おかわり

  • 2012.05.08 Tuesday
  • 00:00


Barでお客様のグラスが空になった場合、これに気付いたバーテンダーの対応は二通り。


「おかわり」を「聞く」か「聞かない」かのどちらかです。


前提として臨機応変ですが、基本的に私は後者。


おかわりは聞きません。


これは「Barとは大人が酒を嗜む所であり、大人とはマナーとモラルを尊重しつつ自身の自由を楽しめる人ゆえ、押し付けがましい催促は野暮」といった、


私がこれまでに学び、経験した理論に基づいています。


実際のところ昔は「お客様の自由意思を第一とし、おかわりを聞いてはいけない」と教育するBarが多かったですし、


お客様の側にも「空いたグラスを目の前にダラダラ過ごして「なにかお作りしましょうか?」なんて聞かれるようなだらしない飲み方をするな」、


なんて教えもあったのですが、


もちろん「常にお客様へ気を遣い、グラスが空いたら見逃さず、すぐにオーダーを聞くのがサービスだ」


と言う店もありまして、そこに異論はございません。


それはそのバーテンダーさんの理論であり私と違うから=間違いなんてことはないのですから。


ただ、現代において、一方は「即行動」といった分かりやすい仕事として受け入られ易いのに対し、私のそれは解説抜きの古いやり方であるため、下手ともすれば「何もしない」「気付いていない」と捉えられても不思議で無く、


「常に」「見逃さない」といったポイントでしばしば誤解され、


お客様から「グラスが空なのに声もかけないのか?」といったお叱りを受けたこともあります。


これについては決して言い訳などではなく、私とてカウンターの状況は常に見るともなくして観るように心がけておりますし、


空いているグラスの有無に気付かないようなことはありません。


あくまでも「あえて」なので、お客様からオーダーされない限りはこちらからアプローチをしないというだけです。


それを証拠に、実際お客様が次のオーダーを伝えようとする時、


例えば「どうしよっかな?と考える内に」「酒棚に目をやり選択を始めれば」「少しグラスを前にずらすだけで」、


つまりは「おかわりをしようかな?したいな」と思ってさえいただければ、


おそらくはわざわざ呼んでいただかなくともその時私はお客様の目の前にいますし、そうなれば声をおかけすることもあります。


いえ、完璧ではないかもしれないですけども。


しかし現に当店で、おかわり、あるいは会計の際に「すみませーん」などと私を呼ぶお客様の声があがることはほぼありません。


と言って意地悪はしないでくださいよ?


私もエスパーじゃないんですから意識的に「無」を演じながら心では思ってたのに気づかないじゃないか?とか言われてもそれは対応しきれませんから。


空いたグラスは元よりもっと小さなヒント、お客様の小さな動きや囁き、様子や雰囲気を見逃さず動くよう注意しているに過ぎませんので。


また逆の立場、お客様の上手なおかわりの仕方として考えていただければ、


先に記した「少しグラスを前にずらす」など実践していただければ、


声や身ぶりを必要としないスマートなオーダーが可能、とも言えます。


具体的にどの程度動かすかは、カウンターの内側に立つバーテンダーの方が、お客様よりもグラスまでの距離が近くなるよう前に押す感じで。


あるいはコースターからずらしてしまうか。


と、これができるのも初めからカウンター奥にグラスを置いて突っ伏すような姿勢で過ごされていたり、コースターにグラスも定まらないような飲み方をされていないのが前提であり、


延いてはスマートな飲み方をされている方にのみ可能なオーダーの仕方とも言えるでしょう。


なお、実践して、それで気付かないバーテンダーがいたとしたら残念ながらいろいろ諦めてください。

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