているデザイナーさんが自社案件だからって好きに全力投球しただけあって見事にスタイリッシュな様子は、むしろ私が似つかわしくなくてジャマじゃない?という素晴らしい仕上がり、

 

だったのですが、

 

一つ、心配事を胸に、今日まで営業してまいりました。

 

そう、

 

件の酒棚です。

 

凡庸ならざる酒棚を作っていただけはしたものの、その手法とはミス・ユニバースよろしくひな壇に鎮座ましますボトルの一本一本にボトムから直接光を当て、各々をライトに見立ててそれ自体を輝かせる、という、

 

まぁ、常識的に考えては「タブー」とされる方法です。

 

 

 

酒に光を当てる。

 

ダメ、絶対。

 

最初にこの案を聞いた時は私も「それは・・・」と、

 

思ったのです、

 

が、

 

ちょっと待ってくださいよ?

 

本当にダメなのかな?と。

 

今の時代であればあるいは・・・。

 

ここチャレンジしどころじゃない?

 

ひょっとして。

 

と考え直すにあたりそもそも、

 

酒に光を当てることの何がいけないのかというと、これはもちろん劣化につながるからですが、

 

厳密を言えば酒を劣化させる要因は光そのものではなく、これにおのずと付随してくる照明器具からの「熱」と「紫外線」と「赤外線」。

 

つまり逆にこの三大要素を完全に排した「ただの光」だけを当てる分には理論上劣化の心配はないはず。

 

近頃はモノによってはそれらの問題をまるっと解決してくれる「LED」なんて便利な代物もございますし、

 

と、事はそう簡単な話でもなく、

 

確かにある種の「LED」を使用すれば「紫外線」と「赤外線」は発生しませんし、「熱」に関してもさほど心配はいらないとはいえ、ディスプレイ用にそれなりの数を並べれば「光」自体はそうでなくとも電力をエネルギーとする機械装置が密閉空間にひしめき合うからにはご立派な熱源と化して台座そのものが熱くなってしまうからさぁたいへん。

 

その問題さえクリアしていただけるのであれば、と言うは易しですが、

 

結局デザイナーさんと職人さんがご苦労なさって見た目のスタイリッシュさからは想像できないぐらいけっこうな手間と労力がかかって裏側は大変なことになっている現在のバックバーが完成したのです、

 

が、

 

それでも私は心配でした。

 

ずっと。

 

イケるんじゃないスか?

 

とか言っときながら。

 

いやだって非凡なものをとか言っちゃった手前もあるけれど、そりゃ確かに大丈夫とは言ったよ?不安材料さえ解消できれば大丈夫とは言ったけれども、それはあくまでも理論上は、って話で、んな実際ボトルに0距離から光を当て続けるなんてやったことないし、わっかんねーじゃん、なにしろ光なんだからさー、いや似非科学だオカルトなんざを言うつもりはないよ?けど未知の不可視光線の中に酒にだけ作用するなナニか?とか、波長が電磁波の光子が量子で謎のインクレディブルパワーがどうとか?わっかんないじゃん?

 

てなわけで、

 

実際に営業が始まってからこっち、よもやおかしなことにならないだろうな?まさかヘンなことが起きないだろな?と、そこそこ割に気が気でない日々を過ごしてまいりました。

 

結論から申し上げましょう。

 

大丈夫です。

 

変化はございません。

 

開業と同時に同一個体から取り分けたサンプルを一方は暗所にて保管しつつ比較を試みるなどの臨床試験も、半年が経過した今現在においては心配していたような変化は見受けられません。

 

いざとなったら改装もやむなしとか大ごとにもなりかねない案件だっただけにあぁ良かった。

 

当然のことながら温度に湿度、品によっては酸化防止の管理までも万全を期しておりますゆえ当店では然るべき状態を保った健全なる酒を御楽しみ頂けること、


当店の酒棚の、そのライティングが何らボトルに影響が無いこと、


ここに宣言いたしませう。

 

まぁ酒に造詣が深い人ほど初見でとりあえず「えっ?!」となりがちな当店のバックバーですが、

 

考えもなく光を当てといて案の定劣化させといて、それを自覚もないまま提供してくるような「なんちゃって」とは違いますのでご安心を。


元よりモノが違うのです、


文字通り土台が、

 

って言える。

 

やっと。

 

ほっ。

 

とは言え「一年を過ぎた途端に・・・」なんてことが、それでも絶対に無い、とは言いきれないので引き続き観察は続くのでした。

 

それってもうただの検品なんじゃね?

 

まぁ、大事だから。

 

それも。

 

うん。

 

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