そんなオカルトありえません。

  • 2011.10.12 Wednesday
  • 00:00

 「アイスフレーク」


シェイクという処方を用いて作成されたカクテルの表面に浮かぶ氷の粒。


特にハードシェイキングと呼ばれる技法で作られる大量のそれは、


カクテルの表面を覆う蓋の役割を持ち、液体の酸化を防ぐと同時に冷たさを維持する効果を持つ。


一片の氷に抗酸化作用と保冷機能を纏わせ宝石にも等しい価値を生むバーテンダーの技術。


すなわち浮かぶ氷片の数と輝きこそが美味なるカクテルの証なのだ・・・、


なんて、

ガーン



理解あるお客様に甘えてすっかり油断していたところで、


かのように懐かしくもある、えらい角度のお話を、不意打ちよろしく聞かされますと、


背骨が根元からバッキリ折れそうにもなりましたが、


同時に「あぁ、私は帰ってきたのだな。」と、つくづく実感させられました。


自身の作るカクテルの味だの技法だのについて自ら説明することは無粋であると避けてまいりましたが、


少しだけ語らせていただくことをお許しください。


当店において作成されるシェーカーを用いたショートカクテルにはアイスフレークを極力浮かべないようにと、


これは意図的にそのような手法を用いているわけで、


アイスフレークの有無だけで良し悪しと判断されてはいささか心外にございます。


おこがましくも言わせていただければ、よく混ぜ、よく冷やしつつも氷を壊すことなく仕上げようとなると、


これはむしろフレークを浮かべるそれよりも難しい技術を要する点もありまして、


現在の私めの技術も完璧とするにはまだまだ至らず、日々精進している所存にございます。


ただし、これはあくまでも私が良かれとそのような選択をしているだけのことで、


ハードシェイキングでアイスフレークが最高とされるバーテンダー様があってもなんら不思議も異存もございません。


そこは個性であり理想や価値観の違いと言うだけのことにございます。



しかしながらかのような、物理法則や現代科学と言うほどの事も無い、小学生の理科レベルの常識を、


ブッチギリで無視した理論を根拠に否定されては、これは少々いただけません。


生意気を覚悟で申し上げますが、往年のヒット曲から引用させていただくところの、


「あそばれてるの分からないなんて可哀想だわ」でございます。


とかく嘘の多い世の中ですが、残念ながら特にBarという空間では常識から甚だしく逸脱したオカルトなるものが、


あたかも真実であるかのように語られることもそう珍しいことではございません。


もちろん最大の問題はそのような嘘を吹き込んだどこぞのバーテンダーにありますが、


お客様にあられましても、ある程度常識的なものの分別と判断をしていただけますようにと、


私めもそのお手伝いができましたらと、僭越ながら過ぎた思いを抱いておりますが、


まずは話に耳を傾けていただくご準備が無ければいずれにせよ叶わぬ願いにございます。


富士の樹海で方位磁石は狂いません。


バミューダ海域で謎の失踪事故など起きたことはありません。


最初に真として聞いた話は中々に払拭することも難しいとは存じますが、


よくある話でございます。

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