20120101
- 2012.01.01 Sunday
- 00:00
「流石にこんな日のこんな時間じゃ街に人なんて居ないですね、外、完全に無人ですよ」
「そりゃそうだろうよ」
「でも、ここの看板だけはいつもと変わらずについてて、真っ暗な中に一軒だけ、なんかイイっすね」
「こんな日のこんな時間に来るお前みたいな馬鹿がいるから、そりゃ俺も馬鹿をやらないわけにはいかないだろ?」
「こんな日のこんな時間にBarを求めるオレ、カッケー」
「こんな日のこんな時間にBarやってる俺、カッケー」
「いや、オレのがカッケー」
「いや、俺のがカッケー」
2012年1月1日 午前2時 Barサヰキ 始まりの会話がコレ。
嫌いじゃないからタチが悪い。
に、しても、
去年の最後の客がバーテンダー。
今年の最初の客がバーテンダー。
で、ひとしきりくだらない話を転がした後で、新年早々、早朝まで何をやってたかと言えば、
「考えろ!そして何よりやってみろ! チキチキ酒のウソ・ホント検証大会」
内容は長くなるので別記するとして、
どうでもいいけどここ一週間ばかり、8時までに帰った試しがないんだが。
いよいよ営業時間考え直すか?
現状、データだけ見れば、夜9時オープン・翌午前10時クローズで金曜日定休がベストっぽい。
何か大事なモノを失いそうで怖い。
一般のお客様募集中です。
しかし、ただ待ってるだけでは仕方がない。
私にできることを、私なりに、と考えつつ、
気づいたら「数の子」と「鴨ロース」を仕込んでいました。
これは、正解ですか?
もう、分からんのですよ。
でも作っちゃったものは仕方がない。
そんなわけでお正月にご来店のお客様にはもれなく新春サービスチャームが付いてきます。
お嫌いな方は手を挙げて下さいませ。
正直、鴨はやっつけだけど、数の子のほうは若手バーテンダーでも、
「味付け料理」に慣れすぎて、「ダシ」の意味とか「旨み」と聞いてもピンとこないヤツは食っといたほうがいいと思うよ。
「意外と暇だよね、正月って」
と言う人のために頑張ってブログをご提供いたしませう。
べ、別にワタシがヒマだから書いてるわけじゃないんだからねっ!
ん?ツンデレになってないし・・・。
「美味しいお湯割りの法則」
NHKの「ためしてガッテン・焼酎のウワサ お湯割り大論争」でも紹介されたので、ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、
美味しいお湯割りを作りたいならば、「酒を湯で割る」より「湯に酒を入れる」ほうがいい、という話。
酒は高温に触れると、その中に含まれる刺激的な芳香成分やアルコール臭ほど先に揮発する性質を持っています。
ワインで言ったらオリ。
鍋で言ったらアク。
内包されるマイナス要素であり、単純に嫌な香りほど立ちやすい、と。
よっぽど酒に強い人でもお湯割りのそれと対峙しては「うはっ」と顔をしかめるのはそのため。
ぬるめのお湯で割れば解決できるにしても、熱いのが良い、
それでいて美味いのがいいというわがままにも手軽に対応できるのが、
お湯を先に入れたグラスに後から酒を注ぐこの方法。
それだけのことで違いが出るメカニズムは以下の通り。
仮に100℃のお湯でお湯割りを作る際、
酒を先に入れ、後からお湯を注ぐと、
酒はお湯を注ぎ終わるまで、100℃のお湯に接していることになります。
注がれるのは常に100℃のお湯ですから、ずーっと100℃攻撃にさらされる、と。
逆に、お湯を先に入れてから酒を入れると、
最初に注がれた酒は100℃のお湯と出会いますが、
後のほうになれば段々温度が下がり、100℃以下のお湯に注がれることになります。
この為、先にお湯を入れてから酒を注ぐと、
嫌な香りの立たないおいしいお湯割が出来るという訳です。
厳密にはその他、熱対流がウンヌンなどの作用もあるのですが、細かいところはまぁいいでしょう。面倒だし。
九州南部では焼酎の湯割りを作る際の常識とされてるようでして、
焼酎を先に入れようものなら豚骨ではっ倒される、かどうかは知りませんが、
それにしても件の番組でも検証されていたのは焼酎の湯割り。
「後入れ」ならアルコールの揮発率が1.3倍も違ってどーのと言われても、だいたい全体量の半分近くが酒で、しかも度数的には30度以下といったアイテムでの実験。
はたしてこれがBarでよく作るホットドリンクにも通用するのか否か?
どうしよう?
やってみよう!
どうでもいいけどネットで検索してみると「て言うけど変わらんよ」「そんなのどうでもいいじゃん」て文字がチラホラ。
やれよ?やってみてから言え?な?
で、30mlのウイスキーを3倍量・100℃の湯「で割る」or「に注ぐ」で検証してみたところ、
ぜんぜん違います。
圧倒的に「酒を後入れ」のほうが美味い。
再びネット上で、「大した違いは無い」とか書いてる方、検証してないのがバレバレだ。
美味いか否かは個人の感想にしても、本当に違わないと感じたなら味覚障害だ、病院へ行け。
努力も労力も無く「オレの言うこと絶対!」「オレマジtueeee!」言ってんな。
知らないことは知らない言え。
分からないことは分からないでいいだろ?相手が知らないのをいい事にオレが言うんだからコレはこうなんだ!とか言うてんな。
いい加減、有り得ない嘘理論でお客様を洗脳してんな。詐欺師以上に詐欺師しててコエーよ。
いつの間にやら取り返しのつかないとこまで堕ちてないか?この業界。そもそもなぁそういうバーテンダーが・・・・、
いや、失礼。
さぁ、早速家族団らんのコタツで「美味い湯割りの作り方知ってっか?アハーン?」と自慢しましょう。
ママさん、年明けからはこの作り方で「アタシのお湯割りのひみちゅ教えて欲しい?」と、お客さんのハートを鷲掴み。
バーテンダーは絶対に自分で検証してみてから実践すること、マジで。
ちなみに、来店いただいてお湯割り作成をご覧になられてるお客様なら知ってのとおり、
当店では上記いずれの方法も使用しておりません。
私なりにベストと思う、もうワンランク上の美味しくてまろやかを作成したいので。
もちろん、それはあくまで「私なり」なので、
「むせるほどに立ち昇る酒のパンチに責められたい」というハードプレイがお好みのマニア様には、
お申し付けいただければ対応いたしますのでお気軽にどうぞ。
そういえば、言い忘れてましたけど湯割り系の提供法が変わりました、ウチ、年末あたりから。
わざわざ説明するほどのことでもないので興味がある方はオーダー下さいませ。
正月ってだけでテンション上げられる「無邪気」な大人が多いようで、
「頭は子供、体は大人」という逆コナン君とでも申しましょうか。
しかしながら、その行動はまさに「邪」で、
昨日は電車出勤したのですが、
元旦から車内で発生したトラブルの御陰で自転車でも1時間かからない道のりを2時間近く有してみたり。
その後も店に到着するまでに、
あっちで「ヒャッハー!!」
こっちで「WRYYYYYYYY!!」
そのいずれもが、私は傍観者の立場にあって、直接的な被害は無いにせよ、
なんか、ね、ヘコみますわ。
いっそ流川界隈まで来てしまえば普段よりむしろ静かで落ち着いた雰囲気なのですが、
そういうアレに対する遭遇率が、たまたま私だけ高いってことなら良しとして、
皆様も流れ弾に当たらぬよう、くれぐれもご注意くださいませ。
おまけ 年末年始のエンタメまとめ(私的)
●紅白の勝敗ってそんなに重要な要素なの?真央ちゃん好きだからいいけど。
●どうした「バーテンダー」?城さんキレたのか?
●42歳までならチャンスありと思っていいのだろうか?経済力と格なんだろうな、でも。
とりあえず今からEXILEになるにはどうすれば良いのか考えてみよう。
●期待を裏切りませんね、逆にね。
ブランデー+カカオリキュール+生クリームで作る甘口クリーム系カクテルの王道。
アレ「ク」? アレ「キ」?と、たまに聞かれますが、世間的にすごく漠然とおぼろげながら、
「ク」の方が本来というか通っぽいニュアンスはあるものの、
どっちでも良いと思います、そこは。
そのケタ違いの凄さは孔明とサイヤ人を足したような反則っぷりでお馴染みのアレクサンダー大王ことアレクサンドロス3世由来ではなく、
本当はアレクサンドラ王女が起源だよ?とか、
「アレクサンダー大王」 「アレクサンドラ・オブ・デンマーク」
飲みやすいけど結構強いって流れで必ず出てくる映画「酒とバラの日々」にまつわるエピソードなど、
「酒とバラの日々」
珍しくwikiのそれだけ知ってればいいんじゃないですか?ぐらいに記載されているので詳しくはそちらをどうぞ。
ネットに頼りすぎですね、スミマセン。
で、その中でも「さわっ」と触れられているキーワード「ナツメグ」を中心にイジってみますか?どうですか?
はい、イジります。
「ナツメグ」
「これが本当のアレクサンダーなんですよ」と、
最後の仕上げにナツメグを振りかけるバーテンダーが今現在この日本にどれほど生息しているのか、
正確な数字は把握してないものの、私も何度か遭遇したことはあります。
確かに古いレシピ、あるいは逆に新しすぎるレシピを見ると、
プラスナツメグと表記されているモノが多いのですが、
元来なぜナツメグか?を追求すれば、
これはその昔、生クリームの質が悪くて生臭かったからなのに加えて、
この乳製品に不慣れな人が多かったために用いられていた処方であり、
言葉は悪いものの、言ってしまえば「誤魔化し」だったわけです。
料理やお菓子を作られる方ならよくご存知のとおり、
ナツメグなる香辛料は基本「臭み消し」を目的として使用されることがほとんどです。
で、現在の生クリームの品質にこれが必要か?と考えた際、答えは「NO」だったので私は使用していません。
もちろんテイスト的な好みも踏まえて。
それでもナツメグの持つ独特の風味が私のアレクサンダーには必要なのだと言うバーテンダーさんがおられれば、
そこは目指すべき完成像に対する表現の違いということでなので他言するつもりは無いのですが、
「これが本物」とか「元来」と添えられる方には、根拠になっていない部分をどう説明するおつもりなのか、是非お聞きしてみたい。
加えて、
と、言うよりここからが重要。
そもそもこのナツメグ。
少量ならば健胃作用もある薬草的存在ですが、肝臓への負担が懸念される代物な上に、
5gも摂取すれば幻覚作用が、10gも摂取すれば卒倒してもおかしくない危険物にしてその筋では有名かつ立派な天然ドラッグ。
酒という肝臓に負担かけまくりな飲料に、ましてやおかわりされる可能性のあるカクテルというアイテムに、
あえてこれを用いる意図は、私には解りかねますが、
知ってるんだよね?
知っててやってんだよね?ねぇ?
ねーーーーー?
実際、東京の某Barでアレクサンダーをオーダーした際に、
殺意としか考えられない量と勢いで得意げにナツメグ振りかけて、
「アレクサンダーにナツメグも用意してないBarなんてちょっと考えられないですね」と言われた時には、
生きてこの店を出られるのだろうかと不安でしたが、
まぁ、そんなもんなんです。
取り扱いアイテムが酒じゃなかったら食中毒どころか重大な事故を起こしかねないレベルの知識と経験でも、
それらしい演出とハッタリだけで「凄いかも」と思わせることが可能なのも、悲しいかな、Barの現実ではありますので、
お客様の方が知恵をつけて、華麗に危険回避できますよう頑張ってください。
頑張ってください?
はい、頑張ります。