近頃なんだか色々しんどいし諸々だるい感じだったところをキッチリ生物学的にガッツリ医学的に克服してお元気になったのでたまには新入荷の酒の話でも書いてみます。
まてまて、お元気になる方法のほうが気になるってお年頃の男子諸君はカウンターにてなんぼでも情報開示いたしますのでお気軽にどうぞ。
いやマジでさぁ、加齢だ疲労だに端を発して滋養強壮だ栄養補給で改善したいって類の不調なら最終的には医師と薬剤師の介在しない対処法なんていくら大枚はたいてすがってみたところで効果なんてないんだゼ?
じゃなくてこちら。
「バルデスピノ ファミリーヘリテージ」
【「バルデスピノ」は最も歴史があり、最高品質を誇るシェリーボデガのひとつ。そんなバルデスピノ家に代々受け継がれてきた秘蔵の逸品が「バルデスピノ ファミリー ヘリテージ」です。19世紀に組み上げられたソレラシステムによって代々受け継がれ、平均60年以上熟成という超弩級の長期熟成ブランデーになります。】
という商品説明がテンプレで、シングルモルトを捕まえてそうとは一言も言わずコレはウイスキーです、みたいな。
肝心なところには恐ろしく触れられていないので少しばかり補足しておきます。
いや、まぁ、そもそもね、ブランデーであることには相違ないのですけれども、ちょっと特殊なアイテムでバーテンダーよりもむしろソムリエかべネンシアドールの管轄なもんで、あんまりBarではちゃんと理解されてないようなフシをリアルでも経験していますゆえ。
まずこの酒は「ブランデー・デ・ヘレス」あるいは「シェリーブランデー」というカテゴリーの酒です。
シェリー酒でお馴染みスペインのアンダルシアはヘレス周辺で厳しいお約束を守って作られた酒のみがこれを名乗ることができます。
なるほどシェリーブランデー言うからにはシェリー酒を蒸溜したブランデー、と思われがちですがそうではありません。
てかまぁ大前提シェリーってのは地名のヘレスが転がされまくった挙句にたどり着いた英語読みであって必ずしもシェリー=特産酒の固有名詞、ってわけではないのですよ。
シェリー酒に用いられるそれとは異なり主にアイレンなるブドウ品種(一部シェリーと被る品種を使う場合もあるけどまぁ稀というか特別仕様)から作った普通にプレーンなスティルワインを蒸留し、できあがった普通にプレーンなグレープスピリッツをまずは「holandas」(オランダス)と呼びます。
ルーツにオランダが関係していたのがその名の由来でどうのな雑学レベルの話は置いといて、
これがまぁいわゆる原酒となるわけです。
つまり大元となる蒸留酒はシェリー(酒)ではないのだけれどもシェリー(地名)で作られたものでなくてはならない。
で、さらに少々ややこしくなるのが以下熟成の工程からはシェリー(酒)要素が必須条件、っていう。
この原酒をグレードによって程度は変わってくるので飛び切り大まかなところだけザックリ言うと、
とにかくシェリー酒を寝かせていた樽の使用が絶対条件。
で、シェリー酒と同じソレラシステムを用いて熟成させますれば晴れて「ブランデー・デ・ヘレス」「シェリーブランデー」となるわけです。
ソレラシステムってのは単品の樽でのみ寝かせて完結させるのではなく超絶簡単に言えば積み重ねて実質連結させた複数の樽に順繰り原酒を継ぎ足して、まぁアレです、うなぎ屋の秘伝のタレ製法みたいな感じのやつです。
無論、全ての工程はシェリー(地名)とその周辺の定められた地域内で行わなければなりません。
意地悪くまとめてみよう。
つまりシェリー(地名)でシェリー(酒)ではないワインを蒸留して作られたスピリッツをシェリー(酒)と同じ方法で熟成させた酒。
とまぁ大体こんな感じだけど細かい規定やらを語りだすとキリがないので以下自習ってことで。
簡素にシェリー(酒)と同じ熟成方法とか言いましたがソレラシステム一つとっても詳細にいたってはワインの場合とブランデーのそれとじゃ内容も意味合いも違いがあったりとかしますんでね。
面白い、と思える人には歯応えのある教材ですし後は任せたがんばれ。
んで、当該ボトル。
自前の最高品質オロロソ・シェリーの熟成に用いたアメリカンオーク樽で組み上げたウンヌンは以下冒頭のテンプレ。
このジャンルの中にあっても最上級クラスでかなりハイグレードな逸品は「ファミリーヘリテージ」の名に恥じぬ一族秘蔵のプライベートストックを経営権ごと手に入れた新オーナーが惜しげも無く売り捌きだしてくれたところを日本の輸入代理店さんが目聡く掻っ攫って来てくれたおかげで近年急にエンカウント率がアップしたよね?とか言ったら聞こえが悪いか?
1999年の買収劇以降不定期リリースされていたけどここに来て怒涛の在庫処分セールみたくなってね?
取り扱うのがBarであれば否が応でもモルトのシェリー系と比べられて四の五の語られがちですが単体の絶対評価として至極単純にたいへんクオリティの高い酒です。
確かにシェリーブランデーという概念そのものが無い状態でブラインドテイスティングでもしようものなら上質なシェリー樽熟成のシングルモルトと勘違いしておかしくない程度にはDNAが共通するところはありますけれども。
しかして彼奴らとの比較を言うのであればこの質をして圧倒的にリーズナブルなところも魅力の一つ。
なんだか早速値上げを匂わせるフラグが散見されますが。
てか先代の貯金を切り崩しての商品化なら残高しだいじゃ今後どれだけ供給されるのかすら怪しいボトルですので気になる方は今のうちにどうぞ。(引き続き生産されたとして品質維持の懸念も含めて)
ハードスピリッツとしてはこれこそがある意味で真のシェリー系。
以上、久方ぶりに素直にオススメできるブラウンリカーのご紹介でした。
ってのもどうよ?
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かつてこの国にはBARを訪れる際に手土産としてカレーを持参するという古式ゆかしい風習があった。
ウソだけど。
本人も忘れかけていた謎伝統の灯を絶やすまいと古の儀式に則って頂戴いたしましたからには記しておきましょうのハイこちら。
「喜助 プレミアム牛たんカレー」
ホームページを眺めると「牛タンを仙台名物にまで育て上げたのはウチだ」と断言して憚らない豪気な名店様のお土産ラインナップにあってもハイグレードの位置づけとなるその名の通りにプレミアムな一品。
カタチを残しつつゴロゴロと形容して偽りのない量の牛タンがしっかり入っており、化学調味料を一切使用せずに作ったというルーは黒と言って過言でない色の濃さに粘度も高め。
良し悪しの話ではなく方向性自体が香味野菜を多用したいかにも高級志向なそれ、ということもあってパッケージには辛口とあるものの上品系のコクにしっかりコーティングされた全体の雰囲気からはさほどのスパイシーさを感じられず中辛程度といった感じ。
ビーフシチューのニュアンスが見え隠れしつつ何気に脂質はたっぷり系で旨味と食べ応えも十二分。
さながら洋食屋さんの風情でまとめられた品のあるフルボディタイプといった印象。
まぁ美味い。
そりゃ美味しいのですけれども、だがしかし。
頂戴したモノの値段に触れるのもアレだけど、だって言うてもレトルトカレーなのに単品で1200円もしようかという代物なればもはや高級食品。
となればそれ相応のクオリティはもはや義務の範疇であると同時に、はたして自腹でも購入したいと思えるほどの魅力を見出せたかとなると少々疑問が。
自分じゃ買わないけど貰えると嬉しい高級ハムのような、御贈答品としては適任か?
いずれ贅沢品の部類ですよね。
牛タンが入っている時点でそりゃそうか。
この度は頂き物ゆえに手放しで喜ばしいばかりでした。
おいしゅうございましたありがとうがざいます。
なんとなーくざっくりアーカイブを眺めてみたら、なんだかんだで100食近くやってたのね、こういう謎のご当地カレー記事。
そもそもブログの中に「お土産」なんてカテゴリーがあったこと自体を当の本人が忘れてましたが、
いや、なにやってんだか。
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2024年ですよ?
ここに来てやたらと当店で人気急上昇中のカクテルがなぜコレなのか問題ですよハイこちら。
「オールドファッションド」
なぜなんて申し上げましたがご覧の通り少しばかり見慣れぬカタチでご提供しているものですからしてそれが原因。
ライウイスキーの入ったグラスに添えますのはプレーンシュガーとビターズを染み込ませたシュガーにシナモンとクローブ、スライスレモン・ライム・オレンジにチェリーとハチミツ(このカクテルに用いるには特に異質で邪道だけどプラスαなら個人的には一番オススメ)まで付けて、あとはお好きなモノをお好きなぶんだけ混ぜ混ぜしてねなセルフ・カスタマイズ・スタイル。
大人気ってほどではないけどそこそこにオーダーのある定番のグラスをなんとなーく注文してみたら斯様なスタイルで出てきた日にはワーオつって映え―つって。
コレが特に近頃急増している外国人のお客様に見つかっちゃって連鎖して、という始末にございます。
私めを知る人からすると奇をてらったグラスを嫌う私にしては随分と変化球にも見えるでしょうが、こちとらかれこれ二十年以上前からこのスタイルでお作りしているものだから喜んでいただけるのは幸いながら今さら感もハンパなくてなんだか逆に申し訳。
もののついでにここに至った経緯やらオールドファッションドなるカクテルのウンヌンやらを語っておきますかどうですかハイ語ります。
そもそもの話しから。
まずはオールドファッションドと言うからにはそらもうオールドなファッションドなんでしょうけど正確にはどのくらいオールドなファッションドなのか?
実はこれに関しちゃけっこう具体的な指標がございます。
諸説ウンヌンのあれこれまで詳細に説明していては埒が明かないので以下ザックリ。
カクテルなる言葉が初めて明文化された説として最も有力とされているのは1806年のアメリカの新聞紙上でのこと。
その定義を当時スリングと呼ばれていた処方を例にあらゆる蒸留酒に水と砂糖とビターズを加えた刺激的なドリンクであると説明されていました。
これを起点に以降進化して変化して時は流れ1860年代。
世界初のカクテルブックも誕生し、この頃に今時でございと紹介されたカクテルたるや甘味ならプレーンシロップかガムシロップを用い、ベースとなる酒以外にその他の酒を混ぜもするし、取り分けリキュールなどは需要が爆上がりでそれ以外にもフルーツのジュースなんかも多用しちゃいます、と今のスタンダードカクテルにも通じる基礎的なところが形成されました。
というわけでオールドファッションドとはこの新定義が普及した1860年代から見てそれ以前のことを指しており、ベース・砂糖(角砂糖)・水・ビターズにまぁあってもその他にはフルーツのピールぐらいしか使わない古典的スタイルのことを言うのです。
しかしさらに時代が進むにつれて「オールドファッションド」は懐古厨が崇拝する「あの頃の処方」という意味合いを薄くし1カクテルの固有名詞としてそれに相応しくレシピも固定され、経緯や定義を理解せずとも作れるし飲めるし細けぇーこたーいーんだよ、となってからは、
気が付けば在りきであったはずの縛りプレイのルールそっちのけで薄っすら甘味と苦みを足してフルーツをデコったウイスキー(その最初期には必ずしもウイスキーベースってことですらなかったのよ)のロック?みたいなところに落ち着いたのでした。
ちなみにですが、オールドファッションドたるやチェリーとスライスレモンか、あるいはオレンジは欠かせないところみたいに思っている人も多いでしょうが、いやまぁ現代からすればそれでも十分にオールドと言えるぐらい昔のことなんですけど、これらは1930年代以降に付け足された比較的、あくまでも比較的ですよ?新しい要素だったりするのです。(1860以前のフルーツ要素はせいぜい使ってもレモンピールぐらい)
そんなこんなで以上のような余計な知識を順調に仕入れていってしまった私ですが、だからといって「コレがかくあるべきオールドファッションドでぃっ!」とドヤ顔で1860以前を再現したグラスを出すには抵抗がありました。
なにしろご注文される肝心のお客様がお求めなのはおそらくほとんど「現代風」とも言うべきフルーツありきのそれではないのか?と。
いやしかし、中には「そうそうこれこれ」なんてガチめなところをお求めのガチ勢さん、なんて方がいらっしゃったりするかも。
一々都度にお伺いするのもスマートさに欠けてくるし、割りにそのへんの雰囲気こそが大事なグラスでもあったりするし。
とか何とか言うてますけどもそもそもの個人的な疑問を盛大かつ乱暴にぶっちゃけますが「このカクテルって美味いか?」
人によって美味いの正解に振り幅があり過ぎるカクテルにしたってよ?極めて客観的にカクテルという一飲料としてよ?
色々足りなくね?
ちっとやそっとフルーツとか足したぐらいじゃ追っつかないぐらいに現代の感覚からすると色々物足りなくない?
諸々を知らないバーテンダーであろうともなぜかここだけは頑なに守られている「角砂糖一個」が根源的な問題の中心なんだろうけどさ。
1グラス分のウイスキーに対して角砂糖一個てカクテルレシピじゃなくて味ってものを組み立てる上でのバランス感覚的にしっかりおかしいよね?
そりゃまぁそのちっと足りないぐらいのところが古風でありよく言えば素朴だか質素とかにもなるんだろうけど。
そのあたりも関係してで、あとさ、なんかさ、これはもう完全に独断と偏見と認めた上で酷いこと言っちゃうよ?言っちゃうけどさ、定番のグラスだけあって巷でもまぁまぁオーダーされる割にはさ、本当に好きで飲んでますって感じ、あんましなくね?
なんとなーくそれっぽいから頼んだこうか?みたいな感じしね?
型も大事だけどなるべくならきちんと美味しいと思ってもらえるものを提供したいのだけれども、だいたいがさ、材料に不確定要素を多用するにも関わらず構成上作成途中で味見ができないってのも厄介なんだよ。
最終的な着地点の調整はお客様任せっつても諸々を全部グラスの中にぶち込んだ状態からスタートがお約束のレシピじゃ初手からオーバーランしてた場合に取り返しがつかないし。
いいよ別に、このカクテルにそこまでの期待は端からしてねーし、ってのもなんか悔しいじゃん?
どうしよう?
わからなくなってきた。
逆に聞きたい。
「ねぇ?オールドファッションドってなんですか?どうすりゃいいんですか?何が正解ですか?」
私は悩みました。
迷いました。
あるいは迷い過ぎてしまったのかもしれません。
しかしておかげでようやく一つの答えに辿り着いたのです。
「よし、全部お任せしよう」
逆に。
そう逆に。
オールドファッションドたるや古典カクテルが近代カクテルとして再定義される以前のスタイルであればこそ、
ルールなんてないんだ。
そういう時代のグラスなんだ。
文献になんて残っちゃいないところでもっと好き勝手、個々に色々やってたかもじゃん?
今は見知れぬ昔のことなら想像力こそ物を言う。
自由なんだ。
I can fiy !!
貴方様が想う貴方様なりのオールドなファッションドをグラスに再現するがいいわよ!
その火を飛び越して来い!
てかイイっしょ?好きでしょ?こういうの。
とんかつ屋でゴマすったり蕎麦屋で山葵おろしたりって一手間とか、ラーメン屋で自分好みの味変トッピングみたいな感じ。
楽しいよね?嬉しいよね?
ハイ!言い訳完了!
正当化に成功したー!
と判定したー!
オレの勝ちー!
いえー。
てなわけで丸投げスタイルが完成したのでした。
それがもう二十年以上も前の話しですからね、一昔、二昔ってなもんでございやす。
今さらコイツを見たことないだぁ楽しいだぁと令和の時代にキャッキャ言うていただけるなぁありがてぇんですがね、
当の本人からすりゃ別段目新しくもねぇ。
あっしにとっちゃあとっくにこいつがオールドファッションドなもんで。
きゃー。
うまい。
ほめて。
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とにかくハイボールのご注文が多いのでございます。
それもいわゆるクサイ系。
これの色々を色々飲んでみたいと仰せになられる。
「んだよ、んなもんラフロイグのソーダ割りじゃダメな理由がなにかあんのかよ?逆に」とか酷いことは言わない。
私はこう見えてサービスマンだから。
「何かないか?何か違うヤツで」にお応えしている内にいよいよネタが無くなってきた折、興味も無いので、もとい、キャッチーな上に斯様な用途であればお誂え向きなのにそういえば買っていなかったな、と思い出したので早速取り寄せましたのがハイこちら。
「モンキーショルダー スモーキーモンキー」
言わずと知れた汎用量産型ブレンデッドモルト「モンキーショルダー」にピートをまぶしてスモーキーにしてみました、とかいうまんまな商品。
世界的には2017年発売ながら日本での正式リリースは2022年なんて営業自粛期間のど真ん中であったためすっかり失念してました。
いちおう飲食店向け限定販売商品らしいのですが今時ネットでいくらでもポチれるのでそこは意味なし。
ご興味ある方はどうぞ。
以上お終い。
はい解散。
でもいいのですが、改めまして「モンキーショルダー」に関する情報をぐるり眺めてみますれば随分と酷い有様だったので以下つらつらと。
まずはここから訂正せざるを得ないのは原酒について。
製造元である「ウィリアム・グラント&サンズ社」が所有する蒸溜所の内から三つ「グレンフィディック」「バルヴェニー」「キニンヴィ」で作られたそれぞれのモルト原酒をブレンド、と多くの方が口をそろえてご解説なされていますが、それは販売当初からしばらくの期間のみのことでして今となっては昔の話。
かつてのネックやラベルに「THREE」とか「TRIPLE」なんて表記があった頃まではそうだった、という過去形の情報でして、
現行ボトルの中身は「厳選したスペイサイド産モルトをブレンド」とだけ語られるのみ。
意図的に、かつ公式に、詳細は徹底してシークレット扱いです。
そりゃもう社長に謁見たまわった御仁が直接質問してみても絶対に教えてくれなかったレベルで徹底して。
えー?三匹のサルのエンブレムはそのままじゃん?変わってないじゃん?てことは三種の原酒を使ってるんでしょ?はあなたの感想ですよね?っていう。
なるほど確かにねー、オフィシャルサイドの文言はたとえ日本語であってもちゃんと「三種の〜」の部分が「スペイサイドの〜」に書き換えられているし、未だ「三種の〜」を言うてはるのはかつてのそれを相も変わらずコピペの方々なり二次ソースから以下の発信ばかりですねー。
まぁ聞かれてもないことに答える義理もないなら、あえて変わったとも言わずにしれっと、ってところはねー、やらしいけどねー。
「モンキーショルダー」なんて商品名の由来が「フロアモルティング」とかいう失われつつある伝統的作業工程にあるのなら、そもそもこれを実践していたのが販売当初からして「バルヴェニー」ただ一銘柄のみだったからこそ、いくらなんでも「バルヴェニー」は今でも入ってるものだと信じたいけど真相は闇の中。
なんてイジワルを言いたくなるのは「ウィリアム・グラント&サンズ」が「自社所有の蒸溜所」とも言わず、あえて「スペイサイドの」としているあたりが実にミステリーだから、はあまりにマニアックだし深堀しだすとなかなかのお話しになるのでお好きな方のみご考察のほどお楽しみあれ。
して、
これに関しちゃそもそも語られることが無いか「オレは空を飛べる」レベルの大嘘しか見受けられなかった謎表記「バッチナンバー」についても触れておきましょうか。
「モンキーショルダー」なら「バッチ27」。
「スモーキーモンキー」ならば「バッチ9」との表記が必ずあるわけですが、気になる人は気になるはず。
通念的にバッチナンバーの表記とはスモールバッチ(数量限定の少量生産、あるいは樽、でなくとも極めて小さい数の限定されたロット単位とかで厳選された原酒)のシリアルナンバー的に使用されるのが常なので、
例えば同じ銘柄の商品だったとしてもバッチ違いで雰囲気が変わってもおかしくないし、逆にそこが醍醐味ってことも多々。
「この間出たアレのバッチ8を飲んだけど前の7のほうが好きだったなー」みたいな。
ところが「モンキーショルダー」の場合は誕生以来ずーっと同じバッチナンバーが表記され続けている。
どういうこと?
答えは簡単。
このバッチナンバーはボトルの個体識別のために表記されているものではございません。
商品開発時に試作用スモールバッチ(樽)にそれぞれ振り分けられていたナンバーの内、採用された樽のナンバーを表記しているだけ、とのこと。
つまり「モンキーショルダー」ならその全てが試作樽バッチナンバー27を基準に、「スモーキーモンキー」は試作樽バッチナンバー9のそれが基本レシピとして使用されているのです、ってだけのことらしい。
型式番号みたいなもんですね。
ちなみに最初はこのバッチナンバーがそのまんま銘柄名候補だったとかってお話しはどうでもよくって、
え?まって。
先に記したように現行の「モンキーショルダー」ってブレンド比率どころか使用原酒自体が開発段階はもとより販売当初からしても変わったんだよね?
今のバッチ27の表記っていったい何を意味しているんだぜ?
とかはつっこまないでいてあげよう、私は優しいから。
すごいよね、リアルで「バッチナンバー27です(バッチナンバー27とは言ってない)」を実践しちゃってるんだから。
それにしたってバッチナンバーの表記なんていやでもスモールバッチを連想させるしヘタすりゃ優良誤認の可能性もあるからまずいんでないの?とか思ったけど、どうやら心配は無用のご様子。
なぜならそれはそれとして今も昔も変わらず「モンキーショルダー」たるや粛々とスモールバッチとして製造されているご立派なスモールバッチ商品、とのことなので。
あれ?
昨年にはスコッチのブランド別売上で世界第三位とかなってませんでしたっけ?
大量生産され大量消費され続けているボトルがスモールバッチ。
スモールバッチ?
スモールバッチとはいったい・・・うごごご!
まぁそこには厳格な基準やルールはないのでね、ダメとは言わないよ、別に。
醤油の厳選とか特選ぐらいのことだと思っておいてあげよう、私は優しいから。(二度目)
ところでなんだけど、実際の肝心のところがですよ、ご多分に漏れず随分とまぁ変わっちまって、よく言えば今風なんだろうし割りもの素材としてはいいんだろうけどさ、ウイスキーとしてのそれはどこいっちゃったんだ?
とか思ってオフィシャルのヒストリーとか眺めてみると「そもそものそもそも、こいつはミックスド・ドリンクのベースリカーとして開発されたんだぜい!」ってことになってるけどさ、
ん?
あれ?
そんな話しだった?
なんだろうな?
近頃ますます記憶と現実の乖離が激しくて困っちゃう。
どこにあるやら・・・次元のはざま・・・
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あけおめっス。
ことよろっス。
年明けからこっち、ご来店いただいたお客様の九割が外国人さんです。
私は一体どこの国でお仕事していますか?な男、サヰキです。
たまにはブログを、とも思ったのですが直近で収集していた業界ネタときたら、もはや笑っていられないレベルでヤベー感じのお話は、自分が下手に取り上げたことがきっかけとなって規制のトリガーにでもなっては寝覚めが悪いのでそっと埋め直しておきます。
いいかげん私もいい歳なので、そろそろ啓蒙だの警鐘の類など意味をなさない現実に気づきましたし、
今の望みはと言えば、せめて己の目と声が届く範囲で、あくまでも私が想うところのバーテンダーとしてを全うできさえすれば、それでいいかな、と。
そんな感じでございますからして。
もう、戦うことに疲れてしまったのですよ。
いいや、
ウソだね!
やってやるよ!
戦ってやる!
抗ってやる!
誰とっだって?
それはっ!
老眼とだっ!
デデン
わずか全高数センチのミニモデルでありながらケレン味たっぷりのアレンジに狂気じみたディテールを詰め込み食玩スタイルで提供される猛烈に頭のおかしい(誉め言葉)ガンプラ界の異端児「ガンダム アーティファクト」の制作を開始。
こいつはまさにアラフィフ泣かせの老眼キラー。
やってやる!
やってやるよっ!
楽しそうでなによりです。
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ところでこちらをご覧いただきたい。
高圧洗浄器です。
東京ってさ、ホントいつでもどこでも永遠に工事してるよね、の順番がいよいよなご近所にやって来たおかげで店先の道路がそこはかとなく泥だらけ。
これを一掃すべく購入しました。
そして激しく後悔したのです。
どうしてもっと早く手に入れていなかったのか、と。
これは楽しい。
気持ちいい。
例のショッピングサイトのセール期間に乗じて購入した中華製の安物なので一抹の不安はありましたが性能的にも十二分。
綺麗になってスッキリという結果以上に圧倒的な力でねじ伏せ汚れを破壊し殲滅する過程そのものが快感。
足りない。
店の前はとっくに綺麗になったけど、こんなもんじゃ足りない。
そんなわけで近頃は頼まれてもいないのに水の入った20kgのバッカンと機械を持って近所を徘徊し路肩やら側溝やらに見えない自由が欲しくて見えない銃を撃ちまくる人よりも洗浄銃をぶっぱしている男、サヰキです。
いいよぉ、高圧だねぇ、すごく、高圧だねぇ。
ハァハァ・・・。
本題です。
年末年始、毎度の感じでお休みをいただきます。
今回は定休日と抱き合わせにすればかなり長い休みにもできるのですが、なんとなく持て余しそうな自由の中で可能性に溺れながら色々を考えるのがむしろ逆に面倒なので頑なにいつも通り。
【休業日・12月31日〜1月5日まで】とさせていただきます。
宜しくお願いします。
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こんなにヤル気が無く更新もままなっていないのに相変わらず新規来店のきっかけとしては最も効力を発揮している当ブログ。
が、しかし、
先日は立て続けにナナメの方向から着弾された御仁が来店されて内お二人ほどは曰く、
「あれ?ゴジラの記事の・・・ゴジラお好きなんですよね?」と。
好きですよ。
好きですけど、現実世界においてはまず、私はバーテンダーでありここはBarなんです。
そりゃもちろんカウンターで雑談レベルのゴジラ談義に花を咲かせるぐらいのことはできますが、そもそもがそちら方面に特化したような、いわゆる「そういう店」とかではないので申し訳。
ちなみに件のお客様方が当ブログに辿り着いた経緯を聞いてみたところ、「アタック・ピーター」でググったら一番上に出てきてそこを糸口にアレコレ、という点が共通していました。
まぁね、
そりゃね、
ゴジラ関連にしたってやや角度が特殊な上に深度が深めな、平たく言ってあまりにもマニアックとか以前にゴジラネタであるにも関わらず海外発信でありむしろ日本では情報それ自体が皆無に等しいワードを検索してみたらばトップに出てくるような記事を書いている人物が店をやっている、となればずらり並んだフィギュアを眺めつつ一杯やれるコンセプトバーの類と思われてもいたしかたございませんか?
そうなんですか?
誰が悪い?
私が悪いのか?
じゃぁ謝っておこう。
ごめんなさい。
よりにもよって店がこんなんだから思い描かれた感じとは540°違ってて戸惑いますよね当然。
反省しております。
改善のつもりはありません。
ふはははは。
それはそれ、これはこれなのだ。
にしてもこのタイミングでアタック・ピーターとは奇遇ですなぁ。
ところで聞いてほしい。
私に聞いてほしい。
具体的には来年5月の私。
先日、日本には一切情報開示が無かった来年5月発売予定の限定フィギュアの予約をあの手この手で試みるも製造販売アメリカで北米流通のみならば直接の購入ができないからにはPayPalで頬を殴りつける勢いで海外のオークションサイトだネットモールを捜索するもどちら様であろうともまだ手元に現物が存在しない現状では日本から手を出す手段が絶望的なご様子ならばいいかよく聞け5月のオレよ、時が来てモノが出品されようものなら、否それを見越して先回りすべくネットに張り付き是が非でもどうにかこうにか入手するんだいいか?わかったか?半年先の話しだからって忘れんなよ?頼んだぞ、頼みます、私。
あれはいいものだ。
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引っ越しました。
引っ越したはずなのに荷解きが捗らず正確には引き越しきれてはいないので引きかけぐらいです。
その原因たるや荷解き以前の事務的な作業の中にこそあったと自覚はしております。
毎度のことではありますけれども。
疲れたのです。
今時は転居に伴う諸々の手続きも大抵のところはネットで済むので随分と楽なもんですが、
それでも生じる電話や対面で応対の度に、
「サエキさんですね?」
「いいえ、サイキです」
というテンプレやり取りをかれこれ5億回ぐらい繰り返しています。
正直どっちでもいいんですけど登録や確認に関する辺りの事をテキトーにしとくと後々照合できないだのと不都合が生じてしまうので面倒でも訂正せねばなのです。
なんなら私も先方の復唱に対し「イ」か「エ」のどちらを言ったのかも聞き分けづらいなら間違えも無理からぬ名前のこちらこそ逆に申しわけないのに形式上だとしても謝罪せざるを得ない状況に相手を追いやってしまったことにこそ罪悪感を抱いてしまう程にひどく優しい私ときたらその都度相手を気遣ってらしくないほど過剰なまでに明るく振る舞いつつ気にしていないアピールの愛想笑いとほがらかトークの安い演技を繰り返してきたおかげ様で疲れ果ててしまいましたとさ。
そんなこんなもようやく峠は越えたので私はいよいよ荷ほどける男になりたい。
そう思っています。
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今更だけど、だから私にゲームなんて与えちゃダメなんですよ。
というわけで驚くほどナイトシティに入り浸っている男、サヰキです、お久しぶりです、どうもです。
この度はむしろ元気によろしくやっておりますというご報告のみです。
私事ついでを言えば今住んでいる家の更新方法が定期借家に切り替わって、どうやら建て替えを検討されているご様子なのでバタバタする前にいっそ引っ越しちまおうってなもんで新居探しを始めました。
近頃の日中はもっぱら内見ツアーの日々です。
つまりむしろ元気によろしくやっておりますというご報告のみです。
]]>
8月13日から17日まで夏休みをいただきます。
宜しくお願いします。
]]>お得なワケあり秘密ボトルには秘密にしとかなきゃなワケがあるからこそお得なのです。
事情やら詳細について店でならいくらでもご説明しますが、
アレをドコでいくらで飲んだとか他所様なりSNSとかで言っちゃダメわよ。
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夏の支度はできております、の写真のついでにはいこちら。
「カサーシャ51」
ごめんなさい、あくまでもSNS用に撮った写真のさらにボツからの流用なもんでなんですが真ん中のやつね。
言わずと知れた「カイピリーニャ」のベースリカーというかそれ以外に用事の無いボトル。
営業中、ご質問をいただくことがしばしばあって、正直なところ「ブログ読んどいてくれよ」とか思っていたのですがいざ振り返ってみるとその他カサーシャなりピンガについてはぼちぼち書いたことはあるもののピンポイントな当該ボトルのウンチク関連は触れたことが無かったのですねいやもうそろそろ何を書いたか、はたまた書いていなかったかなんて憶えちゃいませんとか言い訳はいいからはよ説明しろやですねあいすみません。
で、何を聞かれるのかと言えばそらもう銘柄にもある数字、コレにまつわるアレコレなのですが順を追って。
まずは読み方。
ブラジル産ならば公用語のポルトガル語にならって「51」=「シンクエンタ・イ・ウン」ですけど「ゴジュウイチ」でいいんじゃないスか?そもそもカクテルベースがもっぱらで銘柄指定する機会なんて無いでしょうし個人的にはそんな「カイピリーニャください、シンクエンタ・イ・ウンでね」とかオーダーされたらヤダなにこの人ちょっと意識高過ぎなんですけどー、って軽く引いちゃいますし。(個人の感想です)
とか言いながら実は名前の呼び方なんて聞かれたことはございません。
本題はこちら。
「名前の由来を調べたら51と書かれた試作樽のものが一番おいしかったから、って情報しか出てこないけどアレ本当ですか?」と。
流石はうちのブログなんて読んでらっしゃる御仁だ。
立派に捻くれて、もとい勘が鋭いやら勉強熱心でらっしゃる。
いいよ、おじちゃんが教えてあげる。
違う違う、決してカウンターで個別に回答するのが面倒になったからもうブログに上げとけとかそういうのじゃないからね、うん。
で、結論から言えばウソです。
てところをつらつらと語るだけの今回はネタ記事。
今も現役のやんごとなきバーテンダー御大様が自身の著書の中で(つってご本人様が書いてるわけじゃないのだろうけど)かのように説明して以来我が国ではそういうことになっていますが、それでは事の真相をばなるべく簡単に。
1950年代、もう正式な資料が残っていないぐらいふわっとした頃だし詳細もおぼろげなところはあるのですが、
ブラジルはサンパウロ州のピラスヌンガという地にサッカー大好きなピッコロという兄弟がおりました。
二人はオリジナルのカサーシャ(ピンガ)を製造・販売するにあたり地元のサッカークラブ「パルメイラス」の名と、このチームが世界クラブ大会で優勝した記念すべき1951年から「51」の数字を頂きラベルに冠しました。
言うたら広島で「カープ75」を発売、みたいなもんです。
そこはサンフレッチェでしょ?はさて置き、
そらもう地元でバカウケ、のみならずそもそもの中身が競合品と比べても洗練されたクオリティが好評を得て売り上げを伸ばしていきました。
「51」って美味いよねー、が浸透してきた1959年、現在も製造販売を行っている「コンパニア・ミュラー・デ・ベビダス」社がその一切合切を買収。
これはイイ、これは売れるぞ、と生産量を増やし販路を拡大するにあたり「しかし地元サッカーチームが商品名とはいかがなものか?51で浸透しているし名前は変えたほうがいいんじゃね?」と銘柄を「ピラスヌンガ51」に変更。
ちなみに地元では今現在もこの名前のボトルが売られていますし海外通販サイトでも見受けられます。(画像は今の今、海外Amazonで取り扱われている代物)
日本でも2000年ぐらいまではこっちの名前で紹介されてたっけかなぁ?
まぁ「カープ75」から「広島75」みたいな?
これなら巨人ファンや阪神ファンも抵抗なく買えるっしょ、ってなことなのかな。
その後も大躍進は続き、先に言っちゃうとこの酒って世界で売れてる蒸留酒のベスト3には必ずその名が入ってくるぐらいの常軌を逸したバカ売れ商品ですからして、
さらなる大規模生産にシフトし、販路もいよいよ世界規模へと拡大してきたころには「地元への媚なんざ地元にだけ売っときゃいいんだよ!ブラジルの!否っ!世界のカサーシャ需要を独占してやるぜ!カサーシャったらウチなんだ!オレがガンダムだっ!」
と名前が「カサーシャ51」に。
「広島75」がいよいよ「NIHONSYU75」でグローバルに展開?
え?日本酒だったの?いやまぁそこは何でもいいのだけれども。
そんな経緯がありまして、ここからはちと推測も踏まえながら話を戻しますが、件の「樽に51の数字が由来」の由来はなんなのさ?となると、
どうもこれが言われてたのって1990年代も後半からで、2010年代に移る頃にはすっかり鳴りを潜めているし、海外においてかの説が語られる折には決まって「伝説によれば」なんて大層な枕が添えられている事実も鑑みますと、
おそらくは世界市場を視野に入れた販売戦略の過程で、それでも新規開拓の際には「で?51ってどういう意味なの?なに由来?」とか思い出した頃に聞かれるもんだから、
この頃といえばちょうどネットも普及してきたことだし、これを利用して普遍的なコレだって話を作って流布したらそういうことにならないかなぁ?してくれないかなぁ?今さら当社とは直接関係のない地元愛が強すぎる兄弟が贔屓にしていたご当地クラブチームの優勝年とは言えないしなぁ、てなもんなんじゃないかな、と。
だがしかし世界に散らばる名探偵様方からのツッコミを受けて気がつけばフェードアウト。(日本を除く)
正史であれば堂々社歴に残しておいて然るべきはずが今はオフィシャルHPからもこのエピソード自体がまるっと削除されていますし、じゃぁ代わりとなる51の正しき由来について何か記してあるかと言えばそれも見当たらないという状況証拠を積み重ねてゆきますとそう判断せざるを得ませんなぁ。
ことの真相はそんなところかな?と。
でもまぁ別になんでもいいと思うけどね、個人的には。
ええんかい。
うん、まぁ、ねぇ。
ちなみに、
伝説の〜のくだりをちゃんと解説いたしますと、
「当該ボトル販売の最初期、輸送・保存用に使用していた樽に51と書かれていてよく売れたのでそのままゲンを担いで銘柄名に51を採用した」となっていて、
いやまぁそれでもだからなんで51なんだよって?いよいよたまたまってこと?は一先ず置いといて、
真実はともかく、とにかくこれで統一されている文脈がなぜ日本でだけ「51番の試作樽が一番おいしかった」になったのか?は謎でしかないしむしろ私が理由を聞きたい。
だいたいが今も昔も製造段階に樽熟成なんて過程が存在しない酒を樽で試作てなんやねん?
仮に試作段階では樽を用いてたとしても、これが美味かったから採用としておいてなんで製品版は樽が使われてへんねん意味わからん。
酒がウンヌン関係あらへん、普通に思考能力の問題ちゃうか?もう。
ウチに来られる素人さんですらそこんところに引っかかって質問されてたぐらいなのにプロが疑問にすら思わないどころか広めていたとかどうしてこうなった?何気に色々ひどいわよ。
ホントはね、おそらくだけれども元ネタというかヒントにしたのであろう道筋なりロジックは想像できるのですけれどもわざわざ書くほどのことでもないし心底どうでもいいのでスルーしておきますが。
まぁアレです、なんだかんだで20年以上同じようなことを言い続けてますが、いい加減洋酒のことを日本語で検索するのはやめておきましょう、と日本語でブログを書いている私が言ってみる。
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お久しぶりですヴァリスゼアを7日で救った男、私です。
別段ご報告すべきは無いのですがあまりに無沙汰が過ぎるはいかがなものかと思いまして無いなりに近況でも書き連ねておきます。
FF16を発売日ダッシュで速攻プレイし始めるもイマイチ盛り上がれず。
さりとて手を出したからにはとりあえずでも終わらせたいという後ろ向きなヤル気だけで一応のクリアだけはしたものの、あらゆるゲームはトロコンを義務としている私ですがやっぱりそんな気になれないまま道半ばにしてこれを放置。
矢継ぎ早にスケジュールがまる被りしていたDBDの周年イベントに逃げ込んでみるもPvPの闇から滲み出る愚かしくも勇ましき人の子の有り様に辟易してしまいここからも逃避。
なんとなくただダラダラと動画なり映画を観るともなく眺めて日々を過ごしておりました。
ナンというかナニと言わず漠然と全てにおいて「元気少ないね」だったのです最近。
なぜか?
それは毎年恒例、夏には腹筋を割らなければ死んでしまう呪いにかかって久しい私は今年も懲りずに絶賛減量中なので今時分ともなると末期にさしかかっていればこそ生きているだけでしんどいのです辛いのです年々減量のキツさが増しているのです。
つまりは相も変わらず無駄な熱意と努力を惜しみなく注いだプールに頭から飛び込んで溺れるを愉しんでいるだけならいつものことじゃね?てなわけで平常運転なのでございました。
毎年恒例と言えばもはやわざわざご報告するまでもない夏のアレとかご用意はできてます。
お仕事はしています、いちおう。
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お待たせいたしました。
いえ、本当は誰も待ってなんかいないことを知りつつも勝手に語らせてていただきます。
1/144 ジム・スナイパーカスタム(MSD版)が完成いたしました。
首の延長と小顔整形以外は基本的にキットまま。
平手をオリジン78からとシールドはジム改のものを流用して梅雨の湿度と戦いながらMSV系の配色で全塗装。
最大のお気に入りポイントは左肩に配したフランシス・バックマイヤー中尉が搭乗した92番機のパーソナルエンブレムはZ版ではなく無駄にこだわってわざわざ旧キットから持ってきた当時の本物デカールがオールドファンをニヤリとさせる素敵仕様と自画自賛。
はたと気付けば封印がウソのようにして立て続けに三体も。
この度はそれでもなるべく良く見えるように当ブログの上限画質いっぱいの設定ゆえ(pcで閲覧時は)いつもより画像そのものが大きくなってしまってますが、だとしてもこの程度が限界。
高画質で細部に至るまでをご堪能していただきたいがあまりにカメラの購入と撮影環境の整備、そしてそれらをアップする受け皿としてのみを目的にホームページの運用復活さえも頭によぎる昨今ですが、
だがしかし、団塊ジュニアなら喜びのあまり膝から崩れ落ちて咽び泣くであろうファースト連邦ミリタリー系三兄弟の揃い踏みを迎えたここいらで今一度プラモデル制作はお休みしなければなりません。
なぜならば、6/21からはDBDの7周年イベントがあるだけならまだしも翌22日にはFF16が発売されてしまうのですから。
モデラーあらためゲーマーにジョブチェンジです。
あらヤダたいへん。
多忙なる日々は今しばらく続きそう。
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外国人のお客様が書き込まれた当店に対するベタ褒めクチコミレビューより一部抜粋。
「バーテンダーは静かにおしゃべりするために私たちを残しましたが、気配りがあり有益でした」(翻訳まま)
違う違う、オレ英語できないだけだから。
こんばんは、ただただ無駄な強迫観念に駆られてたまには酒のことを書いておこうと思い立った男、サヰキです新入荷ですハイこちら。
エミル・ペルノ「ラ・フィー・ローズ」
アブサンです。
品名は直訳で「バラ(色)の妖精」
そもそも生産数が250本しかない限定品なので(だからってそこに価値があるような代物ではないし再販の可能性もあるのであしからず)遭遇することも稀でしょうが、Roseの表記のeにアクサンはついてないからカタカナ表記ならばローズのはずが、なぜだか日本の取扱店の9割ではロゼと書いているけれども、私が言うのもアレだけどこの業界に語学力とか期待するほうが間違いなので巷じゃもっぱらロゼらしいですってとこを踏まえてネットで検索や他店様におけるオーダーの際にはご注意を。
アブサン界の正統なる老舗が繰り出した変化球はハイビスカスの色素でバラ色に染め上げられたそこはかとなくエロいアブサン。
だったらハイビスカス色じゃん、とか野暮は言いっこなしで。
ラベルにいくつも描かれている花は当然バラかな?と思いきやちゃんと全部ハイビスカスだったりするから誠実でしょ?あんまりイジメてあげないで。
Roseはバラ色っつーかピンクであり、ピンクであることこそがこのボトルで一番重要なのです。
それはなぜかと申しますれば男性よりも女性スタッフのほうが多い当該蒸留所においては毎年10月に世界規模で乳がん検診の早期受診を啓蒙するピンクリボン運動に対する関心も高いならばこれに協力すべくピンクのアブサンをこさえて売り上げの一部を寄付しようってな寸法なのだそうでございます。
あれ?以前にも同様にハイビスカスで色付けしたピンクのアブサンを出されてましたけど?
今回は心持が違いますってことなのでしょう。
しかし、となれば、この度はそのコンセプトこそが最も肝要でありピンクのリボンの一つもラベルにあしらって当然のごとくアピールしていて不思議でないのに、面構えからしてそんな気配は微塵も感じられないどころかなんとびっくり商品説明ですら一切そこんとこには触れられていないため知る由もないので日本に限らず世界中で完全にスルー状態。
なにそれ?ってご様子。
ではそれこそが真実だったとしてどこでその情報を知り得ることができるのかと言えば、よっぽどじゃないとたどり着くのすら難しいフランスでもさらにローカルなところのニュースサイトが申し訳程度の記事を発信しているのですコレが唯一のソースなのです。
ってのはどうなんでしょうね?信じていいんですよね?後付け設定だから製造時にはそんな事実は無かったけど発売後に地元の取材でカッコつけてそういうことになったんで実はそうだった、ってことでよろしく、とかじゃないですよね?
とは言え酒でそっち方面をゴリゴリにアピられててもそれはそれで個人的にはとてもイヤなので、そこも踏まえた上でのあえて、為すべきは為すとして多くは語らず、ならカッケーですが。
とかなんとか言っておきながらですけれども、
まぁまぁ細けぇこたぁいいんスよ。
なにしろアブサンなんで。
そりゃ未だにツヨンだ禁断だ幻だでヤベーヤベー言ってるのはいかがなものかと思いますが、アブサンたるやロマンの酒なのですから。
へぇへぇバラ色のアブサンたぁ艶があっていいじゃないか、なんとも粋だねぇ、ってなもんです。
アンニュイな気分でしっぽり戯れるにはよろしいんじゃないかな、と。
色は違えどアブサンですから当然加水により変身いたしますが、どのような姿になるのかは自身の目でご確認を。
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バーテンダー稼業。
それは当然今までも悲しいことや辛いことはあった。
いやむしろそんな苦い想いをすることのほうがトータルでは多かったのかもしれない。
だがしかし、好きが高じて携わっている強みとでも言おうか?
仕事自体をストレスに感じることはなかった。
何かしら嫌な想いをする日があればこそ、早く次の日になってリセットされたカウンターの中で仕切り直したいと願う気持ちのほうが強いならば傍から見て、それは単純に業務であり労働であろうに、これを欲して止まないほどに。
あるいは趣味として満喫していただけなのかもしれない、バーテンダーを、私は。
そんな私が今、ここに来て、初めて、明確に、このバーテンダーなる仕事に対してストレスを感じている。
毎日の出勤前は、まるで泳げない小学生がプール開きの日を迎えたかのごとく家を出るのが憂鬱だ。
なぜか?
理由は簡単。
自覚もある。
私は現在進行形で絶賛外国人恐怖症なのだ。
少し前から外国人客の増加っぷりに関してはうっすら触れていたが、近頃はあまりにもだったので具体的なところをきっちり集計してみたら、ここ二ヶ月は総来客数の実に約半数がそうだった。
とはいえ誤解して頂きたくないのは決してこの来店される外国人のお客様自体に問題があるわけではないということ。
行儀は良いし褒めてくれるしリピートもしてくれる方もいるところを見ると印象は悪くないのだろう。
なんだったらここで働かしてくれとか無償でもいいから修行したいなんて人もいたぐらいなので、てか久しぶりにそんなこと言われたけどなぜ外国人?みたいな例はさすがに特殊過ぎるので一先ず置いておくが、いや国籍・人種に関係なく今は人を雇うような環境ではないので丁重にお断りさせていただいたけれども。
問題なのは受け皿となる私のキャパシティのほうなのだ。
いっぱいいっぱいなのですよ。
さすがにこなれてきて接客に必要な最低限のところはなんとかできるようになってきた風、と信じたい、とはいえ会話となると未だというか当然さっぱりとなれば、これでも一応サービスマンとか語りながら身勝手を言いますけれども、それがたとえ自己満足だとしてもですよ?己も満足できないわけですよ、なにしろ自在にお話しできないのですから。
私の出来ること、かつ存在意義なんて良くも悪くも語ること。
そりゃしょーもないしくだらないかもしれませんが頭の中に詰め込んだあんなウンチクこんな情報を吐露することぐらいしかできない男が言語を奪われちゃ、ねぇ。
自己中心的な物言いは申し訳ですが外国人様がお相手となるといつ何時も消化不良というか不完全燃焼で終わってしまうのですな、これが。
さらに、こなれてきて、なんて申しましたがここも問題で、これまでの経験に加えて英語が堪能な知人からのアドバイスに共感した結果、私の導き出した答えとして英語を喋る時は英語を喋れる風に喋る、
つまりオドオドせずにいっそ洋画の俳優さんのモノマネでもする勢いで喋ってみると、これが実際いままでは聞き返されていたところがバッチリ通じてみたりして大いに効果あり。
なのですが、
そんな言わば「演技」の最中に普通の日本人のお客様がお店に入ってこられようものなら元来がシャイな日本人たる私の精神はまるで恥部を晒した変態行為を覗かれたかのごとくに揺り動かされてその都度一々そらもうメケメケなのでございます。
引き続きいらっしゃる外国人のお客様からすると「どうした突然大人しくなって?なにその急なキャラ変」でしょうがこれもまたお恥ずかしくてメンタルはズタボロ。
こなれ問題をもう一つ言えば、
「うえるかむ ぷりーず ていくゆあ ふぇいばりっと しーと」からの「めい あい ていく ゆあ おーだー?」とかなんとか言ってオーダーを頂いてグラスをお出ししてのち、
客「いやーアンタ英語喋れるんやな助かるわ、ところでなんやけど・・・」(意訳)とか急に喋り出してこられて私は、
「そーりー あい きゃんのっと すぴーく いんぐりっしゅ」と。
客「は?いや今喋ってたやんけ?どないやねん」(意訳)でいぶかしげな顔をされるみたいなやり取りがもはやデフォになってきているんだけれども、
あれ大丈夫かなぁ?
喋れるくせに業務以外の日常会話は面倒だからテキトーにあしらってる人みたく思われてないかなぁ?
そんな心配まで諸々込々で、トータルこれらがストレスというわけなのでございます。
なんかもうカロリー消費が酷いのよ。
大した仕事量ではなかった日でも帰ってくるとぐったり、なんて日もしばしば。
なんとか意思の疎通を図らんとして無意識下においても常に緊張状態だったりするのでしょうか?
こんな調子で大丈夫かしら?
大丈夫!
だってボクにはプラモデルがあるから!
いや、危なかったですよ。
この期間、プラモ作ってなかったら精神崩壊して行き先もわからない深夜バスに飛び乗って知らない街を旅していたかもしれません。
そんなわけでお待たせしました。
完成した78をどうぞ。
FAに持たせるバズーカ用に入手したジャンク扱いのオリジン78でしたが団塊ジュニア世代の琴線を掻き鳴らしてしかたがないリアルタイプというか哀戦士ポスター風に塗装。
であれば当然ウェザリングでフィニッシュするのがセオリーなのでしょうが存外しっくり着地してくれたのでこのままキレイ仕上げで良いかな?と。
さぁさぁいよいよお次はスナカスですよ。
たまりませんなぁ。
よし、
私はまだ戦える。
働ける。
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昨年のゴールデンウイークは自粛休業が明けた直後ということもあって営業してみましたが今年はガッツリお休みさせていただきます申しわけ。
【4月29〜5月3日】の期間を店休とさせて頂きます。
どちら様も宜しくお願い申し上げます。
なんですってそんなことよりもっと有益な情報を提供しろと仰られますですか。
では皆様が欲するところとは現在のワタクシのプラモ事情なんですねそうなんですねしょうがない。
完成したFAですがコレにどうしてもバズーカを持たせたかったのでフリマサイトで入手したジャンク扱いの素組激安オリジン版78をパーツ取りだけして放置するのももったいないということで続きまして作成に着手したのはいいけれど、ということはつまり先日チラ見せいたしましたスナカスがすでに控えているということはそらもう大変です大忙しです幸せです、といった状況です。
しかしていかがしたものか?
素直にプレーンな78を一機所有しておくのは悪くないけどFAとスナカスを並べる将来を見据えれば往年のリアルタイプカラーで仕上げてみるのもまた一興。
となるとジムキャも欲しくなってきますですわよきゃー。
精神の加速が。
欲望の連鎖が。
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およそ10年ぶりに手を出したプラモデルが、
完成してしまいました。
楽しかったよぅ、もっと作っていたかったよぅ。
またすぐ次のキットに手を出しちゃいそうで怖いよぅ。
こんなふうに。
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そろそろムートンのマールが無くなりそうだし買っとかなきゃなぁ、でもあれ高いんだよなぁ、前の仕入れの時は4万弱ぐらいだったかなぁ?
とか思いつつチェックしてみたらすでに相場が10万円を超えていました。
はいはい。
怒るよりも早く呆れた私がせっかくマールのページを眺めていたついでに購入したのがはいコチラ。
M.シャプティエ「オードヴィー・ド・マール・ド・コートデュローヌ1997」
これだって前と比べると倍近く値上がりしてるんだけど、それでもまだ良心的だしクオリティ的にも他と比べればお得感がなお大きいのでつい、ね。
しかしモノがマールなだけにワインの兄弟分となるとそっち方面は苦手という方が多いでしょうからちょいと詳細をしかしフランクに。
まずマールってのがそもそも何さ?からご存じない方はブドウの一番搾りジュースを醸造したものがワイン、の残りカスと断ずるには勿体ない、まだまだ旨味が残っているゼなそれから得た二番搾りジュースを発酵して蒸溜した酒ってことだけ覚えておいてください。
遡れば200年以上も前からフランスはローヌ地方にて創業している老舗ながら最初期は問屋というか元締め的な立ち位置からスタートし徐々に自らワインを作るワイナリーとして事業転換していくもその評価が爆上がりしたのは七代目にして現当主のミッシェル・シャプティエさんが持ち前のカリスマ性と卓越した醸造技術やらビジネス手腕を隠そうともせずに大暴れを始めた1980年代も後半以降の事。
ちなみにM.シャプティエの「M」についてメゾンだの件のミッシェルさんだのと表記ゆれが見られますがこれは数代前の当主の名前に由来していて以降使われ続けている屋号でしかないので「M」は「エム」のままでよろしいですし気にする必要もなく通り名はもっぱらシャプティエでどうぞ。
とにかく気が付けばローヌ地方じゃ泣く子も黙るブランド様となり、特にエルミタージュってワインを作らせたらヤベーと評判に。
どのくらいヤベーかというとヤベー評論家がヤベー得点をつけてヤベーヤベーと評価するぐらいヤベーのです。
そんなにヤベー理由はいったいぜんたいなんなんだゼ?と申しますれば、なんでしょう?流石は一流ワイナリーってことで広報とか営業とかもしっかりしているってことなのでしょうか?
SDGsだ環境だといった酒にからめられのはどうにも私が苦手とする類の単語、もといワタクシごとき下賤な輩には不得要領な高尚過ぎる言葉の数々を使ったご高説が賜れます正規代理店様なり大手ワインショップ様なりのwebページがいくらでもあるので興味がある方はどうぞ。
とにかくなんてーの?個人的な感想としちゃ意識高い系色が強い感じなやつのやーつ。
その最たる例でありキャッチ―さも伴ってシャプティエなるブランドの象徴、シャプティエのテストがあったら絶対出るやつぅーとなっている二大ポイントが、
1.そのルーツはドイツの哲学者であり神秘思想家の提唱した理論の根底を探れば地球に由来する精神的フォースがどうたらとか大真面目に言われてもなんのこっちゃ分かりませんが、月の満ち欠けやら惑星の動きやらといった天文学だか占星術まで取り入れた究極の自然派有機農法とも称される「バイオダイナミック農法」を一早く取り入れたからスゴイ。
2.1996年以降全ての商品に「点字を書き込んだラベル」を採用したのは業界初の試みであり人に地球にやさしいを地で行くその筋では先駆者的存在だからスゴイ。
という解説だけで何と言いましょうか方向性というかカラーみたいなものは感じ取っていただけましたなら一切合切を覚えるのは億劫という方もここだけ押さえておけばよろしいかと。
いや、その、すげー茶化してるっぽいけど、偉そうな物言いですが方向性の違いで一緒にバンドは組めないけどいい音出すじゃんとは思ってて的な、悪意はないのよ、うん。
しかして当該ボトルはそんなやんごときなきワイナリー様からリリースされているマール群の中にあってもビンテージ表記がされたいわゆるミレジムものとなる特別バージョン。
曰くアルティメットにレジェンドな当たり年の1947に勝るとも劣らないスペシャルでアメージングな1997年に作られしワインはエルミタージュ、コートロティ、シャトー・ヌフ・デュ・パプなどなどに使用された搾りカスを元に蒸溜し得た原酒をフレンチオーク樽にて20年ばかし寝かせてみたら70度あったアルコールが自然と目減りして42度になったところをボトリングとくりゃ加水調整じゃないんだゼさぁさぁ自然派宣言ここに極まれりだよもはやミラクルなんだよお立合い。
だそうです。
なんのかんのと申し上げてまいりましたが20年モノのブラウンリカーが当店の販売価格の算出法に照らし合わせればショット売りのスタート価格で飲めるのですからそれだけで文句をつける隙がありません。
安心してオススメできる一本なのですがしかし、
一つお断りしておかなければならないのはなにしろ好きな人を探し出すほうが難しいマールなんてニッチなジャンルの商品ですのでその点はご了承くださいませ。
ご存じない方に説明しますればとても個性的で独特な味のする酒です。
飲んだことが無い方でも搾りカスが原料から想像されるであろうイメージがあながち間違っていない、ゆえの複雑さと野趣あふれるテイストこそが魅力。
通常そういった方向性の酒ならまずは飲みやすいスタイルのご提案とか、どこぞの漫画ではカクテルにして、とかやってましたけども、
そりゃできなくはないってだけでやりたくはないというのが本音であり推奨できません。
正直マールである意味と意義は皆殺しにされちゃいますから。
てなわけで、とりあえずもなにも飲み方がストレートに限定されるってのが人気と知名度の低さの所以でもあるのでしょうけど、お好きな方はともかく、
それでもなお試してみたいという方はどうせならって意味じゃございませんがコスパ・クオリィティ諸々含めて当該ボトルが良いマールであるということだけはバーテンダーとしてお約束いたします。
まぁ、だからって好みに合うかはやっぱり別問題だけど発見なり開拓を欲するなら冒険は必須ですし。
あ、ご存知の方にはご注意を、冒頭に名前だけ出してたムートンのそれとは比べないでね。
あれはもうマールがどうのって話じゃないし、むしろあんなのマールらしくなんかないし、良い意味でムートンがただただ異質なだけなので。
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こんばんは、L.L.Beanのこの枕が欲しくて購入を一週間ほど迷い続けている男、サヰキです。
どうして魚介類なんて寝具とは無縁どころかむしろ適さないであろう突飛な柄にこうまで惹かれてしまったのかは自分でも不思議なところですが、それにしたって商品名がピローなのはクッションと解釈しても良いのだけれど8インチ×12インチってあまりに小さすぎない?何に使えばいいのさ?ソファーにでも投げとくか?
とかなんとかで結果最終的に持て余しそう、ってのが購入に踏み切れない最大の要因。
もうしばらく悩んでおきたいと思います。
さて、特に何ってお話しでもないですが新入荷とかとか。
「テンプルトン6年&チンザノ 1757 ロッソ」
多分もう一生終わらないであろう気配しかないベースライ探しの旅の途中でここ最近はリニューアルされたテンプルトン4年を使っていたのですがもうちょっとコシとコクが欲しい、ってなわけで単純に上位互換のボトルにしてみました熟成年数のみならず度数も少し上がるし。
ほぼほぼ目論み通りで悪くないと思っているはずですきっと。
興味のある方はもちろん単体でお試しいただいてもよろしいのですが、私はあくまでカクテルベースのそれとして見据えているならば軸となるのはやはりマンハッタンとくればついでにご紹介しておきますのが「チンザノ 1757」。
以前にご紹介したこともありますが、2015年に数量限定・少数生産で登場した当該品を気に入りカクテルベースに組み込んでしまったからには慌てて買い込みセラーにぶち込んでいたボトルを未だ切り崩しながら使い続けておりました。
しかしいよいよ在庫が無くなってしまったためリニューアルされたバージョンを再購入しましたので見た目だけ変わってますけどモノは同じです、と一応のご報告。
限定だったんちゃうんかーい、っていうね。
はい。
ちょっとイラっとしています。
てかずっとあるよね?
もはやレギュラー商品ですよね?
それは確かに毎度1ターンごとの生産数は抑えているのでしょうが、逆に欠品とか見たことないし。
少数とはいったい?
限定の意味よ?
すでに1757の名が体を表しちゃっているのかもだけど、煽るだけ煽っておいてその実は、とかコンプライアンスがばがばの通販番組じゃあるまいし、そろそろ妙なプレミア感とか演出しないほうがいいんじゃないスか?スベってるつーか恥ずかしくね?なんて以前に裏切り行為だよ?ある意味、とか思います。
マジで期間も数量も限定したプレミアムなレア生産ラインなんだけど人気が無いから思ったほど売れなくて毎回市場でダブついているだけ、だったとしたら謝りますごめんなさい。
ベルモットで思い出したどうでもいい話し。
先日の事。
相変わらず外国人のお客様率パない日が続いている中、ベルモットをベルモットなんて発音するのは日本人だけと知っていたはずにも関わらず、とあるオーダーのやり取りにおいて、それを「ヴァンムスー」(仏産スパークリングワインのことね)としか聞き取れなかったし初手でそうだと思い込んでしまった私は知識だけあっても実践でそれを活かしきれない残念過ぎる己のヒアリング能力の低さに打ちひしがれたのでした。
とほほ。
オー・ガイコクゴ・ムズカシイネー
精進いたします。
が、しかし、
近頃起きた類似の事件、アメリカ英語で注文された「アマレット」が聞き取れなかった件に関しては絶対に「アマレット」とは言っていないし、どうやっても「アムリロ」としか聞こえないならむしろ問題提起したい今日この頃。
そんなんわかんねーよ?なんだよ「アムリロ」て?「T」の存在が完全に消えてんじゃんかよ?
これが漫画の実写化ならもはや元ネタがわからないつって原作厨が炎上起こすレベルの改悪だよ?
日本人はもちろんその他の国の人達の「アマレット」は聞き取れてきたからにはアメリカの方の発音にこそ問題があるのではないかと申し上げたいしオレは悪くない、うん。
難癖かもだけどアマレットと言えばディサローノさんでしょう?
ディサローノさんがアマレットったらウチなんだからわざわざ書かなくったっていいじゃんとばかりにラベルに「Amaretto」って明確に表記しなくなって久しいけどもさぁ、ひょっとしてその辺りも要因の一つだったりするんじゃないのぉ?
スペルの確認もできずに音だけで伝言ゲームを続けたお客さんの中にあっても取り分け最初から崩しがちの発音をしていたアメリカンなイングリッシュ系の方々はいよいよ原型から乖離してきてる、みたいな。
知らんけど。
加えてこれまでは皆様ご存じでしょう?って前提があったからこそ成立もしてたのでしょうが、
ご新規さんとか困惑しちゃうんじゃないの?
はじめてのおつかいとかどうすんのよ?
アマレット買ってきてー、っていってもどこ探したってアマレットと書かれたボトルが無いんだぜ?
それで他ブランドに流れちゃディサローノさんの機会損失でもありますよ、これは。
てかラベルに商品名を書いてくれってなんだよ?
商品名が書かれてるからラベルなんじゃねーの?
なんの話をしてるんだオレは?
と、話がそれてきたしここまで書いてそこそこのボリュームになったっぽいので、本当はもう一本ご紹介しようと思っていたのですが次回に持ち越します。
お察しの通り更新頻度稼ぎのための小出し作戦です。
いや、そんなもの稼いだって一円の得にもならないのですけれども。
ではまた、近日中に。
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久しぶりの作成、かつ完全な設備を用意できない環境と現実。
そして何より永い間封印し続けてきた最大の理由たる度し難い執着を懸念して、
この度は塗装は一部に止め成形色を活かした、いわゆるお手軽簡単フィニッシュを目指して作業を開始、
したにも関わらず気が付けば早一ヶ月。
捕らわれまくりの一ヶ月。
あっちをカリカリ、こっちをイジイジ。
毎日コツコツ、しかし作業を進めるばかりでなく、三歩進んでは二歩、いやさ時には四歩・五歩と意図的に後退する様はさながら幸福の反芻行動、幸せの牛歩戦術といった様子。
終わらない。
ネバーエンディング・プラモデル。
いっそこのまま永遠に・・・。
ではいけない。
このままではよろしくない。
ともすればやっぱりガチ目な改修を施した上で塗装環境も整えてとか、再び禁断の領域に足を踏み入れては帰ってこれなくなる恐れがあるからには心のブレーキを自分では踏めないからこそ興味なんてないでしょうがここに宣言することで抑止力としているのですお付き合いください。
完成させよう。
着地点を手前に修正すれば現在の進捗状況はおよそ五割といったところ。
とりあえず今月中にはいったん完成させましょう。
うん。
現状。
一見けっこう進んでいるように見えて、このキットは「フルアーマーガンダム」というだけあって、ここからフルにアーマーを装着させるので写真の状態は完成時だとほとんど見えなくなる言わば中の人。
でもでも、これだけで言えば八割は出来ているし、いや、その、まぁ、なんとか、なるような気がするし、なんとかしてみよう。
ところで、一緒に写っているセブンスターはネットを介して入手した注意喚起のあーだこーだが書かれる以前の自動販売機用モックアップでとてもお気に入り。
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プラモデルを作ります。
そんなの勝手にすればいいじゃない?
そうお思いの方も多いでしょうが、これはもう私にとっては事件であり祭りであり革命なのです。
最初に構えた自分の店で一度は何もかもに絶望して荒野を彷徨い、
恥ずかしげもなく帰ってきては再び構えた店が前の「サヰキ」なのですが、
その際、関係各位様方から言われました。
「オマエはやればできる子かもしれないが色々と手を出しては何でもやり過ぎるからダメになるのだ」と。
「仕事をしろ、仕事にだけ集中しろ、てか他は絶て」とのご忠告に同意と納得しかできなかった私はその日以来ゲームをしない、そして彼女とプラモデルはつくらない、そう固く誓ったのでした。
あれから幾年月。
戯れにポチってみたら偶然にも入手に成功してしまったプラモデル「HG フルアーマーガンダム」なるレアキット。
購入だけしたまま遊ばせていては願い叶わず涙しているであろう、日本だけでも推定1億3千万人はいるかもしれない同胞達に申し訳が無さ過ぎます。
やはりプラモは作ってナンボ。
コレクターでもなければ手を付けられないほどのいわゆる積みプラに囲まれているわけでもないなら尚更に。
それにしたってどうして今頃なのかについては何しろモノが「フルアーマーガンダム」であることに起因するのですが、私のような団塊Jr世代と「フルアーマーガンダム」のただならぬ関係性についてを解説し始めると、マルセル・プルーストも泣いて謝るレベルの文字数が必要になってくるのでここでは割愛させていただきます。
もう、いいでしょう。
よく我慢してきました。
ついにいよいよ10数年間にも及ぶ永き封印を解いて久方ぶりにプラモデル制作を始めるのです。
私は。
と、
まさか、
なんと、
このタイミングで、
とある筋の御方様より「PS5」を頂戴してしまいました。
マジすか?
ありがとうございます。
本当に、ありがとうございます。
そしてパニックです。
幸せのオーバードーズです。
私の情報処理能力を遥かに凌駕する圧倒的幸福の物量攻撃に思考回路はショート寸前。
もう数日間、家のテーブルがこんな状態のままです。
趣味による完全包囲網の中で逆に迷子です。
なにからしよう?どうしよう?
きゃーたすけてー。
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私は若く見られがちだ。
よい歳をして時折店でも「オニーサン」などと声をかけられてしまう始末である。
これは由々しき問題だ。
よりにもよってバーテンダーなどという稼業にあっては、そろそろ隠し切れない大人の色香的なやつがいつしかあなたに染みついてもおかしくないお年頃。
ダンディが服を着てシェーカーを振っていると形容されるぐらいで丁度いいはずがなんたる体たらく。
斯様な状況を放置しいてはもはや致命的と言っても過言ではないかもしれないかもしれない。
私は悩んだ。
私は考えた。
私に足りないモノはナニか?
私に必要なモノはナニか?
そうだ、
コレだ。
「ラコステ」
言わずと知れたオッサンのためのオッサン専用ブランドをオッサン以外が着ることなどないとすると逆説的に必然、コレを着さえすれば皆ことごとくオッサン、という寸法だ。(昭和生まれの個人の感想です)
しかも今回、私はラコステ初心者ということも考慮して、よりわかりやすく、そして強く、ブランドを主張すべくロゴが大きなデザインをチョイスした。
これならば遠目に見ても紛う事なきラコステを着たオッサンであることが一目瞭然だろう。
実際に袖を通してみると、何と言うか実に感慨深いものがある。
あぁ、ついに私もラコステを着る年齢になったのだなぁ、と。
しみじみとしながらも自らの内に秘められていたオッサン力がみるみる上昇していくのを感じる。
威厳がみなぎる。
貫禄がほとばしる。
なんだか嬉しくなって、気が付けば色違いをもう一着購入。
素晴らしい。
もはや私が買ったものはただの服などではない。
オッサンであるという自覚と自信、そして誇りを手に入れたのだ。
晴れて私は大人の階段を踏破した。
オッサンとして成就したのだ。
皆、私のご立派なオッサンっぷりにひれ伏すことだろう。
と思っていた矢先、
さっそく店で、そして出先で、言われてしまった。
「オニーサン」と。
ふざけるなっ!オレはラコステを着る男だぞっ!
と、言ってやりたかったが、致し方ない。
まだ私の中にラコステパワーが十分には蓄積されていなかったか・・・。
なぁに、焦る必要はない。
すでに私はラコステを手中に収めているのだから。
いずれそのうち渋谷でラコステを着こなすバーテンダーともなればミドルエイジのファッションアイコンも夢ではないかもしれないなぁ。
ふはははは。
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※ご注意※
今現在「東宝マニアックス X星人」を購入し満足されているという方に当記事の閲覧は推奨できません。
閲覧前と後にいかなる心理的変化が生じようとも当方は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
ご判断は自己責任にてお願いいたします。
「東宝作品群の中から選りすぐりのキャラクターを立体化」と銘打たれて始まったシリーズの「マタンゴ」「芹沢博士」に続いて第三弾となるのが今回ご紹介する1965年公開「怪獣大戦争」に登場した「X星人」。
同シリーズはPVC製の中空成形をしてジャンル的にはソフビと位置付けられているものの、あからさまにハイクオリティで仕上げられた様はスタチューかフィギュアの類と認識しておいたほうが良ろしいかと。
比例してお値段もそれなりにしますし。
「エクスプラス」製作(原型:セキケンジ氏)で販売元を「プレックス」とし、「少年リック」「プレミアムバンダイ」等一部のサイトで予約販売がされただけで一般小売店での販売は無かった商品ですが2023年2月4日現在、各オークションサイト、ならびにフリマアプリ等個人売買においては、それでもまだ良心的と言えるであろう価格で取引がされているようですので入手難易度はさほどでもないご様子。
なのですが・・・。
まぁまぁ、早速手元に届いた現物を拝見いたしましょう。
箱に書かれた英語の「Alien X」の文字がなんだか新鮮でいいです。
それでは御開帳。
内容物は頭頂部のアンテナまで含めて全高約17cmの本体に説明書に台座と、一応ソフビの体を成すべくフックにカードも付いています。
頭部と足先には尖った部分があるのでこれを保護するにあたり簡易ブリスターズパック然としたカバーが用いられているのは好印象。
台座は本体の軟性を利用して両足の後方部分をハメ込むことにより安定感を増す仕様ですが無くても余裕で自立します素晴らしいってことで私は使っていません。
タグについては賛否あるところかもですがお好みでどうぞ。
私はカット派。
と、諸々を片付けていよいよ愛でまわして差し上げようと意気込んだ矢先に、
あれ?
キミ、写真と顔、違うくない?
なんか、アゴ長いよね?
どう見ても首がハマりきっていない状態ならば押し込めばいいだけかと思いきやビクともしないのでドライヤーで軟化させた挙句に力技でいったん引っこ抜いてのち首側の接合部をカット&切れ目も入れて然るべき位置まで挿入できるように改修。
これでよし!
ではなく、不幸中の災い。
これで気が付いてしまったのです。
向かっては右側に当たるX星人の左頬に白いラインが入っていることに。
まぁ塗料のハミ出しです。
マスクのフチの白がご尊顔にラインとなってクッキリと。
顔色悪めのX星人ですから余計に目立ちます。
せっかく造形はバイザーのスリットを再現するほど細かなところまで凝っているのに商品製造の過程でこういうミスは何ていうの?もったいないを通り越して可哀想。
しかし、個体差によって生じるブレの内から、いわゆるハズレを掴まされる、なんてことはこの界隈ならよくある話。
購入に際しての注意書きにもその点ご了承下さいとはありますし。
ならば私はどうするべきか?
今回はモノが良いだけにより完璧な状態を望むからには当たりが引けるまで再購入に挑むもやぶさかではない!とトチ狂った考えに至りながらも冷静さを失わず、
待てよ?他の皆様のご様子はいかがなものなのか?と、
SNSから動画サイトから、今日までに同商品を購入された皆様がアップしている画像をできるだけ可能な限りチェックしてみたところ、確かに個体差による事の大小はあるものの、逆に、ただ一つとして、左頬に塗りムラが生じていない個体は存在していなかった、という結論にたどり着いてしまったのです。(ちなみに首の取り付け位置が怪しい個体も少数ながら発見)
画像加工の加減で一見良さげな個体もありましたがコントラストを調整してみると・・・。
デフォでありきの塗装ミスとは。
とほほ。
標準仕様かよ。
塗りムラと呼ぶには共通し過ぎている上に几帳面なハミ出し具合は用いられた塗分け用ガイドとなる治具に問題があったことが原因なのだろうと容易に想像できます。
だがしかし、他人様のそれをチェックしていた過程においても、そもそも誰一人として言及していなかったのならミスですらない些細な問題なのかもしれませんが気が付いちゃったし気なっちゃったのだから仕方がありません。
てかマジなんで誰も何も言ってないの?
ミニマム被害ならあるいは?とは思うけどガチで気付いてないだけ?
オレ細か過ぎる?
ま、いいや。
後日リペイントというほど大袈裟ではないにしろ修正を試みてみます。
とりあえず何度リトライ購入してみたところで無駄でしかないことが事前に判明しただけでも良しとしておきましょう。
はぁ。
その他は、頬の塗りムラ以外は完璧といって過言でないデキのとても素晴らしい商品なだけに余計残念です。
だってほらもうご覧あそばせ。
緻密でリアルなディテールが光を取り込んではヘタにシャドウに頼らずとも醸し出す陰影がまるで本物と錯覚してしまいそうな服のシワとかハリの表現だったりさ。
「ヤバない?」って聞かれたら、オレはこう答えるね、
「ヤバい、ってな。」(語彙力)
人物モチーフでソフビというカテゴリーにあっては割と真面目に画期的とも呼べるレベルの傑作なのでは?
やはり、
だからこそ、
なんですよ。
うん、こうして遠目で見ているぶんにはわからない程度なんだよね、
と意識してしまっている時点で負けなんだよなぁ・・・。
惚れ惚れするほどに悔やまれてしまう。
他の塗り分けが正確かつ緻密で完璧すぎるがゆえに悪目立ちするし一度気付くと無視できない。
いっそ知らないままでいられたほうが幸せだったのかもしれない。
塗りムラぁ・・・。
なんで逆に個体差じゃないんだよ。
どうしてよりにもよって顔なんだよ。
とか言いながら我が家の掟を超えて唯一部屋に飾るを許されたMONDOのゴジラと共に愛でてますけれども。
さて、塗料で攻めるか?それともウェザリングマスターあたりで誤魔化す程度に止めておくか?
いずれ調色が難しそうよねぇ。
やれやれ。
]]>ウイスキーサワー(改)だのマティーニ(汚)だのと日本人にはとっつきにくい変化球なカクテルばかりを紹介していては当店に来られる外国人のお客様方がいよいよ悪食なのではなかろうか?などとあらぬ誤解を招いてもよろしくないので、
ここはひとつ同様にしてそこそこよく出るのに海外の方からしかオーダーされたことがないけれど日本人のお客様でもこれならばきっとおいしく頂けるであろうオススメの一杯をご紹介しておきましょうそうしましょう。
「ブールヴァルディエ」
歴史もあり海外では常に人気カクテルの割と上位が定位置でありながら日本では不思議と紹介されてこなかったものの2020年あたりからなぜか国内でも急に「これ知ってる?」と紹介し出す人が増えたので(大手メーカーがキャンペーンで持ち上げてからは特に)ご存じの方も存外多いかもしれない、つまりはネグローニのジンがウイスキーになったバージョン。
甘系にせよネグローニをさっぱりとするならこちらはこってりと言わずともこっさり程度に深みとコクが増していて、むしろネグローニに慣れている人ほど「へーこうなるのか?」と意外性だったり新鮮さを体感できる楽しめるなオススメカクテル。
気になる方は是非一度お試しいただきたい。
さて、
さらに詳しく知りたい方は近年国内でも認知度が上がっているということで珍しくwikiあたりでも概ね正しいそれなりの情報が得られますゆえそちらをご参照ください。
ここから先はその程度じゃ満足できない物好きだったり気の毒だったりする方のためにのらりくらりをだらだらと。
ブールヴァルディエなる名前の由来はブールバールを歩く人の意からきているからにはまずはブールバールとはなんぞや?から。
現代においてはフランスはパリのシャンゼリゼ通りをルーツとした道路規格のようなもので一定の道幅に街路樹も備えた、なんかこうご立派でええ感じの通りを指すのだけれども、なんだったら広島の平和大通りだって英語表記だとピース・ブールバールになるもんだから肝心なのは造りよりも雰囲気というか、もういっそここでいうブールヴァルディエとは限定的にシャンゼリゼ通りのようなシャレオツストリートを優雅に闊歩しているようなファッショナブルで洗練されたイケてる御仁、ぐらいのことだと思っておいてください。
シュッとしてビッとした人ってことですよ、つまり。
通りに由来してそこに集う人達を表したって意味では竹の子族とかみゆき族みたいなものです。(違います)
当のシャンゼリゼは今現在ブールバールでなくアベニュー扱いなんだけどそこは気にしたら負け。
そんな煌めくシャンゼリゼ通りにアメリカ人でありながらそのプレイボーイっぷりには生粋のパリジャンでさえも舌を巻くと言わしめたやんごとなきセレブは鉄道王コーネリアス・ヴァンダービルドの曾孫のアルフレッド・グウィン・ヴァンダービルドの甥っ子たるアースキン・グウィンが舞い降りたのは1920年代のこと。
さりとて彼はただの道楽者にあらずで、巷で社交界でとブイブイいわせながらも作家・編集者としてはオサレ雑誌「ザ・ブールヴァルディエ」を発行しちゃうよなデキる人。
筋金入りのシュッとしてビッとした方が真のシュッとしてビッを説いて差し上げよう、てな寸法ですかね?
そんな彼の行きつけの店の中には1919年に世界で初めての体系的なカクテルブック「Harry's ABC of Mixing Cocktails」を発行したことでも知られる今や伝説のバーテンダー「ハリー・マッケルホーン」が営む「ハリーズ・ニューヨーク・バー」(パリのね)がありました。
ハリーは1927年に新しいカクテルブック「Barflies and Cocktails」を発表するにあたり、
「ヘイ、アースキン、君が考案し愛飲しているオシャンなカクテルも掲載していいかい?」
「もちろんさハリー、じゃあカクテル名もボクの雑誌と同じブールヴァルディエってことで本の広告も載せてくれないかい?」
てなことがあって初出となったレシピと、
広告の画像がこちら。
レシピに関してはご覧の通り、そもそもがコラム的なページでのあっさり紹介であるため細かい処方まで記されていたわけではなく、最初期にはむしろオールドパルの亜種かのごとくならステアでカクテルグラスが、しかしあるいはオリジンに忠実なのかもしれないし今だオールドスタイルとしてしばしば紹介されることも。
ここから現在のロックスタイルがほぼデフォになった経緯については、やはりネグローニというビッグネームの存在があったからなのでしょう。
だがしかし、場合によってはネグローニよりも歴史が古いと紹介されることもある、その理由について触れておくと、
最も信憑性が高いのはなにしろ発案者であるネグローニさんの一族が経営しているにも関わらず日本じゃちっとも知られてないけれどこれを本家とせずしていかがなさるおつもりか?な「ネグローニの素」がラベルでも語っているように1919年が誕生年であるとするのがネグローニ側の主張なのですが、残念ながら客観的証拠としてネグローニのレシピがネグローニとして紹介されている文献はそのどれもがブールヴァルディエを確認できる1927年のそれよりも新しいものしかないから。
うん、どっちでもいいけどね。
どの道ネグローニありきな現状は覆らないし。
いかにブールヴァルディエが日本でマイナーなだけで海外では人気ですと言ったところで認知度と普及率からしても今さらウイスキー・ネグローニを差し置いてジン・ブールヴァルディエが優勢に立つことなんて世界的にも無いだろうから。
元ネタ主張をしだしたらどうあがいたって勝ち目のない絶対的古参のミラノ・トリノとかアメリカーノだって居るわけだしさ。
と、
最近ブログをサボりがちだったのでそろそろしんどくなってきたけど皆様のために頑張って(えらい)もう一つぐらいどうでもいいネタを語っておくと、ベースについての表記ゆれ、使用ウイスキーについてがバーボンだったりライだったりする場合があるのですが、初出の表記を確認するとこれは一目瞭然バーボンが正解です、
けれども、
そもそもが1927年なんてアメリカ禁酒法の直中にあってバーボンを指定するあたりがそれこそセレブのセレブたる所以なのか?余裕なのか?ひょっとして自慢?なのかは存じませんが、この頃は入手の難しいバーボンの代替品としてカナディアンを用いることが一般的には常。
カナディアンと言えばライ麦の使用率が高めですし、ウイスキー以外の材料が甘+甘であるならば、
あれ?ともすればウイスキーの中では甘いにカテゴライズされがちなバーボンで甘+甘+甘とするよりも、キレのあるライを加えてメリハリをつけたほうが仕上がり良くね?
てな経緯でオリジナル再現派か致し方なく在りモノで作成派、を経由したのち完成度優先派かで意見が分かれていった結果なんじゃないかと推測しております。
訳も分からず思考停止したままいずれにせよアメリカンウイスキーを使いましょう、は論外としても、
以上の歴史的背景を踏まえた諸々まで理解できているのであれば、
うん、最終的なところは好みでいいんじゃないですかね?
ちなみに私はライ派です。
]]>
あくまでも私の場合、で語らせていただければカクテルを作成する際にまんまカクテルブックに載っているレシピの通りに作るなんてことのほうがむしろ稀で、何かしらのアレンジを加えるのが常でございます。
と言っても余計な材料を持ち込むだの逆に使うべきを使わないだのといった魔改造の類ではなく比率のみの話しですからして悪しからず。
そのアレンジには法則性というか規則性というか、公式のようなものがございますので大概のグラスに関しては、たとえ我流レシピを失念してしまっても今一度カクテルブックで確認さえすれば事足りるのですが、
中には試作・試飲を繰り返す内、スタンダードのそれとはあまりにもかけ離れたバランスとなってはもはやオリジナルに近いレシピと化してしまった、なんてものもあります。
このようなグラスに関してはもちろんそのレシピを書き留めておくのですが、営業中における実用性も考慮し今や古のアイテムとして絶滅危惧種であろうポケットサイズのアドレス帳(物理)なんてモノを愛用してまいりました。
こういうやつ。
中にはびっしりとレシピが、なのですがなんか恥ずかしいからちょっとボカしておきます。
存外、私でなくとも昔のバーテンダーにとっては必須アイテムと言って過言でない使用率だったのですが今時はどうなんでしょう?
して、今回の本題。
我ながらにレシピを構築しコレに記していたにも関わらず、これまで一度もお客様には提供したことが無かったグラスがここに来てやたらとオーダーを受けることと相成りましたその理由は上京してからの顕著な変化、外国人のお客様の増加が唯一の理由である証にコレを注文されるのは必然皆外国の方ばかりなのは良しとして最近またこれがたまたまなんだろうけど出過ぎじゃない?な希少種カクテルはなにかと申しますればハイこちら。
「ダーティー・マティーニ」
薄汚れたマティーニの何が濁り成分かというとつまりはマティーニに瓶詰めオリーブに使われている浸漬液を加えるなんて説明だけでも伝わるでしょう、コンセプトからして斜め上を行くかなりエッジの効いたキワモノカクテルです。
しかしそもそもどうして私が誰にオススメできるわけでもないこのキワモノをわざわざ探求し、我ながらにではありますがレシピを確立し書き留めていたのか?
その経緯からご説明しますと、
「でもけっこう海外では人気のあるカクテルなんだぜ」的な文言をどこかで見知ったのが始まり。
なに?
それは捨て置けぬ。
先入観で飲まず嫌いはナンセンス、思いもよらぬ魅力があるのかもかもならばレッツトライ。
だがしかし、早速レシピを再現してみるも己のセンスがトチ狂っているのではないか?と不安になるレベルで全くもって意味が分からない。
どういうことか?
こういうことでした。
日本で一般的とされているダーティー・マティーニの標準レシピは1グラス分のジンに小さじ1杯程度のオリーブ汁を加えてシェイク。
だけ。
対して海外、いやさ日本以外のレシピは、
えっと、モノがマティーニなもんでジンなのかウォッカなのかとか、そもそもの総量が違うからとか細かいことを言い出すとややこしくなるので諸々端折って肝心なところだけ申しますが、
まずマティーニありき。
まぁね、そりゃそうなんですけれども、
ジンとベルモットで作るマティーニ、これに比率としてはベルモット相当のオリーブジュースをさらに加えたものが一般的。
もちろんステアが主流。
別物じゃん?
というか日本版っておかしくない?
おかし過ぎない?
美味い不味いの問題の前にお話しになってなくね?
どういう解釈?
なんて理解力?
一杯分のジンに1tsp程度のオリーブ液だけ入れて、それでどうするの?
完全無視はできないけれど拾えたとして邪魔にしかならない絶妙な量をさ。
もはやナニをドゥしたいのかが解からないレベルじゃね?
なんかさー、試飲すらしないし目的意識なんて端から頭にない輩が指定材料を(なぜかベルモットは削除されてるけど)揃えたはいいがオリーブの汁なんて変化球に腰が引けて入れときゃいいや程度に抑えてみたらちっとも濁らない!?全然ダーティーじゃないじゃん!?てんで慌ててシェイクにして完成直後だけでもマイクロバブル()のおかげでダティってんだからこれでいいっしょ?てな感じでテキトーにやっつけてみただけ、としか思えんのだが。
知らんけど。
てなわけで、いざという時に慌てて日本語版レシピを参照したって話にならないなら自分なりの解釈を具現化しておかねば、と海外レシピを参考に構築したそれを例のアドレス帳へ書き込むことと相成ったのでした。
それから幾年月。
時を経てようやく日の目を見たことは喜ばしいのですが、正直を申し上げればなんていうかちょっと複雑な思いなのは、でもさー、やっぱさー、テメーで作ったそれなりの体は成した一杯のつもりではあるんだけどさー、決して日本人にウケる方向性のグラスには成り得ないよね?コレ。
材料からして活かし方も目指すべきも間違ってはいないんだろうけど到達可能な解ってやつが最善を尽くしたとて何をどう考えても日本人にはあまり居心地のよろしくない範囲からは抜け出せないような気しかしないのよねぇ。
然るに私も日本人であるからにはせっかく「いいね」とか言っていただけても「あ、はぁ、ならばよろしいのですけれども」ぐらいのテンションが精一杯で申し訳。
逆に今回、外国人のお客様に好評だったのならそれでむしろ正解なのかもだけど。
曰く「せやせや、このぐらいでないとあかんで。日本で頼むダーティー・マティーニのオリーブ汁いうたら池田湖のイッシーみたいなおるんかおらへんのんかわっからへんのがほとんどやったさかいなぁ」(意訳)だそうなので。
あれかな?ある意味「ウイスキーサワー」と似たような事案ですかね、今回も。
あちらと違って今回はいよいよ諸手を挙げてどころではなく日本人のお客様にはオススメできませんけれども。
どーしても、どーしても気になって夜しか眠れないという方だけご相談ください。
それにしても海外では人気、がどうやら本当らしいことは実感できたのですが、なになに?
ダーティー・マティーニ専用オリーブジュース?
―そういうのもあるのか?
いや、もういいんじゃないかなぁ?
私の仕事は一先ずここまでで。
]]>
本日、2023年1月21日正午ごろ、連絡がございました。
確認してみたところ確かにそこには閉業のマークが。
永かった。
2018年3月の開戦より4年以上の時を経て、ついにいよいよ本気を出して皆様ばかりか見知らぬどこかのだれか様にまでお力添えをお願いしながら応戦するもさらにそこから数ヶ月に及ぶ時間と労力を費やし、Barサヰキはようやくこの度かけまくもかしこきGoogle様からその事実をご承認いただきたてまつりつかまつった暁には晴れてめでたく無事閉店を迎えることが出来ましておめでとうございますありがとうございます。
言いたいことは山ほどありますがそもそもが対峙すべき責任者なり担当者どころか、ともすれば人の意志の介在すら無かったであろう今回の事件は使い古されたSFのプロットがごときで、Googleなんていう概念にもほど近い漠然とした巨大過ぎる存在の、そのシステムだかアルゴリズムの隙間に器用にハマって翻弄された取るに足らない被害者がただ一人、勝手に七転八倒していただけの物語ということになるのでしょうから素直に泣き寝入り。
ともあれ事は一先ず解決したということで、とりあえずはめでたしめでたし。
ご協力いただきました皆様には心より感謝申し上げます。
いやホント、どこかのエキセントリック過ぎるニュータイプじゃないですが一方的に殴られる痛さと怖さってやつを体感。
最終フェーズ辺りじゃ突然視界の外から脇腹目がけて飛んできたオマエ誰やねんな第三者による言いがかりでしかないムチャクチャな攻撃なんかが精神衛生上かなり本気でたいへんよろしくなかったですからね。
助かりました。
ありがとうございました。
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こんばんは、年末恒例の減量もいよいよ末期となり、まぁまぁな仕上がりで着地できそうではありますが、歳を経るごとにいい加減カラダを絞る行為そのものが辛くなってまいりましたのでこの度は結構フラフラなのですがそもそも私はナニと戦っていますか?サヰキです。
それでも私はすこぶるウキウキで今日という仕事納めの日を過ごしております。
なぜか?
それは、
戯れにポチってみたら入手難易度は今年一かもと囁かれていたガンプラ「HG 1/144 フルアーマーガンダム」をうっかりゲットできてしまえたからだったり、
約束された幸福、9月に購入して以来待ちに待っていた「東宝マニアックス X星人」のソフビがいよいよ年明け早々我が家にやって来るからだったりとかするからなのです。
うひょう。
いやはや、なかなかどうして。
世の中まだまだ色々モロモロ愉しみは転がっているものですなぁ。
然るに、ですよ?
酒は、Barは、どうですか?と。
好きが高じて生業にまでしたジャンルのはずが、私的にはよもやまさかここまでときめかなかったどころか憤りにまみれて溺れて悲しみに打ちひしがれたまま過ごした年は無かったかもしれません。
世界的な流行り病がどうのの話しではなくて。
四半世紀前からすでにBarが、洋酒が、現代のそれと同じ有り様だったとしたならば、私はきっとバーテンダーなどには魅せられていなかったことでしょう。
と、毎度の調子で語り始めると指摘や批判を含んだネガティブ発言では止まらず、もはや呪詛のごとき恨み節でせっかくの浮かれ年末マインドまで真っ黒に塗り潰してしまいそうなのでやめておきます。
切り替えてこ。
来年、来年。
というわけで今年もお世話になりました。
皆様どうか良いお年をお迎えください。
私も迎えたい。
書きたくなるような本業ネタと出会えますように。
もちろん良いほうの意味で。
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さぁやってまいりました皆様のQOLを天井知らずの爆上げにしたい恒例企画。
言うほど恒例か?そもそも上半期はやったのか?など数々の疑問は捨て置いて早速参りましょう。
第三位「ネバーエンディングストーリ ファンメイドカスタムブック」
1984年公開映画「ネバーエンディングストーリー」の劇中に登場した小道具のレプリカ。
B5サイズ程度と実物よりもかなり小さめであり、アウリンの形状やタイトルの色など細かい部分に相違はありますが、全体的にクオリティの高い仕上がり。
むしろ一個人が家に飾って愛でる用のアレンジとしては最適解なのかも。
私とネバーエンディングストーリの関係を語り始めるとそれこそ「はてしない物語」になってしまうのでこの場では割愛しておきますが、
以前に海外のオークションサイト経由で掴まされた中華製のゴミみたいなゴミのリベンジがようやく叶ったという個人的な想いを差し引いても満足のいく品でした。
惜しむらくはファンメイドの商品で、いわゆる同人系のアイテムとは承知しておりましたがオフィシャルの許可は取っておいていただきたかったところ。
大手通販サイトに堂々とアップされていたのでそのあたりはクリアしているのかと思いきや手元に届いた実物にはライセンス取得を証明するような表記は見当たらなかったものですから。
やっぱ、そういうの、ねぇ。
原作の小説版と映画版ではファンタジー作品のイメージなんてそっちのけで色々あったことでも知られる作品だけに何かそのあたりも関係して諸々難しいのかしら?
つか、あれ?これって原作小説の装丁を無許可で勝手に映画版に作り変えただけだとしたらご本人は亡くなられているとはいえミヒャエル・エンデ陣営にバレた日にはブチギレられちゃうどころの騒ぎじゃ済まないんじゃない?
知らんけど。
その辺の事情まではまさか計算したわけではないのだろうけど、逆に曰く付きのアイテムとしては箔が付いてしまいますなぁ。
これがダーク・ファンタジーってやつか。(違います)
ともあれデキが良いのは確かなので私も今すぐファンタージエンに行きたい!(行けない)アトレーユに会いたい!(会えない)という熱心な映画版ファンの方にはオススメこそしないけれども一応ご紹介をば。
所有は自己責任で。
私?
まぁ買っちまったもんは仕方がない、の精神で。
モノ自体は気に入ってますし。
第二位「SONY ウェアラブルネックスピーカー SRS-WS1」
長時間ヘッドホンを使用しての対人FPS系ゲームをするに当たりいいかげん耳が辛かったので購入。
このジャンルではパイオニア的存在で販売当初こそ絶賛&品薄のためにプレミアまでついていましたがそれももう5年も前の話し。
しかしながら事がゲームとの相性となれば未だに評価が高かったので選んでみました。
なるほど確かに映画などを鑑賞するにはちとチープとも思える音質が今時の最新機種には敵わないのでしょうが、良きように解釈すと過剰な臨場感を排除しつつ必要な音はきっちり拾い、その指向性もだからこそより鮮明となればまさにゲーム用に特化して「こういうのでいいんだよ」を具現化したようなスペックです。
その手のゲームでは致命的ともなりかねない音の聞き逃しなどは今のところ無いばかりかむしろヘッドホンの時よりも色々よく聞こえるのだが?
光デジタルを用いた遅延の無さも良好。
ウェアラブルスピーカーとして環境を気にせず大音量を楽しめ、かつ周囲の音も聞き取れるといった利点は当然のごとく備わっていますが、私の目的はあくまでも耳の自愛でしたので同じくしてヘッドホンにまみれ過ぎて耳が死にかけているゲーマーさんには超オススメです。
第一位「三和化研工業 ワンタッチ離被架」
リヒカと読みます。
これはリヒカ、という代物なのです。
病床にある者の患部が掛け布団などの重量によって圧迫されるのを防ぐ目的で患部と布団の間に入れる半円形の支えのことです。
さて、
お話しせねばなりますまい。
私は基本的にいったん寝床に入るとほとんど寝返りを打つことすらなく真っ赤なバラの花束で直立不動nights(寝てるけど)
動かざること山の如しを寝ながらにして体現する男なのですが、その入り口においてはいつもいつも苦しみ煩わされてきた悩みがありました。
それは、
「つま先に触れる布団の存在が気になり過ぎる」
です。
その感触が。
その重みが。
天井に対しては真向から対峙しファラオスタイルでポジショニングを整えた私の両足先を襲う布団という名の重圧が不快で不快で堪らないのです。
ナニ言ってんだコイツ?と思う方もいらっしゃるでしょうが、そらもう病的なまでに気になってしかたがないなら何かしらの精神疾患と診断されては受け入れざるを得ないほどにノイローゼ的なやつのやつなのです。
ですからこれが夏場ならもちろん腹部のみに布団をかけて足は放り出せば快適なわけですが冬場ともなるとそうはいきません。
大人しく足先まで布団に納めて無理くりに睡魔が勝るのを待つものの、結局は耐えかねて足先だけ布団から出してしまうこともしばしば。
だがしかし輪をかけて困ったことに私はそこそこの末端冷え性。
足先の解放という自由を得た代償に今度は足先が冷えすぎて眠れない、あるいはそれが原因で入眠できていたとしても途中で目が覚めてしまう有様。
そんな地獄のような就寝バトルを、かれこれもう半世紀近くも繰り広げてきました。
ここで懸命な読者様ならば一つの疑問が浮かび上がることでしょう。
「そうまで辛かったのなら尚更に、どうしてサヰキは今頃になってコレを購入したのだろう?」と。
そう、
およそ生活に必要としない無駄知識であればそれこそ無駄に知っているでお馴染みの私は、とうの昔から離被架の存在を知り得ていました。
ならばさっさと購入して解放されておけよ、と。
しかし、私にはもう一つ重要な信条、あるいは思想というものがあります。
それは「誰よりもごく普通の人間でありたい」という気持ち。
願望、とも言えるでしょう。
こんなもの。
ええ、
あえてこんなものと言わせていただきましょう。
こんなものを使って寝ているだなんて、それはもうなんかちょっとやっぱりヘンじゃないですか?
変わった人になっちゃうじゃないですか?
離被架がある家とか見たことあります?
知り合いが離被架持ってるよー、って人います?
「突然来るんだもんびっくりしたよ、散らかっててごめんね、テキトーにそのへん座って」と招き上げられた家で離被架でこんもり膨らんだベットが目の端に飛び込んできたらヒキません?
しかも理由が寝る時につま先に布団がかかるのがイヤだからとか。
ハァー!?
そうだよね、そんなことでわざわざ、だよね。
でも。
いや。
といった葛藤によって苦しみに苦しみを重ねた挙句、私は今まで購入を躊躇し続けてきた、とうわけなのです。
が、
しかし、
今さらながらにここに来てついにいよいよ決断した理由はおそらく一つではなく、
累積されたストレスに加え、
加齢による開き直り、
あるいは関東の底冷え、
などといった複数の要因による同時多発的な後押しがあったからこそと自己分析しております。
して、当の商品レビューですが至極単純な構造ゆえに機能面に問題は無いのですが、正直を言うと全体的に作りが雑です。
布団や人体を傷つけないようスチール製の本体に樹脂コーティングがされているものの、その仕事があまりにも乱暴で、所々樹脂が上手く乗らなかった箇所は後から追い樹脂を舌打ちでもしながら筆塗りしたかのごとくタレまくりハミまくり。
紛いなりにも医療現場でこそ使われるアイテムとはとてもじゃないけど思えないチープさ。
あと、スチールの持つなけなしの柔軟性を利用して用意された本体の凹に脚部の凸を差し込むことで高さと幅の調整が可能なことをしてワンタッチと称しているのでしょうが、それは決してワンタッチなどという動作では済みません。
今一度ワンタッチの意味をお調べいただきたいところ。
せめてカンタン、もしくは可変式と改めるべきでしょう。
このように書き連ねていくとろくでもない商品に思えるかもしれませんが最も肝心なのはその使用感ですから。
それは、
一言で言うならば、
革命です。
最高。
私は今、ようやくここに来て、本当の意味での睡眠を、体験できたのかもしれない。
素晴らしい。
あまりにも、
素晴らしい。
わかっています。
この感動がいったいどれほどの人に伝わるというのでしょうか?
しかし、その数は決して多くはなくともです。
もし、私と同じ苦しみに苛まれている人がいるとするならば、紹介せずにはいられなかった。
いいじゃないか、家に離被架があったって。
一緒にリヒカーになろうぜ?
な?
一応それでも注意点としては、やはり足と布団の間にそれなりの空間が生じるため若干寒さを感じるかもしれません。
必要となれば湯たんぽやカイロなどで対策を。
てかやっぱマジで気になるし不安は残ったままなんだけど世の中に「就寝時の足先にかかる布団の存在が気になり過ぎて離被架を購入・利用している人間」って実際どのくらい存在するんだろう?
願わくばなるべく多くあれ。
あってくれ。
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2022年は12月30日の営業を最後とし31日から翌2023年1月5日まで店休とさせていただきます。
なお30日は今から早めに閉めたくて仕方がない気持ちでいっぱいですから実際きっと早めに閉めるのでしょう予感しかしませんのでご注意ください。
宜しくお願いします。
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前回までのあらすじ:Googleが言うこと聞いてくれないの。てかもうGoogleってなんだっけ?あれ?
皆様ご協力のほど本当にありがとうございました。
再びあらめまして閉店の申告をするためにオーナー権限を取得してのち為すべきを無し、事の経緯を見守っていたところ、Googleから斯様なお知らせが届きました。
全容は個人情報的なとこまで写っちゃうのでとりま数字がわかるとこだけ。
つまり?内容的にどのような報告を受けたのかと申しますれば、
良かったな!オマエの閉店した店がなぜか突然注目度満点だぜ!閉店してるって報告もわんさかだぜ!急にクチコミ閲覧だけでも100、店の表示件数なんて7000超えてんぞ?どうしたオイ?スゲーな!ところで本当に閉店しているかどうかはこっちが決めることだから!まぁ待ってろや!
てなことみたいです。
はぁ。
っざけんなよ!こちとらこそが一々かまってらんない些末な存在なのは百も承知だがこーんなIQ2もありゃ理解できる現実を!それこそネットの神様でございとふんぞり返って偉そうにしててもリアルな状況の把握も正しい判断もできないんじゃなーにがインフォメーションテクノロジーだよ!偉いんだろ?ド偉いスーパーコンピューターマッシーンをやんごとなきエリート様が快適オフィスでカタカタしてツッターンってしてんだろ?なにが一番イライラするって逆にね、そんなすんばらしいとされている超一流企業様にね、これ以上ないぐらい簡単で当然のお仕事すら片付けてもらえねーフラストレーションをご理解いただけますかってんだ!閉店した店を地図から消すだけ!本人が閉店したつってんし大勢の皆々様方も閉店してます言うてるのになーんで消さないよ?なーんでこんな当たり前以前に当たり前なことができないよ?どころか拒否ってんだよ?余計な報告はいいからやることやれよ!いやちょっと待ってくれ、オレだってこんな程度のことに端からムキになって憤慨していたわけじゃねーからクレーマーみたいに扱ってくれんなよ?煽りまくりたてまつってこんな悲しきモンスターを生み出したのはそっちだかんな?もうすぐ5年だぜ?なぁオイ?蓄積量よ?ストレスの蓄積量ですよ!もはやわざとか?具体的に文句をぶつけられる怒りの矛先すら無い状態でよぉ?オレはなにかしらの心理実験に参加させられてるのか?キー!
と、わめき散らかしまくったところでどうにもならないからこそ立案された今回の作戦。
言ってもどうせ判断なり反映はあちらさんの気まぐれまかせなので今しばらく様子見ではございますが、やりたかったことは出来ましたし確実にこれまでとは違う感触ですしそらもうひしひしと手応えを感じておりますですうひょひょう。
どうせまた中の人の目には触れなくたって、いやさそもそも中の人なんて居ないならむしろ好都合。
これだけ「閉店しているというデータ」を用意できれば、ね。
いずれにせよ多数のご協力、今一度お礼を申し上げます。
その事実だけでも心が救われます。
ありがとうございました。
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まずは結論から申し上げますれば、皆様には「サヰキ」とググってもらうと未だ出てくる「Googleマップに紐づけられたBarサヰキの情報」の内「情報の修正を提案」なる項目を選んで「閉店」をポチって頂きたく存じます。
御手隙の方もそうでない方も、何卒ぜひぜひよろしくお願い申し上げます。
マジ助けて。
何を今さら、とお思いでしょうが事の経緯をご説明いたしましょう。
Barサヰキの閉店からすでに4年以上の月日が経つわけですが、もちろん閉店直後からネット上のあらゆるショップ情報は削除の依頼を申請しておりました。
すでに存在しない店の情報を頼りに無駄足を運ばせては申し訳ないばかりでなく、無きものを有るかのごとくにしていては、これはもう至極単純に「嘘」なわけですからして思いもよらぬところでとんだご迷惑をおかけしてしまう可能性すらございますので。
しかしそもそもこの手の情報、地図上のアレとかグルメサイトのソレなんてものは、それは中には自ら意図して掲載依頼を申請される方もおられるのでしょうが、基本的には勝手に載せられてしまうものなのです。
後から気付いて「あれ?ウチのことが書いてある?」とノコノコ出向くと「お前がオーナーか?だったらオーナー権限を取得して情報を管理しろ」と押し付けられるというなんとも理不尽なシステムなのでございます、実は。(ちなみに今現在はオーナー認証を解除した状態にしてあるので容易になりすましとかできるけど後々シャレにならないレベルでとんでもなく面倒なことになるから絶対にやめてね)
で、
普通はオーナー権限を取得していれば自己申告で閉店を申し出ると、それは当然閉店したものとして処理されるはずが、なぜかGoogleさんだけは頑なにひたすらに私の言うことを聞いてもらえず、
私「閉店したよ」
G「おけ、審査する」
私「んだよ審査て?まいいか、それでなくとも修正された情報が反映されるまでは数ヶ月かかる場合もあるとかネット上にも書いてあったし気長に待つか」
G「オマエの店が閉店したって確認できんかったわ。掲載は継続な。じゃあの」
私「は?」
を延々と繰り返すこと4年。
考えられ得るあらゆる手続き・手順・手段を用い、出来得る限りの問い合わせも飽きることなく繰り返すも結果は無限ループ。
IT系の悪いとこ。
顔も見えなきゃ責任の所在すら曖昧なGoogleなんてわけのわからぬカタマリを相手に七転八倒してみたところでフラストレーションだけを蓄積させながらただただ途方に暮れるのみ。
てな感じが続いていたものですから正直なところ閉店直後の熱意をもって取り組み続けることも叶わず、最近は半ば諦めムードで思いだした頃にまた申請しておくかぁ?と舐めプしていたら、ここにきて「コイツ自己顕示欲強すぎ、閉店した店の情報を意図的に残してるんだゼ」みたいなとばっちりにもほどがある書き込みなんかされてはさすがに、ね。
ちょっと脅したらほとんどはごめんなさいして逃げてったけど今だクチコミ内に痕跡があるかもなのはスルーしといてください。
はぁー?!
もう無理っ!
無理なんですれどもー?!
久しぶりに・・・キレちまった、けど屋上に出てる余裕なんてないワタクシは今さらなんて言ってられない、いよいよマジのガチでGoogleマップ上のBarサヰキを削除するべく立ち上がったのです。
それで、そもそものそもそも、なにゆえたかだか閉店した店の閉店申告なんて呆れるほど当たり前な報告が認められないのかについて考察すると思い当たる節が一つ。
Googleは審査とか言ってますが、まさか実店舗の存在を現地に足を運んで確認するようなことはないでしょうからネット上で何かしらの判断をしているものだと推測すると、そう、皆様ご存じの通りこのブログがまさにその一部を成しているウェブ上のBarサヰキは健在なわけです。
これがまた中途半端に毎日しっかりアクセス数を稼いでいたりするので、おそらくはコレをソースに判断しているのではないか?と。
となれば彼奴目はその存在をあくまでもネット上のデータのみで判断しているとすると不特定多数から同時多発的に閉店報告のデータ送信があればこれを認めざるを得なくなるのではないか?
というのが今回ばかりはと識者も集う相談フォーラムに出向き会議までして導き出されたウソみたいな唯一の解決案なのです。
やはりというか当然のごとくウチみたいなケースはそこそこにレアらしいので、何かにつけてそういうのを引くのが得意な私にこそ重大な欠陥があるかもなのはさて置き、ともすればバグの可能性も否めませんが、とりあえず目には目を、データにはデータを。
てなわけで物は試しにご協力の程あらためてお願い申し上げます。
これでダメならどうしよう?
近所だしGoogleのオフィスにでも行ってみようかな?
「ヤベーやつ来た」ってなるだけだろうけど。
それとしてこの後にはGoogleのデータを流用するだけの簡単なお仕事で繁殖しまくっている有象無象のインチキグルメサイトの削除も控えてんだよなぁ。
飲食がらみのIT関連はガチで闇が深うございます。
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ハッピーハロウィンでございますが住所は渋谷なるもののカヲスなのは地形的に言うなればすり鉢の底のほうだけなので坂の上の静寂の中で平和を享受しておりますサヰキです。
本日は雑誌の取材、といってもファッション誌の撮影ロケ地に当店が使われただけのことなのでBarとしてどうのが掲載されるわけではないのですが、
まぁまぁそんなこんなが朝からあったものですからワタクシはすっかり寝不足。
正常な判断もできないながらにせっかくですから今日使用したネタを使って眠気覚ましついで、うっかり皆様に呪いでもかけてみようかな?なんて思いつきましたからにはお付き合いくださいませ。
早速ですがこちらをご覧ください。
これは何かと申しますればプラスチックでできたダミーの氷でございます。
ドラマや雑誌の撮影では一枚の画を収めるためにも恐ろしいほどの時間と労力を有していたりするものです。
特別にドリンクそのものにフォーカスする必要が無い場合、あくまでも氷が入った飲料に見える小道具が欲しいだけなのよ、って時にはかなりの高確率で本物の氷の代わりに斯様なアイテムが使用されるのが常です。
本物の氷なんぞを使っていては用意する段階から面倒ですし(ロケ地が飲食店舗の場合のみこれは例外になるけど)、当然時間が経てば溶けてきたそれを交換するという余計な手間まで生じてしまいますし、グラスが結露しても肝心の画に支障をきたしますし。
てなわけでコレを使用するに当たっては納得せざるを得ないもっともな理由と理屈が存在するわけなのではございます。
が、問題が一つ。
知ってしまうと気になって仕方がない、っていう。
雑誌などの写真、つまり静止画ならまだマシなのですが、
ガチでヤバイのは動画。
映画やドラマは最悪です。
そんなシーンに遭遇する都度、まずそれが本物の氷か否かが気になってしまうのに始まり、続いてもしダミーと分かれば「あぁプラスチック入りのぬるくてまずいドリンクを飲んでるんだなぁこの役者さん」との同情を禁じ得ず、さらにはこれを飲み干されようものならもう最悪。
音!音がさぁ、カラーンじゃなくてコロコロ―いうて、グラスに氷が当たる音が本物のそれとは違うのがさぁ、もー!あと当たり前のことながら1ミリも溶けてないまんまプラスチックがグラスの中に残っている様が滑稽!とてもとても滑稽!とどめに「プハー!」とか「うめー!」とかどんなに上手に演技されてもウソだって知ってるの!知っているのですもの!アハーン
と、もはや作品に集中できなくなること請け合い。
気にすまい。
気にすまい、と思えば思うほど、気になってしまう不思議。
私はもうずいぶんと昔からこの呪縛に苦しめられています。
そして、最後まで読んでしまったアナタも今日から・・・。
キャー
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先日ご紹介した「カーネル E.H テイラー jr. スモールバッチ」のテイストについて。
悪くない。
良いんじゃないですか?
なのですが、コレに限らず最近の、特にウイスキーとなるとジャンルを問わずして、
褒めるにしても私の感想にはほぼ必ず「今時のウイスキーとしては」という歯切れの悪いエクスキューズがどーしてもついてしまいます。
ロックとか割って飲むにぶんにはむしろオススメって銘柄が増えたのも一つ特徴かもなぁ。
いやいや「今時ってなにさ?」という方もいらっしゃるでしょう。
それでなくとも「最近のウイスキーは変わった」なんて話は一昔前からそこらに転がっていたとしてもイマイチ実感し辛い人向けかな?今回。
なにしろ味なんて主観で判断する、言うても飲食物の変化ならヘタともすると「それってアナタの感想ですよね」で終わりかねない事案ですので一つ具体的かつ顕著な例を書いてみます。
己の芸を自ら解説するような気恥ずかしさはありますが、
私は入門講座的に「ウイスキーをストレートで嗜むとはどういうことなのか」をご説明させていただく際、
テキトーなグラスにテキトーなバーボンを少量注ぎ、グラスの内側に程よくリンスして後、これを別のグラスに移し替え、最初の、空になったほうのグラスをスワリングどころじゃなくグリングリンぶん回して、要は強制的に酸化を促進させ疑似的に時間を早回しさせてそれでは嗅いでみてください、というもはやマニュアル化した持ちネタをよく披露しておりました。
で、どうですか?と。
注ぎたてのそれと比べると総じて甘く良い香りが立ち上がっていませんか?と。
つまりウイスキーのストレートとはもちろん飲んで舌の上でも楽しんではいただけますが重きは香りであり、その変化自体を時間と共に、いやさその時間そのものをと言い改めましょう、愉しんでいただくに特化したスタイルなのです。
只今はそれを分かりやすくご説明するために目指すべきゴールを先に提示させていただきましたが、これに向けてゆっくりじっくり、もちろん味わいも含めて、その過程をご堪能下さいませ、的な。
その際よく安いバーボンをチョイスしていた理由はコスト的な意味もありますがバーボン由来の芳香成分の内バニリンのそれが最も変化の度合いが大きく、大体の人が甘くて美味しそうな良い香りと受け入れやすいならば分かりやすいため。
という一連のネタを実際にお店で体験された方も当ブログをご覧の方の中には少なからずいらっしゃることと思います。
そうですアレですよアレ。
アレなんですがね、もうすっかり封印して久しい今日この頃なのでございます。
理由は一つ。
なぜならもう変化しないから。
バーボンと言わず、ここ最近流通している、いわゆる現行ボトルを使用してもダメだから。
現役さんなら全部そう、大体そう。
ビックリするよ?いやマジで。
飲むテイスティングより100倍わかりやすい違い。
は?ウソ?ってなりますぜ。
最初オレの鼻がイカレたのかと思ったもん。
厳密に言えば変わるだけなら変わりますよ、そりゃ。
しかし程度です。
そして最大の問題は「変化させるに値した結果が得られるのか否か」です。(変化前からしてそもそもがって話は一先ず置いとくが)
私とてなにゆえこのネタを披露していたのか?
もちろん我ながらに分かりやすいカリキュラムであるとの自惚れもさることながら、
ご自身で経験されたという方ならなおさらに納得していただけるでしょうが、劇的だったからじゃないですか?その香りの変化となによりそこに残った香りそのもののインパクトたるが。
だもんでぶっちゃけて言えばそりゃもうウケが良かったわけですよ。
「わーすごーいぜんぜんちがーういいかおりー」つって。
ね?
ね?
なんならそれこそがウイスキーの魅力の神髄とまで、私は言っていたとかいないとか。
が、しかし、
現行モノでやってもですね、全然なんです。
リアクションなんてせいぜい「あ、うん、変わった?かな?」
ぐらいのもんでさぁ。
あったはずの香りと変化が無くなってしまったわけですからね、他人の証言とはいえ未経験の方でもそれぐらいには変わってしまったんだという判断材料としてご理解いただければ幸いです。
で、どうしろってわけではなくて、
ただただ悲しいね、っていう。
つまりこれが今時ってやつです。
とほほ。
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帰宅途中の表参道では恒例のクリスマスイルミネーションの準備が始まりました。
もう年末なのですね。
・・・。
ウソでしょ?気が早いなおい。
こんばんは、ご無沙汰しがちなのは純粋に健全かつ順調な老化によるものだと自覚している男、サヰキです。
なるほどピッコロ大魔王がそうまでして若さを求めていた理由が今ならわかります。
さて置いて通常業務の一環で新入荷でもと商品カタログを眺めていましたが、相も変わらずクレイジーな価格のウイスキー群に辟易としている最中、ふと思い出したのです。
そういえば2000年代初頭からの常軌を逸したプレミアム競争の始まりはジャパニーズを含めたスコッチ系に先駆けて実はバーボンだったよなぁ?、なんて昔の事を。(オールジャンルでならプレミアムなんて言葉を使い出したのはビールが一番最初で次いでウォッカだったかな?)
まぁ結果は現状を見ればわかる通りバーボンのそれは失敗に終わったため軌道修正がなされ、今となってはまるで無かった事のようにされていますが。
となるとあの頃にプレミアムだなんだと騒がれていた銘柄が、現代ではスコッチあたりと比べればなおさらに、むしろお買い得なんじゃね?お安くね?とすっかり錯乱してしまったついでに購入いたしましたのがハイこちら。
「カーネル E.H テイラー jr. スモールバッチ」
自称アメリカ最古の現役蒸溜所であるバッファロートレースが2012年から販売している、それでもまだ常識の範囲に位置したプレミアムバーボンです。
これより先に2002年から販売されているとてもじゃないが正気の沙汰とは思えないしなんか色々ツッコミたいポイントも満載なプレミアムの筆頭かつ権化たるボトル「ジョージT.スタッグ」がバズったもんだからって当時は同社のレギュラー商品まであり得ない値上げをしてくれた中には個人的にも好きだった「イーグルレア」も含まれていたりして3000円かそこらのボトルを急に1万円以上で売り出してみたけれど見向きもされなくなったもんだから慌てて元に戻した一件を忘れたわけではないからな!
なのですが今ならコレが、高いとは言ってもまだ許せる範囲かつ販売当初からすると並行ならばなおさらに随分とお安くなった価格で入手できるものですからつい、ね。
さて、
それでは毎度おなじみの赤ペン先生ごっこをば。
いきなりもう早速名前からつまづきます。
ググってもらえれば一発でわかりますが商品名からして誰も「colonel」を「カーネル」とは読まず、なぜか「コロネル」で統一されています。
なんやねん「コロネル」て?ちょっとカワイイなオイ。
おそらくは最初の最初にこの商品名をカタカナに変換した人物が発音記号も調べずにまんまローマ字読みしたものを関係各位様方が疑いもせず得意の無限コピペした結果なのでしょうが、生意気にもこの単語に「大佐」の意味もあるってことだけは知っていたのか?あるいはテキトーさんがドヤ顔をキメたいばかりに張り切ってわざわざ調べた挙句に後付けされたエピソードなのかは存じませんが、
次いで「南北戦争中に大佐であったテイラー大佐をリスペクトして付けられたネーミング」みたいなウンチクが必ず添えられる、までがセットになっています。
全力で100パーのウソです。
ここで綴られている「カーネル」とは「ケンタッキー・カーネル」といわれるケンタッキー州に貢献した人に与えられる称号のようなもので、まぁ日本で言うところの市民栄誉賞、それのケンタッキー版みたいなものですから軍隊における階級が一つである大佐とは一切関係ありません。
おそらく最も有名なのは世界的なフライドチキン屋のボス「ハーランド・デーヴィッド・サンダース」が授与した結果、愛称を通り越して本名だと思っている人も多いでしょう「カーネルおじさん」の例でしょうか?
てなわけでこの業界内だけが「おじさん大佐」だの「コロネルおじさん」とか言っているようなものだとするといよいよ恥ずかしいことだと思うのよ?私は。
なんで毎度こんなことが起きるんですかね?
バカだからじゃないですか?
うひい。
あぁ、そういえば同蒸溜所の古参銘柄「ブラントン」の時代からカーネル=大佐の誤訳は定番だったっけか?
と、話を続けていきたいところなのですが、当該ボトルの情報に関しては以降も体調を崩してしまいそうなレベルで修正を必要とする惨状を目の当たりにしては心底ウンザリしたものですからもう終わり終わりやってられっかよ、とさせていただきます。
しんどいもん。
肝心のテイストについては一先ず「全然いいですよ、悪くない」とだけ。
ちと思うところもありますのでまた後日、ここを起点に少しばかり転がしたい話の中でまた。
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引き続きSNS投稿写真リサイクルのコーナー、というわけでハイこちら。
「エメラルドクーラー」
写真は色気を出して下からライトなんか当ててたりしますんで、あくまでもイメージですぐらいのお気持ちで。
ざっくり言えばミント入りトムコリンズなりジンフィズといった感じのグラス。
今でこそモヒート()なんぞにその座を奪われた感が否めませんが、グビグビ飲めるミント系ロングの元祖代表格といった存在のカクテル。
そもそもミント味の飲料ってのが未だカクテルの専売特許って様子は変わらずなので酒と言わずドリンク全般をしても稀有なテイストよね、意外と。
ゆえに好みも分かれるところで、人によっては「口内洗浄液を飲んでるみたいでイヤ」なんてことがあるかもだけど個人的には大好きな一杯です。
適切な手順と材料を用いて作成されたそれは単純なミント味だと片付けるにはもったいない、コク?奥行き?なんてーの?とにかく美味さがあると思うのですけれども、
やっぱりあれなのかな?ミントとアルコールのケミストリー的な?ソフトドリンクではミント系がこうまで少ない理由にはアルコールの有無によるテイストへの影響ってところが大きいのかしら?
知らんけど。
それからもう一つ、これは語っておかねばな要素が、そう、色。
レシピに含まれる素材の内、全体量からすると決して多くは無いフレッシュレモンジュースと砂糖が、しかし抜群の効果を発揮して目に痛いほどにビビットなミントリキュールの色彩を絶妙に落ち着かせとってもお綺麗。
独断と偏見で言わせていただければ、全カクテル中、最もお美しいグラスとさえ思っていますはさすがに言い過ぎだけれどもまんざらウソでもない。
惜しむらくは名前、ですかねぇ?
そりゃまぁ確かに的を射ちゃいますけれども、
エメラルドて。
語感がねぇ。
気張りすぎじゃね?
なんか、ちょっと、恥ずかしい。
え?私だけ?
と、
流石にこれだけで終わっては短すぎるとお嘆きのあなたのためにオマケをば。
エメラルドクーラーに不可欠なグリーンペパーミントリキュールの代名詞たるボトル「ジェット27」について。
私もその昔には試行錯誤の過程で様々なブランドのボトルを使用してみましたが結局はここに戻ってきたクチ。
しかし当該ボトルといえば披露せずにはいられないネタの宝庫としても認知度が高いウンチクの塊みたいな存在ですので、
と、ここまで言えば当ブログの読者様とあればお察しの通り、その大体がね、毎度のごとくね、ウソだったり、そうじゃなくても微妙に間違ってたりなもんですから、
最もよくあるパターンのテンプレ紹介文に添削というよりはツッコミを入れつつお別れしたいと思います。
「ジェット27」(ちなフランス系の読みなのでゲットじゃなくジェットね。写真は自前だけどなんか無くなりかけで申しわけ)
ジェット27は18世紀後半にジェット兄弟によって創設されたリキュール。(←オリジナルの開発は1796年フランソワ・ポンス氏によるもの。氏のブランドを含む蒸溜所の権利を獲得したジェット兄弟がそのオリジナルに改良と改名をしたのは1862年のこと)
兄弟はこの新しいミント味のリキュールに自分たち独自の名前を付けようと必死に考え、考えすぎて「PEPPERMINT」を「PIPPERMINT」と間違って綴ってしまいました。(←日本以外では綴りの間違え説に対して懐疑的で、類似商品との差別化のため考案されたあえてのネーミングなり、英語の発音をご当地の発音風に変換して生まれた造語てか単に愛称的な商品名なり、いずれにせよマーケティングのための戦略的手段とする説のほうが有力)
その為ではないでしょうが最初は全く売れず、ところがボトルのデザインを今のランプの形にした結果、味も認められ今やペパーミント・リキュールのトップ・ブランドです。(←業績を伸ばして世界的ブランドにまで成長したことを言うのであればジェット兄弟の子供達に代替わりしてから以降の話だし、そもそも以前から評判のミントリキュールだったからこそジェット兄弟も乗っかったビジネス話でしょうよ?なにしろこの会社ったら元々ジェットさん自身が勤めていたとこなんだから先行き不安なら手なんて出してなくね?なんかポンス氏が気の毒になる言われようよね)
ところが綴りの間違いは200年以上もの間そのままで、現在も正式名称は「PIPPERMINT」。(←だからさ、200年は完全にウソだし、ガチで間違いなら早い段階で訂正してんじゃね?)
ちなみにジェット27の数字は、昔アルコール度数27度でつくられていた為ですが、現在は21度で製品化されています。(←事の真相は信じ難いことに製造元ですら把握できておらず、あくまでも諸説ある内の一つに過ぎません。他には使われたハーブの種類数とかボトルの全高由来なんてことも言われています。しかしいずれにせよ具体的な数字の由来が、しかもあろうことか商品名の一部たるが判然としないという、それ自体が最大の問題であり疑問。謎なのです。怪し過ぎるのです。むむむ。なもんで、あれなんじゃね?兄弟の片割れに女房以外の惚れた女とかいて?誕生日じゃなくてもなにかしら関係した数字とかなんとかで?君のためにボトルに刻んじゃうんだゼ秘密じゃん素敵じゃんキャーとかいう、当人達しか知り得ない意味があるとか?だとしたら仮に会社が知ってたって言えないわなぁみたいな、存外そんな感じなんじゃないかと個人的には妄想しております)
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SNSの類が先日の記事のような困ったちゃんの呼び水になっているのならばいっそやめてしまおうかしら?
と思案してみるも可能な範囲で聞き取り調査を実行したところ、どうやら今現在最大の来店きっかけとなっているのはただの地図アプリなご様子。
テキトーにこの辺で飲めるとこないかなぁ?からのテキトーにここでいいんじゃね?ってことなの?
そりゃBarの何たるかが尚一層欠落していても無理からぬお話し、なのはさて置き、
そんなわけで本日は、であるならばと続行は決定したものの、そもそもそんなに需要が無いかもしれないけど一応継続しているSNSのほうに投稿した写真をブログに逆輸入するカタチではいコチラ。
「ガルフストリーム」
先に本日のテーマを語っておきますが、正直ワタクシこのカクテルの事がよくわからない。
だからどなたかご存じの方がいらっしゃれば逆に教えを乞いたいという寸法ですので悪しからず。
さて、「ガルフストリーム」。
名前の意味がメキシコ湾流に由来していることはドヤ顔をしつつ必ずセットで説明しなければならないというルールでもあるんじゃないかと疑うレベルで皆々様からご高説賜れますのでそれはよしとして、その名の通り海を想わせる鮮やかな色合いとフルーティーなテイストは比較的アルコールの刺激も少なく人気の一杯。
ベースはウォッカと言ったってこれはオマケ程度の要素に過ぎず、主役はピーチリキュールとグレープフルーツジュースとパイナップルジュースに色付けのみを目的としてごく少量のブルーキュラソー。
「今となっては」レシピも揺るぎなく、確固たる地位を占めるグラスではございますが、その素性となるとさっぱりわからない。
というかガン無視されてね?
なにかもう「コレはこういうもんだ、ハイこの話はもうおしまい」みたいな感じで。
いや、端から疑問すらない、だけなのか?
けっこう不思議なカクテルだと思うのだけれどもねぇ。
というのもそう、先述した通り、「今となっては」なのですよ、特にリアルタイムを実際に体験してきた人間から言わせていただくと。
そもそもこの「ガルフストリーム」なるカクテル、どうやら海外ではほとんどデータが存在せず、ごく少数、それもやはり日本からの逆輸入ではないかと思われるレシピが本当にわずかばかり見受けられる程度で、
「ガルフストリーム」の名を含むカクテルとなると、あのヘミングウェイが1930年代あたりに考案したとかなんとか言われる「Death in the Gulf Stream」なんてえらい硬派なグラスのほうがもっぱらのご様子。
ひょっとしてガラパゴス系か?
この時点ですでに詰みみたいなもんなんですが遊び半分、心許ない日本語資料と自らの記憶と飽くなき妄想でお話を続けてみます。
まずはカクテルブック。
手元にあるそれらをかき集めて眺めますれば「ガルフストリーム」が掲載されているのはいずれも1980年代末から1990年以降に出版されたものばかり。
加えてもれなく説明には「最近流行のピーチリキュールを使った」「新しいカクテル」の文字が添えられています。
これは実体験とも合致します。
1990年代も半ばになってからですよね?何か最近「ガルフストリーム」ってよく聞くなぁ?ってなったの。
歴史的にも破綻の無い流れ。
「ガルフストリーム」に使われているピーチリキュール自体は1800年代半ばにはすでにレイティエ・ギュイヨ社(自称世界初のクレーム・ド・ペシェ製造メーカー)によって開発はされていたとしても、カクテルに使用されるベースリカーとしてのそれは1984年に開発、翌年より販売開始されたデ・カイパー社の「ピーチツリー」であったことは紛れもない事実であり、先のカクテルブックの文言でもあったように「最近流行」がまさに1990年頃のこと。
「ピーチツリーフィズ」とか「ファジーネーブル」なんかがブイブイいわしてた時代ですなぁ。
確かにピーチリキュールブームであったと言って過言でなかったこの頃に「ガルフストリーム」も誕生したものと推測できます。
して、不可思議なのはそのレシピ。
いえ、多少の分量の揺らぎはまぁよくあることなのでどうでもいいのですが、時代の流れと共にスタイルが変貌しているのですな、これが。
先のカクテルブックの、おそらくは最初期と思われる「ガルフストリーム」のレシピではいずれもカクテルグラスに注いで出来上がり、という極めてオーソドックスなショートスタイルなんですよね。
それがなぜか現代では、なんなら揺るぎなくって勢いでオールドファッションドグラスに氷を入れた、いわゆるロックスタイルが定番といった感じに。
はて?
このあたり、私の記憶でも確かに混乱した覚えがあります。
かく言う私自身が「ガルフストリーム」と言ったらショートからスタートしていて材料的にもロックにする意味合いがいまいち見出せないまま今日に至っては未だ頑なにショートで作っていますけれども、
実際手元にある複数のカクテルブックを時系列順に眺めてみると、
90年代初頭はショート、90年代半ばからロックが混在しだして中にはミストだトロピカルよろしくデコ指示があるものも。
で、2000年代からはほぼほぼ全てがロックに塗り替えられたってご様子なんですなぁ、これが。
それに伴いいつの間にやら総量がショートのそれを超えてしまったものがほとんどなので、すっかりもっぱらロングカクテル扱い。(にしてもロングとするにはやや量が少なめの中途半端な着地が多いのも特徴か)
ん?
総量が増したからロックにしたの?
ロックが定着したから総量が増えたの?
それすら謎。
一体ナニがあったのか?
てかやっぱりオリジンがわからんことにはなぁ。
さて、
頑張ってここまで話を引っ張ってみましたが、突然ながら本音をぶっちゃけさせていただきます。
どうでもいいんです。
本当は。
私。
「ガルフストリーム」自体はよくできたカクテルだと思います。
思うのですが、何と申しましょうか、
誰が作っても材料的(とりわけロングならなおさら)に大失敗は無いし(褒めてる)見た目もカワイイーだし(褒めてる)おいちくて綺麗なだけで(褒めてる)、それだけでいいじゃないですか?という、
良い意味で「さして探求するようなカクテルでもない」と思っておりますゆえに。(良い意味とはいったい?)
結局、事の真相?についてですが、勝手ながらに「チャイナブルー」あたりと同じ道筋じゃないかなぁ?と考えております。
新リキュール開発→メーカーがそのリキュールを使った売り込み用のカクテルを考案(バーテンダーに依頼)→新カクテル誕生→新カクテルゆえに様々なアレンジバージョンが各所で提案される→その内一つが定番化(そこに確たる意味は無し)→からのテキトーなコピーが氾濫して事の何たるかを知らない連中がさらなるテキトーを氾濫させて真相は闇の中
みたいな?
「これってメキシコ湾流の〜」っていうサルでもドヤれるイキりポイントが、あるいはことに拍車をかけた可能性、も否めない、か?
いずれにせよやはりどうでもいいことには変わりないなりに、あくまでも自ら労力を割くのは億劫ながらも事の真相が知れるとならば興味が全くないわけではございませんので、
あれですね、一冊読み上げるのは面倒だから大まかなあらすじと犯人だけ教えて、みたいな。
てなわけでご存じの方がいらっしゃいましたらご教授のほど宜しくお願いいたします。
カクテルの中には「このカクテルは元々○○であったが・・・」なんて話もよくありますが、実際リアルでその変貌の過程に立ち会うことは稀ですし、そういう意味では私にとっても珍しい経験をさせてもらった希少な一杯ではありますから。
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まずは為すべきから。
営業時間に関するお知らせです。
9月1日と2日の2日間は、とあるイベントの会場として店を提供することと相成りましたゆえ営業開始時間を21時からとさせていただきます。
どちら様も宜しくお願い申し上げます。
さて、
ご存じの通り滞りまくりの当ブログ。
更新について直接のご質問を、数件とはいえ賜ったからにはお答えしておこうかとか思ったわけです。
正直なところ今現在おどろくほどヤル気が出なくてむしろ本人がびっくりしているぐらいでございます。
いえ、実務に関してはそれでもなんとか頑張ってはいますけれども。
なにが原因って、なんと言えばいいのか?
なんかさ、なんてーの?
モラルハザード?
ヤバくない?
みたいな?
強いていうなら「空気」なのかなぁ?
みたいに誤魔化さず、かつ誤解を恐れず言葉も選ばず、具体的なところをぶっちゃけて言えば、
新規でご来店いただくお客様の質が度し難いレベルで著しく悪い。
もちろん一部ですよ。
わずかに一部。
ではあるのですが、その割合は明らかに増加傾向にあり、
さらに具体的に言いましょう、そのどれもこれもが大体にして今さらながらにスマホがらみなのです。
厳密にはスマホが直接的な元凶ではないのですけれども、どの事例でも100パーの勢いで共通したトリガーとなっている事実は捨て置けません。
Barでのスマホの取り扱いに関しては未だ手探りな部分もあるでしょうが、
事は確実にネクストステージへと進化している感、あると思います。
重ねて言いますがスマホ、それ自体がダメなんてことはないんですよ?
そこは私、古のガラケー時代より変わらずです。
ちょいとした調べものからメールやLINE等の確認。
気になるSNSの更新をチェックするのもいいんじゃないですか?
写真は、まぁ先だって一声かけていただければありがたいですが基本的には全然OK。
文明の利器は活用してなんぼ、特に酒の銘柄だカクテル名なんてただでさえ覚えるのが面倒なBarの情報なんざ外部記憶装置に丸投げしとけばいいんですよ、ぐらいなもんで、むしろ私は寛容な部類の人間だと思います。
が、
そんな程度のお話しではないのです。
大前提、そのどれもこれもが断りもなくいきなりなのですが、
いや、事前に言われたとてそのどれもこれもはダメなのですけれども、
例えば、
店内を好き勝手に歩き回って所構わず撮影会。
爆音ありの動画鑑賞。
やはりとんでも音量のハンズフリーでビデオ通話。
とかね。
結局のところ私個人の裁量とはいえ、Barたるや大人の社交場であるという前提で申しますれば、その行為のジャッジは他のお客様(有無にかかわらずね)のご迷惑となるか否かで判断させていただきます。
流石にその責務を放棄して平気でいられるほどだらしない店にはしたくないので、あえて言わせていただきましょうそれらの迷惑行為に対しては当然のごとく、
しかし優しく、そらもう呆れるほど優しくご注意させていただきます。
知らなかったのならしょうがないしね、別にそこを責めたり怒ったりしているわけではないのよ?
ではなくて、
ある意味、本当に厄介なのはここから。
最大の問題にしてもはや恐怖です。
責めたり怒ったわけではないとはいえ「ご遠慮ください」と注意を促されたわけじゃん?
もちろんさ、謝れとか言うつもりは甚だございませんが、
なんかね、なんてーの?それなりのリアクション?態度?みたいなものがあって然るべきじゃない?
ところが、
そりゃ印象ですから主観で言わせていただきますけれども、皆ね、揃いも揃って妙に勝気と申しましょうか?どこかの屁理屈野郎よろしく「それってあなたの感想ですよね?」と言わんばかりのしたり顔で会話、どころかマジで言葉の一つも発さずに大抵は何事も無かったかのように無言のままでスマホをポチポチ。
うわ、先生とか上司が「オイ!人の話を聞いてんのか!」ってキレるやつじゃん。
ドラマとかで見たことあるよ、リアルであんだ。
じゃなくてなに?なんなの?早速どこかにネガキャン投稿でもしてんの?
てかどうすんの?
やめてくれる?
もう帰る?
いや、居るの?
それならそうと、ねぇ?なんか言ってよ?喋ってよ?
お返事、してくんないかなぁ?
あれ?
これは?
意志の疎通が・・・できない・・・だと?
ん?
おや?
キミは・・・オレにしか見えてない・・・とかないよね?
ひょっとして、
実はオレが幽霊でしたとか、そういう感じのやつ?
ねぇ?
ねぇってば?
おーい?
オイ!ふざけんな!こちとらそもそもが対人恐怖症をこじらせた挙句にカウンターの中って居場所をようやく見つけたついでにかろうじて生きてる程度の存在自体が脆弱な生粋の引き篭もり体質なんだからな!いい加減にしといてくださらないと泣いちゃいますですぞコノヤロー!
みたいな事例がここのところ多くて、
結局、私のほうが「あれなんか逆にごめん、なの?」みたいな変な空気を纏いつつ業務に戻り、先方はしばらく平然と過ごした後、しれっと会計を済まされて帰られるって感じがほとんど。
すげーな、その間も絶え間なく気まずかったりいたたまれなかったりで勝手に針の筵を広げてもんどりうってダメージ喰らってんのは私だけなのか?ライフポイントごりごり削れていってるんですけど?
と、なんだかオジサンすっかりまいってしまっていた、というわけなのですよ。
マジでなんなんだろう?
もうさ、世界観がわからんよ。
どういう設定?
納得できるかはさて置き理解ってことだけで言えば逆ギレのほうがまだわかるよ。
それなら知ってるから。
なにこれ?
時代なのかなぁ?
東京だからとかも関係ある?
そういえば少し前に初めて行ったBarで入店するや否やマスターから「ウチはスマホ禁止ですけどいいですか?」とか明らか敵対的な語気で言われて「はへ?」と面食らった経験があるけど、
あのマスターもあれなのかなぁ?
そういう連中の多発で心を削られてすっかり虐待を受けた子犬のごとく不信感の塊みたいになっちゃったパターンなのかなぁ?
Barに限らずの問題なのかもですね、これは。
ひょっとして似たような事例で苦労してる人って多い?
で?
「それがブログを書かない理由と直接関係あるの?」と問われれば、
まぁ、その、精神的な部分でね、間接的な要因の一つとして、的な。
頑張ります、はい。
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以下の期間を夏季休業とさせていただきます。
【期間】8月12日〜16日まで
ご不便をお掛け致しますが何卒ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。
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誰かが言っていた。
「人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない」と。
ならば、言い換えるとこうも解釈はできないだろうか?
「人が何かを犠牲にしたからには何かしらを得なければならない」と。
先日、私は持て余しているくせに束縛したまま愛でてやることも叶わないのであればそれはあまりに不憫であると泣く泣くフィギュア等コレクションの一部を手放した。
犠牲を払ったのだ。
いや、決して費用捻出のためとかではないぞ?
これは犠牲なのだ。
だからつまり私は何かを得なければならないでしょうがそうでしょうが!
ね?
というわけでコチラ。
「モンド ゴジラミュージアム:アタック・ピーター(2021)」
の、
おぉっと、待て待て、焦りは禁物まずは箱から。
現在アメリカの玩具会社・ファンコの傘下にあるモンドは、その筋の方々にウケそうな映画など主にサブカルネタを題材とし、版権元のライセンスを得たのち様々なアーティストとコラボしてはオリジナルのポスター、フィギュア、スタチューなどを展開している海外ブランド。
平たく言えばホビーメーカーであるのだが、そのチョイスとセンス、角度とクオリティにより時にはアート作品とも評される商品群をして既存のそれとは一線を画した存在であると評価する者も多い。
が、残念ながら日本での展開は今だ少なく、知る人ぞ知るの域を脱していないのが残念なところ。
当該作品もご多分に漏れずアメリカ・カナダのみでリリースされた上に2000体の限定販売であったため日本ではその存在自体があまり知られていないご様子。
どうやら日本語によるさわり程度の紹介ぐらいはかろうじて見受けられるもののレビューとなると皆無に等しい状態ならばココでがっつりイってやろうじゃないか。
てなことやってるとまーた明後日の方向からのアクセスが増えたりなんかして一体なんのブログだよ?とかなるからどうしたそんなの今さらだ振り落とされんなついてこい!
さて、
モンドが2021年に発表した「ゴジラミュージアム」なる企画は全3弾で展開されたスタチュー(無可動フィギュア)のシリーズであり、その第2弾は1970年代のアメリカで放送されたアニメ版ゴジラ(ハンナ・バーベラ・ゴジラ)を、第3弾では1954年の元祖・初ゴジをそれぞれモデルとしているのだが、今回紹介するアタック・ピーター版こそがその第1弾にあたる。(箱の写真2枚目側面にラインナップの紹介あり)
アタック・ピーター氏とは、ゴジラはもちろんその他クリーチャーなど様々なキャラクターやシチュエーションそのものまでをリノカット(版画)というこの界隈ではありそうで無かった珍しい技法を用いて独特の雰囲気で表現するアーティストであり、彼の描いた二次元の版画ゴジラを三次元の立体に起こしたのが今回のスタチューというわけだ。
それでは現物を見ていこう御開〜帳〜。
ブリスターズケースの中に丁寧この上なく梱包されている景色は好感が持てる。
内容物は本体・尻尾・台座にネームプレート。
台座から。
高さ約3.5cm、幅約12.5cmほどの八角形の台座にはカタカナでゴジラとデボス加工が施されており、内部には鉄板が仕込まれていて少し重量がある。
ネームプレート側には磁石が入っているので、これで台座とプレートを固定できるようになっている。
磁力はさほど強くないのであくまでもズレ防止程度の効果だが嬉しい配慮だ。
リバーシブル仕様というわけではないのだろうがやたらに凝っている裏面。
そしていよいよ本体だー、の尻尾はガイドと磁石によって接続。
いちいちドライヤーなどで軟化させてやるような手間がかからないのはありがたいが簡単に着脱可能であるため尻尾を持って移動させたりすると落下の危険性は否めないのでご注意を。
ついでに足裏の造形を見ておくといたってシンプルな平面に東宝の商標が見て取れる。
てなわけで降☆臨!
全高・長ともに約18cmほどで両足端を起点とした横幅は約13cm。
素材はPVCでとっても軽いです©ぎわちん
と言いたいところだけど中までギッシリ詰まってる風でそれなりの重量感があります。
それではレッツ!しだるまタイム!(♪Land of 1000 Dances)
前。
後。
左。
右。
台座に鎮座ましますと斯様な風情。
細部を見ていきましょう。
デフォルメされながらもリアルさを残した絶妙なアレンジがカッコいいとカワイイの両立を成してなんとも趣のあるフォルム。
マットブラックのボディにはあたかも本物の彫刻刀で掘られたようにも見えるモールドが多数。
シンプルに黒と白の二色のみで構成された色彩は、まさしく版画絵をまんま立体化したかのような質感と雰囲気を演出している。
ご尊顔をアップで。
バッキバキにキマっちゃってる瞳が良き。
口内に至るまで塗分けは抜かりなく、ともすればひなびた観光地で売られている安物の木彫り人形ともなりかねないモチーフを、そのクオリティの高さによって有り体なオモチャ風情とも別物の、しっかりとアート作品然とした品格を醸し出すのに成功している。
最も版画の持ち味を具現化しているであろう背ビレは、しかし立体物だからこそ味わえる造形の楽しさも相まってもはや芸術でしょうがそうでしょうが。
総評として。
かなり素晴らしく素晴らしいです。
これをはたして怪獣系フィギュア、ゴジラのスタチューとして見るか否かという初手の価値観により、人によっては評価が変わってくるかもしれませんが、
キャラクター商品である以上にアーティストによって引き出された新たな魅力を感性で愉しむアート作品としてたいへん気に入りました。
個人的には100点満点で採点するならば、
そうですね、
3億点といったところでしょうか。
ありがとう。
ただ、ありがとう。
だがしかし、
レビューとしてならばその入手難易度については言及しておかなければならないでしょう。
限定商品の同シリーズの中でも特に人気が高かったので即完売し、あっという間にプレミア価格がつき、為替の変動があるにせよ元々は送料を踏まえても2万円はしなかった代物が、今や倍か、もう少しかかるかもな相場で取引されています。
が、それは海外での話。
そもそもの販路がアメリカ・カナダのみという地域までもが限定されていたのでここがネック。
今現在日本でコレを入手しようとなると海外のオークションを代行してくれる業者に委託するか、
もしくは入手に成功した日本の個人が手放すのを待つしか方法がないのですが、
いずれの場合にせよ更なる経費が上乗せされることは必須で、
だいたいですが現実的な日本国内の相場となると5万円とか、それぐらいのお値段はしてしまうのが現状。(2022年7月調べ)
流石に高いよ。
おまけにやっぱりそんなに数もございませんからして今後は更なる高騰も懸念されるとかいう、ね。
運良く良心的な出物に巡り会えたのならば迷わずその手をつかんで離さないよ!もう!ぜったい!オレ!なにがあっても!と、駆け出した熱い想いにブレーキはノーサンキューをオススメいたします。
ま、どうしても欲しければ、の話ですけれども。
やはり人は何かの犠牲なしに(以下略
しかしあるいは箱無しとか、少々くたびれた値引き中古品が出回りだす可能性が無きにしも非ずならばしばし待ちに入るも手、なのか?
この辺りは判断も非常に難しいところ。
まずもって普通に買うという選択肢が既にと言うか日本在住という条件下においては初めから存在すらしておらず(言うてゴジラなのにさ)、
どの道を選ぼうともそうお気軽お手軽に入手可能なアイテムとは言い難いので、
ここがね、唯一にして最大の問題点よね、やっぱ。
モノが良いのは間違いございませんが以上の状況を鑑みても、やはり諸手を挙げて購入を推奨できるようなアイテムではございません。
最終的なジャッジはあくまでも自己責任でよろしくお願い申し上げます。
ご利用は計画的に。
というわけで今回は少しばかりガチ感が強めなアイテムをご紹介してみました。
ちなみに当記事でモデルを務めてもらったウチの子ですが、
過去にも記した通り、これだけヤーヤー言っておいてワタクシときたら、普段は生活空間にオモチャの類は置かないし飾らない主義なのですが、
ただいまのところは部屋の正面と言って過言でないオーディオボードの上とかいうこれ以上ないお立ち台の上にて崇め奉り、
愛でまくりあげまっくている日々でございます。
はぁ…。
素敵です。
ありがとうございます。
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そういえば、
理不尽に高騰を続けるウイスキー界隈に対してアンチテーゼという名の一石をたかが一人のバーテンダーが投じてみたところで波風一つ立たないのは分かっちゃいるけれど、
故あって入手したそこそこのボトルを無駄にお安く叩き売ってたりするのでご紹介、
したいところなのですが、
これが他店様のプライベート記念ボトルだったりするもんですからこの場で詳細を説明するは控えさせていただきますゆえ、
ま、ご来店の際にはお気軽に聞いてみてくださいまし。
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おそらくは皆々様方と同じ理由、DBDの6周年イベとかDBDの6周年イベとかで忙しくしておりまして更新が滞ってしまいましたお久しぶりですリージョンのスキンはパーティクラッシャー(ジュリー)がお気に入りですサヰキです。
この時期のお知らせと言えばお察しの通り、夏の毎度の例のアレが入荷しましたとかなんとかなのですが、なにしろ代り映えもしないのでもはやいっそ省略しまして、いつもとは毛色が異なるお品のご紹介をば。
というわけでこちら。
「バカルディ クラッシック カクテルズ モヒート」
今さらながらにあらためまして、そもそも古くから存在していたモヒートなるカクテルが近年のブームを経て定番化するまでに至った理由。
それはキューバ危機、いやさそれ以前、ともすれば創業当時からして巧妙な情報操作を得意としてのし上がってきたとある大メーカー様の隠そうともしない暗躍の成果、
であることも確かではありますが、なによりもまず「モヒートがモヒートではなくなったから」という一点に尽きるのではないでしょうか?
従来のそれと比べてもアルコール、テイスト、ともに劇的と言って過言でないほどに軽くなり、ソーダアップがデフォな勢い。
ゴクゴク飲めちゃうシュワシュワした、ライムとミントのなんかおいちいやつ。
それが現代のモヒートである、
とするならば、
ですよ?
飽きもせず作り続けている相も変わらずな私めのモヒートたるやどうでしょう?
ご理解あるコアでディープでお優しいお客様に甘えっぱなしで、変えようなんて考え自体が端から存在しない手加減知らずな一杯は、
情け容赦のない殺人的ドリンクに他ならないのですよ、今時のそれと比べると。
今の店に移ってからはいわゆるライト層の方々と接する機会も多くなり、そういったお客様からこそモヒートのオーダーを頂くことが少なくないのですが、皆様一様にイメージされておられるは今時のモヒートですからしてこれは大きな問題です。
つまりっ!
なんかさーもうさーいちいちそこいらの事情を説明したりお伺いを立てんのがさーいい加減面倒くさくなっちゃったからさーあ?
もといっ!
お客様のご期待に沿えないのはサービスマンとして不甲斐なくもあり申し訳ないので、
この度のボトルを仕入れてみた所存にございます。
芸に上手も下手もなかりけり〜の精神。
お好みに合わせられるよう選択肢を増やそう、ダブルスタンダードで行ってみよう、てな寸法でやんす。
というわけで当該ボトル。
ラムをベースとする原材料名の中にはかろうじてライム果汁とはあるものの、肝心のミントに関する記載はなく、おそらくは完全に香料のみでそれらしく仕上げているのでしょうが、炭酸で割るだけで(等量推奨)簡単に今時モヒートが再現できるという摩訶不思議なお手軽ドリンクです。
要するにカクテルの素。
わー便利。
これをモヒートとするならば確かに私のモヒートはモヒートなわけがないレベルで別物ですが、ミント風味のジュース系カクテルとしては不味かろうはずもなく、むしろ夏場にはとりあえずの一杯にいいかもです。
往年のモヒートファンの方でも一度お試しいただいてみるは一興かと。
ところで余談なのですが、
ちょいとネットを覗いてみましたら、どこぞの知恵袋や掲示板もしかり、今や居酒屋やカラオケでも楽しまれているモヒートですが、むしろそういった場で供されるグラスでこそ意見は活発なご様子。
とにかくフレッシュのミントが不可欠だ!ミントの入ってないモヒートはモヒートにあらず!といった話が盛んでして、
なんだろう?
そもそもそういうところで作られるモヒートってボトリングカクテルですらないシロップとかの原液仕様がほとんどで本当のミント成分なんか元より皆無だけど香料でそれっぽいからいいでしょ?てなもんで、
グラスに入れられたミントなんてオマケ程度の風味がせいぜい。
見た目以上の役割なんて無いに等しいと思うのだけれども?
映えないモヒートはモヒートにあらず、ってことかしら?
あらやだどうしましょう?
ウチのモヒートはイエルバ・ブエナをふんだんに使って潰しまくるけど最終的には濾すもんだからエキス分こそマシマシながら見た目となると最後に飾りの一芽を添えるだけだもんなぁ。
せめてソーダ割りのほうはゴリゴリにミントをぶっ込んどくか。
パラソルとか気が触れたみたいに曲がりくねったストローとかも買ってこようかしら?
人は流れに乗ればいいって誰かが言ってたけれど、
乗っかるだけでもけっこう大変よね。
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上京して以来、ご来店いただくお客様の変化として外国の方が増えたのは一つ顕著な違いではあるものの、
先週を振り返ればそれは流石に異常事態で、ほぼほぼ日本人のお客様が来られていないというだけにとどまらず、
さらにはその外国人ゲスト様方のほとんどが「ウイスキーサワー」なるカクテルをご所望されるという意味不明な不可思議体験を記念して今宵は記事を書きますグッドイブニング、SAIKIデース。
というわけでコチラ。
「ウイスキーサワー」
「え?コレが?」と思った人、まぁ落ち着きたまえ。
そんなも踏まえてコレが中々に厄介なカクテルである理由をゆるりと説明していきたいわけですけれども、
まずは東京の某居酒屋と、そこの常客たる某飲料系メーカーの社長の思い付きによって全国に広められてしまった、名前をまるパクリしただけの全く異なる別物、
いわゆる「居酒屋のサワー」についてはガン無視いたしますので悪しからず。
して、そもそも話から始めますと、
サワーの名を冠したカクテルのレシピ、と言うよりもはや概念とも呼ぶべき処方に関してはかなり古くから存在していて、
バーテンダーの祖だか神様だか言われてるでお馴染みの、かのジェリー・トーマスさんが記されたという最古のものともなれば1862年まで時を遡ることになります。
しかしそれは古のスタイルとして時空の狭間に置き去りにされた存在であり、
先達からわずかに遅れて誕生しながらも(有力とされている説はいずれも1870年代頃)、代わって覇権を握った、言わば「新」サワーについて今回は解説してまいります。
その発案者ともなればやっぱりしっかりこぞって挙手される御仁達の数たるや毎度のごとくなもんですからして定かでない、とお茶を濁しておきましょう。
が、ルーツとなると割と律義に共通した起点へ収束されます。
どうやらペルーやチリで伝統的に飲まれていたミクスド・ドリンクが爆心地。
現地の特産酒たるブドウを原料とした蒸留酒はブランデーというよりもマールやグラッパのそれに近い酒「ピスコ」をベースとした、
現在では始祖たるはずが逆に上書きされて「ピスコ・サワー」と呼ばれるご当地ならではの飲み方をヒントにして「これウイスキーでもいけんじゃね?」という発想こそが事の発端のご様子。
その際、極めて象徴的であり核としても使用されていたのが名産物の非常に酸味が強いレモン (Limón de Pica)であったため、今となっては「そんなに?言うほどか?」という印象が拭い切れない大仰なネーミングも、
開発当初はそれありきの一杯だったからこそ、古のレシピとは別にしても「サワー」(酸っぱい)と名付けられたようです。
さらにもう一つ、最初期のレシピには共通して卵白が使用されていたという特徴があります。
然るに日本です。
我が国における「ウイスキーサワー」は初来日してから今日に至るも頑なに更新前の処方、失われた古のレシピのほうのみを唯一のものとしてきました。
しかし、ベースに酸味と甘みを加えるという基本形を記しただけの処方は先に述べたようにレシピというより概念にほど近く、
ここから派生して様々なカクテルを生み出すきっかけになったのは確かであるものの、
それなりにスター選手も出そろった感がある現在、と言わず一昔前からすでに、それだけをもってして確立した個性とは言い難い存在となっていました。
強いて言うなら大きめのシェリーグラス、あるいは小ぶりなフルート型シャンパングラスといった風の特殊さゆえに潰しが効かず、
汎用性の無さで言ったらBarで使用するグラスの中にあっても随一のミステリアスなマテリアル、その名もずばり「サワーグラス」の使用が必須という縛りだけが無二の特徴でしょうか?
ともすれば「サワー」とは「サワーグラス」に注ぐからこそ「サワー」なんだ、と。
では終わらずに無理矢理にでも個性を付加してみようと試みたけどなんかもう途中でイヤになったのか?やっつけ感満載でオリジンからしたって魔改造が過ぎるにも関わらず日本では標準レシピとされてきた(いる)のがコチラ↓
ウイスキー45ml レモンジュース20ml 砂糖1tsp をシェークしてサワーグラスに注ぐ。スライスオレンジあるいはレモン、とチェリーを飾る。好みのフルーツに替えるも良し。少量のソーダを加える処方もある。
いやいやいやフルーツはお好みで、はともかくソーダの有無はかなり話が違ってきやすぜ?
なんだよ「処方もある」って?
ていうね。
ともかくこれこそが我が国における唯一の絶対的「ウイスキーサワー」ったらなんならクラシカルなスタンダードですのよ、とガラパゴス化になお一層の拍車をかけつつ浸透してしまったのでございます。
いやはや定番とするにはあまりに不安な要素、ソーダの有無なんて最後の一手で決定的な違いが生じる恐れがありますから、これはこれで厄介。
作り手側はオーダーを頂いた際には如何なる着地をお望みなのか確認を怠れぬ油断ならないカクテル、
と言うほど身構える必要もありませんか?
逆を言えばそこだけ気を付ければいいのですから。
では通じないのが話は冒頭に戻って外国のお客様です。
ここまでのお話でそもそものそもそもが違うことは十分ご理解いただけたでしょうがもう少し細かく。
まずは日本におけるレシピでベースはウイスキーと書きましたが、日本のカクテルブックにおいて単にウイスキーと書かれている場合はスコッチタイプのブレンデッドを指すのがセオリーですので当然これに従って作成されることがほとんどです。
が、日本以外の国で「ウイスキーサワー」に「バーボン」以外のウイスキーが用いられることはほとんどございません。
なんなら「ウイスキーサワー」とは「バーボンサワー」のことですよ、ぐらいの勢いなのです、が例外もございます。
「スコッチ」ならば名前からして変わる場合もありますが「え?ウイスキーサワーったら普通ライなんじゃないの?」とかいう人もいたりしてね。
いやん。
ベースの確認は怠れません。
さらに卵白。
今時は卵白を用いたレシピはスタンダードではあるけれど「新」の中にあっても古典的な別物として扱い「ボストンサワー」と呼称する場合もありますが、
それはあくまで店により人によりな話なので、「ウイスキーサワー」には当然卵白入るでしょ?な方は決してマイノリティーではございません。
やっぱり確認を。
グラス?
サワーグラスがどうのだなんていつの時代の話だよ?てなもんで正直知ったこっちゃありません。
大ぶりなクーペ型シャンパングラスをもってサワーグラス?これでいいでしょ?とするのが常。
そんなことより主流は氷を用いたロックスタイルですのでそちらのほうの確認をば。
とまぁ、「だったらさ、外国の方には外国の方向けのいわゆる新のほうをググってさ、ちゃちゃっと作っとけばいいんじゃね?」と事は単純ではなく、
「新」の中にも複数のバリエーションが存在し、それぞれが我こそは王道みたいな面をして鎮座ましましているから難儀さここに極まれり。
結局やっぱり厄介たる所以はこれに尽きます。
多少の差異はあったとしてもカクテルたるや、たとえ国が違えど概ね通用するであろう共通言語のはずが、こうまで国どころか人によっても想い描くグラスが違う可能性があるとは、ね。
しかもこんな、いかにもクラシカルで揺るぎないスタンダードって感じの一杯なのに。
あとはまぁなんだ、
未だ日本では日本語で書かれた日本人向けの基軸とするべき「新」、というか世界的には「真」とされているほうのサワーのレシピが存在しないのも迷いが生じる原因の一つだろうけど、
いずれからレシピを拾ってきたところで構成要素からしてシンプルに難しいカクテルだと思うのよ。
謂れはともかくなんせ「サワー」なんて名前なんだからレモンと砂糖の塩梅は言わずもがな重要になってくるのだろうけども、そこはなに?それこそ作り手の力量だろうしセンスなんだろうからさ、まぁガンバレ。
で、
諸々の予習は完了していたおかげで最低限のポイントはヒアリングできた結果、先週の私が外国人のお客様をお相手に最も作らせていただいたのが最初に出した日本では見慣れぬ画像のバージョン。
バーボンベース・レモンに砂糖に卵白入り・ロックスタイルのウイスキーサワーでございました。(ビターズも少々入れてます)
ひゅーあぶねーあぶねー。
やっててよかった公文式。
お代わりなんかもして頂けたので、まぁまぁ悪くはなかったのでしょうと思いたいところ。
あ、気を付けるべきは逆も然りよ?
なんだかんだで古のそれに慣れた日本人のオールドファンも決して少なくないので。
機会があればオススメしてみるのも手かもしれないけど、
色々すっ飛ばしていきなり「これがグローバルスタンダードでい!」って卵白入りの奇妙なグラスを日本のお客様に出してちゃ「ナニコレ?」ってなるわけで。
ともかく、この度は事なきを得ましたからめでたしめでたしではありましたが、
飲み手様も作り手様も、どうぞお気を付けあそばせ、てなお話しでございました。
ところでさ、卵黄だけがいっぱい残ってるんだけど、コレどうしよう?
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最近ちゃんと酒関係のことでブログをがんばってたじゃないですか?
がんばっていたのですよ、自分なりには。
んで、このペースを維持すべく情報収集に勤しんでいたのですけれどもね?
この私が書くをためらうレベルのスキャンダラスを通り越してもはやただの事件ですやん?って事案ばかりをヘタにゴロゴロ掘り当ててしまい、
ネタには困らないとはいえ、それはそれでなんだかなぁもう、ってな感じでいよいよ辟易してしまったんで雑談しまーす。
先日、映画を観に行きました。
しかしワタクシ、映画は好きですが映画館が苦手です。
行けば中々の割合で良からぬことが起きるから。
というのは何かにつけて一般的な確率論を無視しがちな私にこそ問題があるのかもしれませんが、
近年は昔ほどの苦手意識はなくなりました。
何故かと言えば今時はネットで座席の予約とかするじゃないですか。
起きうる事故の大抵が鑑賞地点周辺の観客配置に起因するとなると、座席の状況をその詳細にいたるまでつぶさに手元のスマホで観測できる現代とあれば、あらかじめ安全を確保するのは簡単なお仕事。
混雑具合の如何によっては日時をずらしてしまえばいいわけだし余裕なんだぜ怖くなんかないんだゼィ、てなもんです。
で、
今回は開演時間まもなくをしてこんな感じで席が空いていたので↓(〇が空席ね)私は☆のところを取ったのです。
●●〇☆〇●●〇〇〇●〇〇…
座席の直前は通路のため前方に対する警戒は不要。
おそらく左右はカップルでなくとも二人組に挟まれているのであろう空白の三連席の真ん中。
となればこの時間で他に空席はいくらでもあることですし、先んじてココを抑えるは両隣の空白をも我が陣地として維持できる。
約束された不可侵な絶対守護領域の完成です。
勝った。
って思うじゃないですか?
いざ予告も終了して本編が始まりますなギリギリのタイミングで滑り込むようにオッサンがまさかのココに着席してきたのです。
●●★☆〇●●〇〇〇●〇〇…
★がオッサン。
いやいやいや、他にいくらでも席は空いてますやん?なぜあえてココやねん?てかポップコーンめっちゃ食うやん?え?ポップコーン自体はいいんだけどさ?劇場でポップコーンが定番に成り得た要因の一つって音が出にくいからじゃなかったっけ?って常識を覆す大迫力の立体音響でめっちゃ食うやん?オマエのポップコーンはIMAXか?なんだこのオッサン?いやこっちもオッサンですけれどもジュースキター!ジュースもドルビーサラウンド―!まるで目の前で飲み食いされてるみたいな臨場感は4DX!つかやっぱなんでこの席にしたよ?え?は?オマエはアレか?空いてる男子トイレにも関わらず真隣に陣取ってきて覗き込んでくるタイプのやつのアレか?怖い感じのアレなのか?
という自分の中ではあり得ない想定外の事態に動揺したまま立て直しも効かず、
かといって席を移動するにも、それはそれでかくあるべきルールを自ら破るようで気が引けてしまっては身動きも取れず、
結局終始オッサンはオッサンの呪縛から解放されることは無かったのでした。
あらためて、あの時間は一体何だったのか?と問われれば、
オッサンがオッサンのASMRを聴いて帰って来ただけ、としか言いようがありません。
もちろん映画の内容は見事なまでに入ってこなかったので翌日もう一度劇場に足を運びましたとさ。
という悲しいお話しでした。
負けた。
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誰にも気づかれないほど地中深くに埋まっていたなら上を歩いたところで被害も出ないであろう地雷を掘り起こし、わざわざ自ら踏み抜きに、再び戻って参りましたサヰキですちゅどーん。
ベリー・オールド・セントニック「サマーライ」
当然のごとく「新生」のほうですが「エンシェント・カスク8年ライ」で懲りたんじゃなかったのかよ?ですって?
ええ、もちろん。
せやかて工藤。
熱心な読者様には今さらの説明も不要でしょうが、私にとっては何しろかつての相棒ですからして、この愚かな行為の動機たるや全ては未練という名の我が心の弱さに起因するわけでございますですなのですが。
今回は「サマーライ」たるの説明だとかおさらいなどはせず結論から申し上げます。
「ひどい」
これしか言えません。
私が一本のボトルをしてここまで酷評、いやさ断罪することは稀ですが、
酒を愛で、嗜み、あまつさえ提供する者なればこそ、そう言わざるを得ないレベルであまりにも別物過ぎます。
そのテイストについては色々と細かいツッコミを入れたいところですが呆れるほど膨大な文字数が必要となるので、強いてあえての一言に凝縮すれば、とにかくまず軽薄が過ぎます。
薄っぺらい。
逆にお聞きしたい。
これのどこが「ベリー・オールド・セントニック サマーライ」なのですか?と。
だがしかし、私の記憶という曖昧な根拠をして断じるは理不尽とするならば昔と違うか否かは一先ず置いておくとして、
以前に、そもそものそもそも、前のエンシェント8年の時にも感じたことでしたが、値付けの根拠が意味不明過ぎます。
なにをどう考えても高すぎます。
昨今、酒類業界の中にあってもとりわけ目立つウイスキー関連の高騰事情を鑑みたとしてもです。
到底理解できません。
いくら酒の値段は雰囲気みたいなところがあるにせよ(あるべきじゃないのよ?本来そんなの)これは理の外側に大きく逸脱し過ぎています。
しかもアメリカン、おまけにライとは言いたいけど言わないけど言っちゃったけど別にしてもだよ。
流石にこのクオリティでこの値付けは守銭奴と化した大メーカー様もドン引きして闇金業者ですら躊躇する、もはやボッタクリの域じゃないですか?
となるとです。
これまでの状況証拠を整理して考察するうち、私は一つの推論にたどり着いてしまいました。
ひょっとして、かくあるべきはずのモノがそうではない事実に対し疑問に思うこと、それ自体がナンセンスだったのでは?
逆に、全部、最初からそれこそが目的であったとしたらどうでしょう?
つまり、悪意とも呼べる明確なる意思と計画をもってして、全ては意図的に成された行為だったとしたら。
端から「本物で商売」をしようというつもりではなく「偽物で詐欺」が言い過ぎならばメッキの代物で優良誤認を狙っていたとしたら?
「どうせ中身なんぞわかりゃしない連中に幻のボトルがクラフトで復活とか言ってむしろ高すぎるぐらいの値札つけとけば簡単に売れちゃうんだぜぃ」という邪な考えがそこにはあったのではないか?ということです。
あぁ、もう。
一連の有り得ない仕様も、お粗末な着地も、
もちろん納得はできませんが、そうであるとすれば理解はできてしまいます、 私の場合。
とは言え一介のバーテンダーごときが己の憶測や妄想で他人様の営みにケチをつけ、それがさも真実であるかのごとく語ることなどあってよいはずがありません。
全てはワタクシ個人の一見解に過ぎませんのでご了承ください。
皆様にあられましてはご自身でボトルと対峙し、ご自身で考え、ご自身なりの見解をお持ちいただくよう切に願います。
あ。
そうそう。
その際、参考にでもしていただければってことで、ちょいとついでに拾って来た情報も置いときますね。
「追加調査報告」
1.新生ベリー・オールド・セントニックの創業は1987年とされているが(なぜかボトルによっては1986の場合もあるが)、所在地とされている当該住所に蒸溜所(瓶詰め・製造)が認可され操業を開始したのは2017年のことである。
2.昔ながらの存在を主張せんとばかりにいかにも古めかしいホームページが今に至るも実装されているが、画面下部にはなぜか小さく2017の表記が見られる。またソースコードを解析してみるとおそらくはこのホームページ自体が2016年に制作されたのであろうことが推測できる。
3.当該蒸留所のオーナーはカルフォルニアに本社を置き主に酒類を扱う輸入会社の社長を務める女性の方なのだが、2019年に大学不正入試に関連する電信詐欺の容疑でFBIに逮捕・起訴されている。
以上。
だからナニってわけではございませんよ?
あくまでオマケの情報でした。
ま、参考までに。
最後に、
未だに旧セントニックの解説を用いている輩は論外としてですよ、
どこぞの小賢しいバーテンダーが「エンシャント・ライ」の時にカナダ産だなんて看破しちゃったもんだから、だったら右へ倣えで「サマーライ」もだぜ!ってことなのか?皆様コレもカナダ産だとおっしゃっているようですけれども、私はこのボトルに関してはカナダ産であるという確たるソースなんて見つけちゃいません知りません。
あと急に新サマーライから「サマーライはサムライが語源」みたいなことを言ってる人が増えていますが、急にと言うぐらいなもんで私は初耳でございますからして知りません。
だからさ、
そういうのはいいのよ、もう。
マジで。
んで、どうしたもんかね、このボトル。
上手して落とし込めるカクテルでも探してみるより他あるまいなぁ。
来たれ!怪我の功名!
さて、
罪を憎んで酒を憎まず。
スピリッツが意味するところを慮ればあまりにも不遇。
なんと哀れな魂よ。
せめてこの手で昇天させてあげましょう。
今、私はかっこいいことを言ってみたんだよ?
そうなんだよ?
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カーサミーゴス・レポサドの再入荷に際してなんとなくついでに購入していたのでご紹介しておきます。
「カーサミーゴス・メスカル」
一見すると陶器にも見える特徴的なマット仕上げのボトルはプラモデルを嗜む人間からすると湿度高めの日に艶消しクリアーを吹き過ぎてしまうと起きがちな塗装フィニッシュのあるある過ぎる失敗例にしか見えないから困りもの。
ほぼほぼの酒屋さんでは商品名にさらに「ホベン」とつけてご紹介されていますが、これはテキーラで言うところのブランコに相当する意味合いなんですけれども当のオフィシャルでは単にメスカルとしか名乗っておられないのでウチはそちらに準じておきます。
「ビジネス抜きだからこのネーミングにしたんだぜ」という立ち上げ当初のコメントも虚しく成功報酬も別途で満額頂けた暁には総額10億ドルというとんでもない金額でディアジオにブランド権利を売り払ったジョージ・クルーニーとご友人が今頃何を思うのかは知る由もありませんが、新生カーサミーゴスより2018年頃から発売されていたメスカルでございます。
蒸溜所が変わったわけではないのでまぁまぁ良しとしておきましょう。
そもそもメスカルってなによ?って方のためにまずはここからざっくりと。
メスカルとはメキシコでリュウゼツラン(アガベ)を原料にして作られる蒸溜酒の総称です。
その内にあってもブルー・アガベことアガベ・テキラナ・ウェベル・バリエダ・アスル(アガベ・アスール・テキーラナ)とか名前は面倒なんで覚えていただかなくて結構ですが、とにかく唯一の特定品種を半分以上使用し、かつ限定された地域で作られたモノがテキーラ。
比べてメスカルであれば使用可能な品種は50種以上となり製造可能地域も倍近くとなれば、メスカルというカテゴリーの中の選ばれしエリートこそがテキーラである、という認識で概ね間違ってはいません。
製造工程に関してを言うと大筋では共通していますがメスカルのほうが総じて使用するアガベを激しめにローストする傾向があるのに加え、あらゆる段階であらゆるモノをブチ込んでみたりみなかったりするも可能な自由度のおかげでスパイスやフルーツぐらいならまだしも、虫とか肉とかまで使ったようなブッ飛んだ銘柄も中にはあるので、
そういったキワモノの存在も相まっていよいよテキーラよりもやんちゃな、まるでドブロクといった印象も強いでしょう。
んが、
生産者側としてはあくまでも原産地呼称制度に基づいた区分でしかなく、テキーラはテキーラ、メスカルはメスカル。
国を挙げて天はメスカルの上にメスカルを造らず的精神をアピールされていますので大人の対応をしておいてください。
お叱りを承知でぶっちゃけますと正直一昔前まではあまりBarで取り扱われることも無いテキーラの下位互換たる安くて雑な印象の酒でした。
これは決してディスっているのではなく、そこが個性であり魅力であったということです。
しかし、幸か不幸か近年は世界的なテキーラブームによる需要過多の折、その制限ゆえに増産もままならないテキーラに代わってメスカルを売り込みたい各メーカーさん方が躍起になっておられるので数も種類も見かけることが多くなってきましたが、
やはり引っかかるのは以前では考えられなかったこのカテゴリーの値付けとしてはバグっているとしか思えない高額な価格設定でございます。
昨今は珍しくもなくなりましたがモノは言いよう、とでも申しますか、その他酒類でもお馴染みの「はいはい、クラフト、クラフト」的なノリのやつのやーつですね。
さて、当該ボトルに話を戻して、肝心のテイストにつきましては、同ブランドのテキーラと比較くしてもご多分に漏れず実にメスカルらしいという印象が、すでに途中で使った「雑」という表現では怒られるとするならば野性味あふれるパンチの効いたとても刺激的な仕上がりとなっております。
とりわけスモーキーフレーバーが特徴的ですので「うわぁまるでテキーラのアイラ系やぁ」みたいな俗っぽい表現でもしておきましょう。
オフィシャルで開示されている製造工程の説明を見てもローストに4〜6日、発酵にいたっては季節に応じてと前置きしつつ2〜8日と、やたらに各所で「〜」が使われていることからも推測するに、とにかく目指すべきアク、もとい個性を獲得できるまではとことんギアを上げていく方針なればこそのこの味なんじゃないかな?と。
クセが強い系あるあるの典型はハマれる人にはたまらない、しかしゆえに好き嫌いが分かれるボトルだと思います。
それでも珍味の類やアクロバティックな製法を取り入れているわけではないので、あくまでもメスカルとしてはで言えば品の良い部類とするとメスカル入門にもいいのかもしれないのかもしれないけれどもゴメンねだってアタイも正直そんなにメスカル経験が豊富ってわけじゃないからそこいら辺りはよくわからないの。
飲み方としては公式さんがやたらにカクテルを推されていますが基本はそのまんまなんじゃないですか?やっぱり。
テキーラではないからこそわざわざカバジートを用いずとも小ぶりなオールド・ファッションドにストレートで十分でしょうが、毎度のセットをご所望とあればそのように。
お高いお高いと言ってもウチではその他スピリッツ系やカクテルと同じくして一杯売りのスタート値でご提供いたしますので試してみたい方はどうぞ。
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【第1きゃっきゃ事由】
何をどうしてそう思い込んでいたのか?
頑なに今年は映画エイリアン公開から40周年だと勘違いしていました。
40周年は2019年にすでに迎えております。
今さら探してみたところで40周年記念アイテムなんて残って無いんだろうなぁ、と諦め半分で検索してみたところ存外色々ありましたんでTシャツを買ってみました。
ウェイランド・ユタニ社のロゴも眩しいノストロモ号のクルーTシャツですのよあらやだ素敵、と喜んでいたらオマケでステッカーやらショップのポストカードも同梱されていて、
シネマ系グッズの制作販売メーカーってことでコレはアレですね、シャイニングのオーバールックホテルのカーペットの柄ということは、つまり我が家のトイレのマットと同じ柄ですね。
なんとなくこういうのは嬉しいものです。
【第2きゃっきゃ事由】
いいなぁ、と一目惚れしたスニーカーがありましたが存在を知ったのが発売からすでに1年近く経ってからだったのでオンラインショップはもちろん実店舗にも3軒ほど足を運んでみたものの時すでに遅しで完売していました。
そもそもえらい人気アイテムだったご様子でネット上じゃあ妙なプレ値までついてるし、再入荷の通知依頼はしたままですが正直なところ諦めムーブでそのこと自体を忘れかけていました。
つい先日。
てか昨日。
表参道界隈に野暮用があったものですから通勤がてらに立ち寄った際、そういえば家からも店からも近過ぎて逆に来たことがなかったけどココいらにも件の系列ショップがあったな、ちょいと行ってみようかな?と。
店内に入るも案の定、例のスニーカーがあるはずもなく、まぁまぁすでにそこは期待なんてしていなかったのですけれども。
未練がましくかろうじて同系のカテゴリー商品を眺めていたらば店員さんが「何かお探しですかー?」と。
「いやー以前販売されてたアレ系のヤツが欲しいんですけれども、そもそもアレってもう再販とかされないスかねぇ?」
「アレ、実は店内には置いてないんですけど今の今なら一足だけあるんですよー」
「!?」
「お客様だとサイズちょうどかもですねー。お持ちしてみますかー?」
「!!!今すぐ持って来て来てみてみてみいやコラー!!お?コラーーー!!」
「少々お待ちください・・・お待たせいたしましたこちらでございm「買う!くれ!はいもうオレのー!これオレのやつー!ピーキー過ぎてオマエには無理のやつー!ヒャッハーーー!!」
というわけで買いましたわーい。
帰って来てから調べてみましたが当該商品はどこを見ても相変わらず存在しないことになっているし再販通知も生きたままだけどメールは来てないし。
たまたま取り置き分が時効とかキャンセル?のタイミングで来店できた、とか?
一体どういうシステムで何のチカラが働いたのかはさっぱりですが、まっいいか。
そんなこんなできゃっきゃ言うとります。
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ゴールデンウィークなる言葉は映画業界を由来とする説が有力であるならば、せめてこの期間にそれらしい時間を過ごしてみるのもまた一興、
などといういかにも取ってつけたようなきっかけはたった今思いついたわけなのですが、
帰宅後「なにか新作ないかなー?」とhuluを眺めていたら今さらなぜかこのタイミングで「ゴッドファーザー」が新着になっていたものですから「あら懐かしい」と久しぶりに鑑賞してみた感想は「3時間は長いよ」でした。
そういえばレンタルビデオ店でVHSなる古の記録媒体を借りていた頃は2本組だったっけか。
ところで私はバーテンダーですので、せっかく「ゴッドファーザー」を観たのならばここでカクテルの「ゴッドファーザー」をスルーしてはいけないような気になってしまったのは近頃の怠慢な更新頻度に由来した罪悪感によるものだとしておきましょう。
が、
先に言ってしまうと特にお話しするような事もないグラスなのですよね、これ。
正確には語れるほどの情報が無い、でしょうか?
いや、そりゃ胡散臭いところはいくらでも出てくるのですけれども。
例えばこれに欠かせないリキュールの最大手さんが起源を主張していたり、起源と言えば海外の研究者ご一同様からは主張の全てが怪し過ぎると定評のある、その筋では有名な某バーテンダーが出て来たりと、毎度の賑やかさはあるものの、確たるソースは皆無に等しく、
信頼できる情報元は皆が皆、判を押したように出処不明と断言しているのでそらもう清々しいほどに得体の知れないカクテルってことでもまっいっか、と私自身も思っています。
「いやいや、小説なのか映画なのかはともかくとしても当該作品を起点として誕生したカクテルってことだけは確かでしょ?」と仰られる方がおられるかもですが、世間に広まった要因こそは揺るぎない事実でしょうけれども、誕生のきっかけとしては疑わしいと思っておりますし。
だってね、そもそもね、タイトルの「ゴッドファーザー」ったら誰を指しているかと言えば「ドン・コルレオーネ」こと「ヴィトー・アンドリーニ・コルレオーネ」のことですよ。
彼ったらイタリア系マフィアってもガチガチのシシリアン、つまりは南イタリアにあっても最南端に位置する南部の代表なわけで、そんな彼(作品)を表現するのにミラノのさらに北にあるサローノ村の特産酒なんて使いますかね?ってお話し。(イタリアの南北ウンヌンに関しては一介のバーテンダーが触れるにはセンシティブ過ぎるかもしれない問題を含んでいるかもしれないので自習しておいてほしいかもしれない)
「そこまで気が回らない自由の国の民とかが作ったんじゃないの?」「んなこと言いだしたらシシリアン・キッスなんてカクテルの立場はどうなんのよ?」と言われればそれまでかもしれませんが、
ワタクシ個人の見解としては、時代的にそれ以前から存在していた「ラスティ・ネイル」あたりを参考にした(名前ありきならアマレットを持ってくる深慮の無さの割にウイスキーをベースに据えるしたたかさ自体が怪しいという推理もあって)アレンジバージョンとしてすでにレシピは完成していたが、いまいち認知されていなかったところに映画公開を機にして改名を試みた安易な便乗野郎達が現れ、皮肉にも流行っちゃった、みたいな経緯。
既存の、しかしマイナーだったカクテルが大ヒット映画の出現により名前を上書きされちゃってブレイク説、ってのが一番しっくりくるかな?とか思っています。
思っているだけなので事の真相は不明。
全ては謎なのです。
でもなぁ、
「この簡素な組み合わせは1970年代まで試されることはありませんでした」
「映画を観て初めてピンと来たんです」
ってほうが無理があると思うのよねぇ、やっぱ。
語るべきが無いとは言ったものの、四の五のと中身のないお話を書き連ねてしまいました。
それ自体はクラシカルでシンプルで、とても良いカクテルですので機会がございましたら一度お試しくださいませ。
味と雰囲気に関しては古典的にして王道の素敵な一杯です。
個人的にはオレンジピールを、試された事が無い方はぜひ。
ところですごく欲しいのだけれども、流石に大き過ぎるのでサイズダウンしたの出してくれないかなぁ?馬の首マクラ。
あ、カクテルの話しだったのにレシピすら書かなかったけど、ま、いいか。
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2022年1月よりセブンイレブンで販売されている「にゅうめん豆乳胡麻坦々」にハマっています。
ハマり続けています。
私の生活圏内にはセブンイレブンが5店舗ほどありますが、内3店での取り扱いを確認しており、順繰りに購入して安定補充を継続していたのですが、異変が起こり始めたのは3月も終わり頃でしたでしょうか?
当該商品の認知度、ならびに類似商品の在庫状況等々、多角的に何をどう考慮してもあからさまに「にゅうめん豆乳胡麻坦々」のみを狙った買い占めが行われているとしか考えられない勢いで遭遇率が著しくダウンしてしまったのです。
どうやら生活圏を同じくする「にゅうめん豆乳胡麻坦々ライバル」が存在するようです。
よろしい、ならば戦争だ。
5月4日。
世はゴールデンウィーク真っ只中。
レジャーなのか、はたまた帰省か?
いずれにせよどうやら見えざる敵は戦場から離脱しているご様子。
なぜなら久しぶりにいつもの3店、その全てで「にゅうめん豆乳胡麻坦々」と会うことができたのですから。
バカめ!
今だ!
私の勝ちです。
毎度お世話になっているネットの酒屋さんで見かけたので購入したのですが、
欠片も知らない存在だったしどうやら日本語での情報は皆無なので、ようやくたまさか輸入業者さん(初めて聞いたどうやらワインが本業の会社さん)に見つかってこの度初めて日本にやって来たとかなのか?
はたまた単に私が知らなかっただけなのか?
いやぁまぁ、んなこた珍しい話でもないのですが、はたして世界にはこういうお酒があとどれくらいあるんでしょうなぁ、てなわけでコチラ。
「ラ・ゴロワーズ ジョーヌ&ヴェール」
古代ローマの時代から愛飲されていたエリクサーとも称される幻の酒は永らくその製法が謎とされていたが一人の錬金術師によって魔導書の中からレシピが発見され復活を遂げたのが1783年のこと。
以降は頑なに伝統を守り続けて今日に至りまするです。
というどこまで信じて良いのかいささか困惑してしまう御大層なヒストリーはともかく、歴史は古いようで少なくとも1889年のパリ万博の頃には商品化も安定して一定の評価を得ていたようです。
熟成年数が異なる上位互換の商品もあるようですが今回はスタンダードとなるノンエイジ(1年熟成)のものを購入してみました。
中身のほうはいわゆる香草系リキュールでジョーヌとヴェールなんてバリエーションでお察しの通り、DNA鑑定に出したらほぼほぼシャルトリューズってことでいいんじゃね?という結果しか出てこなさそうな感じの仕上がり。
申し訳ないがそんなもこんなも些末な問題に過ぎないのでどうでもいいのですよ、今回は。
肝心なのは、
そう、
名前。
「ゴロワーズ」なんです。
そのあたり?な方のために説明しよう!
ゴロワーズとは現在のフランスがフランスと呼ばれる以前にこの地方を示す古名として使われていた「ゴール」に生きた女性を意味しており、形容詞としては何と言うか陽気で性に奔放みたいな、サバサバ系エロカワ女子とでも言うの?そんなようなことを表します。
名詞というか商品名として世界中でも取り分け有名なのがこの名を冠したフランス生まれのタバコ「ゴロワーズ」。
当該ボトルは冠詞を置いた単数形であり、タバコのほうは複数形となっているので最後のSの有無といった違いはあるがどの道フランス語で語尾のSは発音しないので音も意味も同じなのだ。
そして我が国におけるゴロワーズの布教と浸透については一にも二にも氏を抜きには語れないという人物がいる。
それが「ムッシュかまやつ」こと「かまやつひろし」だ。
戦後の日本における音楽業界の中でミュージシャン、あるいはアーティストと呼ばれる存在としては始祖の世代のやんごとなきお方であるにも関わらず常に偉ぶることもなく、むしろあえての裏街道を模索し続け、ジャンルにとらわれない確かな実力をもってして己の美学と信念を貫きながら挑戦し続けた姿勢は多くの人からリスペクトされている。
フランスかぶれの遅刻常習犯だけどなぜか憎めない愛されキャラという人物像込みで。
氏の活躍は60年代のGSブームを経て70年代からのソロ活動へと続いたが、そんな中、1975年に発売され自身の最大のヒット曲ともなった「我が良き友よ」のB面に収録されていたのが今回のお題を含んだ楽曲「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」である。
売れに売れまくった「我が良き友よ」であったが、実は当時のフォークブームに乗っかる形で作られたという大人の事情が過分に関与しており、自身としては納得しておらず、せめてB面(当時のレコードは物理的に裏面があり、そこに収録されたカップリング曲はB面の曲と言われておったのぢゃよ)は好きにやらしてもらうぜ、という経緯で誕生した曲だ。
ならばよほどの力作なのか?と問われればご本人の残された言葉などから察するに、実はそうでもなかったらしい。
大見得を切ってはみたものの曲は一切できていない中、ファンだったファンクバンド「タワー・オブ・パワー」が来日していたのでとりあえずダメもとでレコーディングのバック演奏を頼んでみたらまさかのOKだったもんだから即席で作った寝ながらでも弾けるコード進行に(愛煙もしていたけど)ただただ語感が気に入っていてたまらなくその時使いたかったマイブームのワード「ゴロワーズ」をトッピングしてみました、というやっつけ仕事感の否めない作品であった。
楽曲自体、今聞けば一周まわってこういうのも全然アリなんじゃん?と思える仕上がりならば、周回以前の当時からするとなにしろ先走り過ぎていて評価は散々なものだった。
極めて少数ではあるが当時からしてフライング気味なディープでコアなファン、あるいは同業者にあっても感度高めな一部の者達を存分に魅了はしたもののそれに止まり、そうしてしばし永い眠りにつくことになったのだ。
時は流れて1990年代。
「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」はまさかの再評価を受ける。
80年代のイギリスのクラブシーンに端を発したとされるアシッド・ジャズを中心とした新しい音楽のムーブメントは後に渋谷系と称されるトレンドを生み出し、それらの手法の一つとして既存の楽曲をベースとしたアレンジ、またはサンプリングも特徴とあってはDJ達はこぞって過去の作品の中からお宝を発掘せんと勤しんだ。
そこで注目されたのがあの早すぎた名曲「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」だったのだ。
これを機に「ムッシュかまやつ」(1989年以降はこれが正式な活動名)自身の評価も再び高まり、特に若い世代の間では渋谷系の始祖たるを紐解けばムッシュこそがそうなのではないか?と言われるほどであった。
そんなわけで世代は違えど特定の年代の一部の人間には共通して胸のド真ん中に突き刺さってしょうがないキーワード「ゴロワーズ」は確立したのである。
もはや「ゴロワーズ」は煙草だの楽曲だのの縛りを超え、それ自体が象徴たる魔法の言葉、ロマンの代名詞になったと言っても過言ではないだろうが流石にちょっと盛っている自覚はあります。
翻ってワタクシのことである。
90年代のクラブシーンにあっては「渋谷系もいいけどアシッドならやっぱ京都じゃん?」などとのたまわりながらご多分に漏れず一時期とはいえ「ゴロワーズ」の紫煙と戯れていた私が、あまつさえバーテンダーなんてやっているわけですよ。
で、「ゴロワーズ」なんて酒を見つけちゃいました、と。
そんなもん、これを手に入れ「ゴロワーズって酒を飲んだことがあるかい?」と聞かずしてですよ?
何がバーテンダーなのか?と。
ええ、そういうものなのです。
バーテンダーってのは。
そうですとも。
知らんけど。
お付き合いいただければ幸いです。
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今を遡ること約6年前。
当時の広島の店に飲みに来ていた一人のお客さん。
「今は広島で会社員をやっているのですが嫁の実家が香川で和三盆を作っていまして、そこで出る糖蜜を利用して酒造りとかできないかなぁなんて思っているんですよー」と。
へーそうなんだー、できたらいいねー、がんばってねー。
と、初めは正直なところ話半分ぐらいで聞いていた夢物語りは次第に真面目な質問になり具体的な相談になり。
私が上京してからも店にちょいちょい足を運んでくれていた彼が、
ついにいよいよこの度とうとうマジのガチで蒸溜所を作ることになっちゃんたんだって。
わお。
すごいね。
今日も店に来てくれた彼曰く、本年度中に開業するまでの道筋はすでに概ね仕上がりつつあるそうなのですけれども、
だがしかし、
オマケの、むしろサービス要素で始めたクラウドファンディングのほうがいささか不調なんだそうで、
興味のある方は是非とも覗いてみてくださいませ。
よろしくお願いいたします。
“和三盆糖蜜”を使ったラム酒の蒸溜所を香川の新たな観光名所に!(美馬産業株式会社 2022/04/01 公開) - クラウドファンディング READYFOR
あ、そういやクラファンて初体験だわ、オレ。
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この度は、その界隈では名の知れたオフィシャルのブランドアンバサダーさんが直接店に営業へ来られたから、という理由のみで購入したボトルをご紹介するだけの回でございます。
割にそのへん律義なのですよ、ワタクシ。
というわけでコチラ。
「ブルックラディ アイラ・バーレイ 2013」
テロワールをテーマに蒸溜所のあるアイラ島内で栽培された大麦のみを使用して作られた、言わばブルックラディの真・地酒バージョン。
え?そもそもシングル・モルト・スコッチなんてその土地土地で作られる地酒なんじゃないの?と疑問が浮かぶ方がおられるやもしれませんが、法律上ウイスキーそれ自体の「製造工程」並びに「熟成」に関する場所の縛りはあるものの「原材料」の出処についてはおおらかなもんで、実際ラディが斯様な商品を特別なモノとして出すってことは今現在のシングル・モルト・スコッチとは、つまりそういうことなのです。
あくまでも心象によるところが大きいのですが、例えばの話し、これが日本酒だったらどうでしょう?
新潟の酒です、米は輸入米を使っています、って聞いたらさ、どう?ってお話し。
「べつに」と言われればそれまでですし、「なるほど」と思われた方はそれで実際何がどう変わるのか?はたまた変わらないのか?につきましてはご自身でお確かめくださいませ。
あまり長くなりますとついいつもの癖で余計な事まで言いそうなので本日はこれにて失礼。
割にそのへん律義なのですよ、ワタクシ。
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本日はエルデンリングのトロコンを目前にして、いい加減に酒の事でも書いておかねばという謎の強迫観念にかられて馳せ参じました技量侍ことサヰキです。
そんな動機なわけですからして正直を申しますればまったくヤル気はないのです。
取り分けてもいよいよな状態のウイスキー事情ですよ。
怒りと悲しみと愛しさと切なさと心強さを通り越してもはや無ですよ。
無。
ねぇ?知ってた?
今の今、Barにふわっと行ってさ、しれっとオフィシャル・スタンダードのマッカラン18年なんて注文しちゃうとするじゃない?
1万円とか取られかねないんだぜ?
どんな世界線だよ?
とまぁ文句ばかり言っていても始まりませんのでハイこちら。
「ブラックボトル スタンダード&10年」
先月末に発表されましたワールド・ウイスキー・アワード2022において、当然のごとく話題の中心になっているのは最高金賞を受賞したジャパニーズのお歴々なのですが、そんなもんは激レア以前にバカみたいなお値段がするのでお好きにやっててくださいな、と。
今回ご紹介するのは激安ボトルにも関わらず同大会のブレンデッド・スコッチ部門においてブラインドテイスティング審査の末にうっかり金賞を受賞してしまったことにより一部関係者をザワつかせているとかいないとか、という代物。
正確を言うと総合優勝をしたのは同銘柄の別バージョンなんだけど、スタンダードはブレンデッド・スコッチ部門で、10年は同カテゴリーの12年以下の部門でそれぞれ金賞を受賞、ってこの大会、区分が細かいやら多いやらでナニがどのようにどうスゴイのか?結局最強は誰なんだよ?ってのが分かりづらいったらありゃしないんだけど細かいことは気にしちゃダメ。
兎に角、お安いのになんだか偉い人達に褒められたボトルらしいよ、ってことだけ押さえておいていただければけっこう。
で、中身のほうなのですけれども、当該ブランドは1879年に誕生して以降、どこぞの不幸キャラも真っ青な勢いで親戚の家をたらい回し(親戚ではない)にされたおかげで名前こそそのままながらレシピと製造者も二転三転どころじゃなく変化しております。
結果、今現在は南アフリカで作ったスリーシップスなるウイスキーで同大会の2012にはすでに入賞を果たしているディスティル・グループの傘下にあり、現在のスタイルは2013年以降に確立されたもので、いちおう一周回って原点回帰を謳ってはいますが、もはやオリジナルの完全新規レシピと言ったほうが良いでしょう。
いたってオーソドックス。
まぁまぁ今時のブレンデッドつったらこんな感じで正解なんでしょうなぁ、って感じ。
てかさ、そもそもなんだけどさ?
コレに限らずよ?ウイスキーよ?ウイスキーの話し。
あれ?ウイスキーってさ、こんなんだったっけ?
などという素朴ながらもついでにさらっとぶっ込むにはあまりにも重た過ぎる根源的な疑問はさて置いて、
その昔の一時期にはアイラモルト全部乗せを売りとしたやたらにピーティーなスタイルに舵をきっていたりだとか、実際今大会で最優秀賞を受賞したボトルがピートマシマシの限定バージョンだったりするので、今だ巷ではまるでアイラ系の権化みたいな紹介をされている場合がございますのでご注意を。
なにしろこんなご時世ですからして早速の品薄&値上がりも懸念されるのであれば、
手軽に試せる今もっとも評価の高いボトルの一本として、ま、言わば教材的に?よろしんじゃないでしょうか?とご紹介させていただきました所存にございます。
よし!
仕事した!
]]>
いつもならばゴールデンウィーク中にはまとまったお休みをいただいておりましたが、
この度はしれっと通常営業しておこうかなぁ、とか思っております。
店を開けてみたところでどの道ヒマはするのでしょうけれども、だってほら、ねぇ?
不可抗力とはいえこれまでさんざ休み倒して来た手前、流石に後ろめたいというか申し訳ないというか、さ。
そんなわけでよろしくお願いいたします。
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私という存在は他者による印象と評価によって定義づけられるものとするならば、自称本分としているはずのバーテンダー業務を差し置いて頂戴する、露骨な好感触と圧倒的支持率を鑑みても、まずはこのご挨拶から始めさせていただきましょう、
こんばんはナポリタン職人です。
本日はそんなナポリタン職人からナポリタンラヴァーズの皆様に嬉しいお知らせです。
私のナポリタンには欠かせない食材として長年愛用させていただいていた宮本産業様のソフト麺。
広島にあっては数少ない取扱店舗を探してさまよい、東京に来てからは流石に見当たらず直接メーカー様から取り寄せる際、電話口にて「は?渋谷ですか?」と訝しがられながらも使い続けていたあのソフト麺です。
残念ながら2020年7月に起きた熊本豪雨災害の影響による同社の廃業に伴い入手困難となってしまっていました。
以降は出雲の業者様から代替品を取り寄せ使っていたものの、
これもまた厳選したとはいえ正直を言えば妥協であったことは否めず、もう二度と「あのナポリタン」は再現できないものと諦めていました。
が、しかし、
この度長崎は島原の麺食品製造メーカー小川屋様の手によってオフィシャルな継承・復刻版製品がパッケージデザインもそのままに発売されました。
おめでとうございますありがとうございます。
そんなわけで早速取り寄せてみましたが、これはもう完全復活と言って良いでしょう。
あのソフト麺、再び、です。
重ね重ねおめでとうございますありがとうございます。
いやぁ、ナポテンダーの腕が鳴るってもんだゼ。
ナポテンダーってなんですか?
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悩み続けて1ヶ月。
予約締切まであと1時間。
モノが良いのは分かってるけど前のカーリー様で分かったろ?
思い出したんだろ?
手元に届いてから、それで今どうしてるよ?
結局オレは、デカいフィギュアって持て余してしまうじゃないか。
だから封印してたんだろ?
「3」のルールを制定したんだったろ?
初心を忘れるな。
カッケーよぉ。
欲しいよぉ。
だが、しかし。
愛されるよりも愛したいマジでだから愛しきる自信が無いなら手を出さないマジで。
はーはー…
公言してしまえば迷いも消える、はず。
買わない!
オレは買わないんだ!
くっ…ぐはあ
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アルバイトとは、こちらのメーカーのオーナー様方限定で開かれたイベントの一環として、おこがましくもウイスキーのセミナー的な催しを取り仕切らせていただいたのでしたありがとうございました。
車にはほとほと疎いので詳しいところは分かりませんでしたが、聞いた限りでは合体・変形なんて当たり前にこなした上でビームぐらいは当然出せなきゃおかしいぐらいの、
ともすればはたして本当に車なのかすら疑わしいようなお値段でしたので、
兎に角きっとものすごくすごくて強いのだと思います。
おびただしい数のテイスティンググラスを洗っております。
これはなにかと申しますれば、今週末某所で執り行われるのっぴきならないパーリーにてウイスキーのテイスティングに興じられるやんごとなきお歴々を前に、講義とまでは大袈裟でないにしろ漫談の一つでも披露してくれまいか?などという身に余るご依頼を僭越ながら私ごときが頂戴仕りましたので、その準備をしている様子にございます。
そんなところに一介の野良バーテンダーがお邪魔する様子はそれだけでネタ的に面白いだろうと受けてみたのですが、
どうやら本気でちゃんとしなきゃな案件ならば、コンプライアンス的にも迂闊なことは口外しちゃダメっぽいご様子ですからして、
思わせぶりで匂わせチックな表現は申し訳。
可能ならば当日、現場写真の一つでもゲットしてきたいなと思います。
さて、いつもの調子でうっかり毒など吐かないようにしっかり猫を着込まねば。
大人なんだから。
リアルに。
こんばんは、昼夜を問わず気がつけば今日も王の座を目指して狭間の地にて魔物を狩り続けている男、サヰキです。
だもんで私は何者かと問われれば現状揺るぎなく褪せ人であり、その素性は侍なわけです。
あれだけ毎日オープンワールドを西へ東へ駆けずり回っていたら、そりゃもう立派なアウトドア派ですよえっへん。
だがしかし、否応なき黄金の因果律には逆らえない愚かなる人の身であることもまた事実ならば、この度いよいよ社会という名のリアルに異世界転生することと相成りました。
バーテンダーにジョブチェンジせねばなのです。
バーテンダーって得意武器なんだったっけ?
カタナ使えた?
大剣?
なにやら頭が混乱しておりますが【3月22日より営業再開】いたしますのでどちら様も宜しくお願い申し上げます。
さておいて真面目な話、このタイミングでとんでもな外仕事の依頼とかも舞い込んで来たりで、なんですかね?急にわちゃわちゃしだして、もうちょっと配分?っていうの?あんだけヒマしてたのにさぁ、とか言っても始まらないし、それはまた別の話しなのでまた今度。
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