雨粒ていどでは冷ませぬ火照りを抱えさ迷う愚者の独白

  • 2012.03.04 Sunday
  • 22:00


時々世の中から物凄く避けられているんじゃないかと思うことがあるのです。


そこそこ混んでる小雨まじりの日曜日の朝、と言うより昼に近い電車内。


なぜか私の座っている列の席だけは貸切状態。



いいだぜ?座っても。


こっち来いよ?


てか来てください。


お願い。


それでなくとも初対面の人に「はじめまして」より先に開口一発「何か嫌い」とか言われたことが結構あって、


いや、それは逆に言わせてもらえれば、相手が誰であれそんな暴言をいきなりかませる失礼さんとは、


どう頑張っても理解し合えない予感しかしないのでむしろ嫌われて結構なんですけども、


無言のうちに遠巻きにされると精神的なプレッシャーが大きいので、


え?オレ何かした?


そりゃ確かにさっきまで飲んでて、


久しぶりに調子に乗って制御棒が外れたもんだから、


えーと、


なんで3メートルぐらいの壁をよじ登ってたんだ、俺は?


それからさっきまで居たあの家は一体どこなんですか?


何人か捕まえて腹筋さわらせて「オラ!硬いって言えよ?」とか喚きながらなかなかのクズっぷりをさらしてたような?


楽しかったからいいんだもん、ね?


でも電車に乗る前に顔洗ってうがいもして、今はちゃんと良い子して座ってるし、


駄目?


ってこの状況を証拠写真にでも撮ってブログのネタにしよー、などと考えていたら、


この後すぐ、二駅先から乗り込んできた二人組のおばさまにからまれて、


年齢当てクイズの材料に始まり、


果てはいい年の男が昼間から酒を飲んでるとは何事かという説教に至るまで、


執拗にイジリ倒されることになろうとは、


この時はまだ知る由もなかったのでした。


一部の方からは初手からグイグイ来られる具合が尋常でないのも確か。


早い話がからまれ体質と言うか、


これを良くも悪くも個性として受け入れるウンヌン以前に、

それは何か接客業としては致命的な欠陥である気がしないでもないような気もしたりしなかったりするなんて、


言わないよ絶対。

続・カンバンのラプソディー

  • 2012.03.06 Tuesday
  • 19:00

 


おいっ!


押すなよっ?!


絶対に押すなよっ?!


押しちゃ駄目だからなっ!?

キューバ・リバーとラム・コーク 1

  • 2012.03.07 Wednesday
  • 18:00

 「キューバ・リバー」


「キューバの自由」の意を持つこのカクテルは、英語風に発音すると「キューバ・リバー」。


スペイン語風ならば「クバ・リブレ」となりますがどっちでも通じます。


その誕生の背景には政治的要素をたっぷり含むため、ざっくり話を進めますが、


1898年までスペインにジャイアンされてたキューバのバックにアメリカがドラえもんして独立戦争に勝利し立国万歳。


その時の相言葉が「ビバ・クバ・リブレ」=「キューバ!自由!やっほい!」だったと。


で、その前後に誕生し飲まれていたとされるのがこのカクテルということで、


それなりの歴史と史実を内包した存在ではありますが、


今現在、世界的に標準とされているレシピを見てみると、


キューバ名産のラムをアメリカの象徴コーラで割って作る、


という最重要要素は揺るぎないにしても、


つまりは「ラム・コーク」のことだよ?というのが一般的。


近頃の日本でも「キューバ・リバー」=「ラム・コーク」あるいは別名という認識が支配的で、


某サイトの知恵袋あたりでも「両者は同じもの」という回答がベストアンサーだったりするわけです。


某ペディアにおいても「ラム・コーク」にライムかレモンが入ると「キューバ・リバー」じゃね?


ぐらいの解説がふわりと載ってたり。


ド素人どもが。


失礼。


そこはそれ、Barでバーテンダーに注文されたし。


こと日本のBarにおいて、両者は全く異なるドリンク。


その違いに関しても講釈が聞きたいとあらばそこはパシッと、


ビシッと、


ズバッと・・・、


だったはずが、そうでも無くなりつつあるんですな、これが。



少し前、そしてつい最近にもあった話なのですが、


「キューバ・リバーもラム・コークも同じじゃないですか?」なんて質問を若手バーテンダーからされたりして、


おじちゃんは悲しいよ。



ラムとコーラは大前提にしても、


日本に伝わり広まった最初期の「キューバ・リバー」のレシピで最も重要なのは「ライムとマドラー」の有無。


大きめ(最低4分の1)にカットしたライムとラムをグラスに入れ氷とコーラで満たしてマドラーを添える、


というのが原型とも言えるレシピです。


先に説明したとおり、今でこそ国内外でラムとコーラさえ使っておけばいいという風潮ですが、


微妙に差異はあるにせよ、残されている古いレシピを並べ紐解き検証してみても、


ライム果汁と果皮のオイルという存在、これを「ラム・コーク」に加味することこそが、


このカクテルには欠かせないポイントであったのは確かです。


と言うか、そうでなければそれこそただの「ラム・コーク」ですし、


そもそも、わざわざ、「ラム・コーク」ありきのところから「キューバ・リバー」が発生したことを考えれば、


両者が同じものの訳が無い。


言い方を変えれば「ラム・コーク」の別名が「キューバ・リバー」になった訳ではなく、


ライムの果汁とオイル、さらに時勢のエピソードを踏まえて創られたのが「キューバ・リバー」なのです。


これを尊重した古い、といっても年季物というほどのことはなく、


常識的、模範的、当たり前な日本のレシピは「リッキースタイル」という手法をチョイスし紹介されていました。


リッキーさんが自分の好みの酸味でジンのソーダ割りを飲むべく始めたとされるスタイルで、


ジン&ソーダの中に沈められた大ぶりカットのライムを、添えられたマドラーで潰しながら飲む、


「ジン・リッキー」を起源とする処方を「ラム・コーク」に応用したカタチ。


これならば原型にして「ラム・コーク」との決定的な違いたるライムの果汁+オイルを存分に活かせるというもの。


つまり日本で言う「キューバ・リバー」とは「ラム・コーク・リッキー」のこと。


加えて、と、これは昔読んだことのある玉石混交エピソードの内の一つ、プラス私的な推測ですが、


飲み手が自らの手でライムを潰して好みの味に仕上げるという所作を、


支配から自由を勝ち取り独立し、己の国を手にしたという流れに投影しているのではないかな、と。


勝利に歓喜した兵士や国民達がその場で作ったのが起源だとする逸話もありますが、


さすがにそれは無いにしても、まぁそのドラマチックでいいんじゃない?


ともあれ、そんな流れや考察が無くても、


「ラム・コーク」=ラムをコーラで割ったドリンク。


「キューバ・リバー」=ラムをコーラで割ったリッキースタイルのカクテル。


という明確な違いがあったはずが、


なにゆえ「どうでもよくなった」のか?は、


結論から言えば「どうでもいいや」って作ってるからだドアホウ。


こっち来いっ!


目をつぶれっ!


歯を食いしばれいっ!


好き♪


ちゅ♥


というわけで後半へ続く。

キューバ・リバーとラム・コーク 2

  • 2012.03.08 Thursday
  • 20:00

 ラムとコーラの組み合わせは元祖コーラ飲料「コカ・コーラ」が1886年に誕生したことからも分かるように、


今となっては比較的古い部類のカクテルと言えるのですが、


なにしろこの相性が抜群に良かったため、


一時期はアメリカで最も飲まれているドリンクだと紹介されるほどに流行したものの、


反面、特に工夫も無く、ある意味安易に出来てしまうお手軽美味しいカクテルということで、


一部のBarでは下々の飲むドリンク扱いをされている風潮があるのは確か。


逆にワイルドと言うか飾らないと言うか気取らないと言うか、


アウトローで無頼系のベクトルならばカッコイイ扱いのできる側面もあるにせよ、


そういったモロモロのイメージもひっくるめ、初めから良くも悪くも完全体に近いカタチだったことこそが、少々の手抜きも許されるうちに「キューバ・リバー」からマドラーとライムを奪い去って、


「ごとき」にしてしまった要因なのかもしれません。


提供側の見下しスタンスの方に限って言えば、


そういう人ほど自称ナンバー1でオンリー1なインチキカクテル創って喜んでる輩が多いんですがね。


けっ。


失礼。


問題の根深き所にまでメスを入れ、


バーテンダーという職業の構造的欠陥に及ぶほど話の風呂敷を広げていても仕方がないので、


当店の「キューバ・リバー」と「ラム・コーク」を解説し、


あとはそこから何か拾ってもらうなり呆れるなりしていただきましょう。



まずは「ラム・コーク」から。


要はラムのコーラ割りなのですが、


私は必ずベースの選択をお伺いします。


ラムはスピリッツの中でも(後付のフレーバード系を除いても)味に幅がありすぎるお酒。


ドライテイストなホワイトラムも、甘味の強いダークラムも、ラムはラム。


いかに自信を持って「俺のラム・コークはこうだ」と言えど、


例えば「バカルディ・ホワイト・コーク」と「マイヤーズ・コーク」という別物と称して過言ではないそれらが、


同じ「ラム・コーク」というオーダーに含まれている可能性もあるのですから、


ひょっとしたら注文したお客様さえ知らない、本当に飲みたい「ラム・コーク」を探してさし上げるのがバーテンダーの仕事。


と言うか、若手バーテンダーと話していて実際私が一番驚いたのはココだったのですが、


「キューバ・リバー」にライムとマドラー無しはそうとして、


「ラム・コーク」はどうしているのかと尋ねたら、


「同じようにホワイトラムのコーラ割りで出している」と。


「お客さんも文句が無くて、ましてラムのバリエーションなど知らないなら別にそれでいいんじゃないか?」と。


これが一番の問題。


お客様は知らなくてもいいの。


てか私に言わせりゃそれ以上に君のほうがバーテンダーどうの以前にモノを知らなすぎだ。


自己診断できて自分で治療できる患者なら医者なんて必要無いにしろ、


当の医者も適当なら、そりゃあ事故しか起きないさ。


こっちは知ってなきゃいけないのが前提の上に、気付いてもらえる、もらえないに関わらず、


出来るだけのことをするよう努めるのがプロじゃないのかね?


なんの商売でもいいが、お前さんが客の立場で無知なのをいいことに、


「鴨キタコレ」と店員に適当かまされてたとしたらどうよ?


ありがたい話、客は店を信頼してくれてるってのが前提なので、


いや、そりゃまぁ昨今そうでもない事例が多くて心が折れることもあるだろうしそこは分からんでもないけどウッサイボケ、


信頼してくれてるわけさ。


「ラム・コーク」って言ったら、お前さんができうる最高の「ラム・コーク」を一生懸命作って飲ませてくれると期待されるわけだ。


どう答えるよ?


誠意って何かね?


なぁ、ジュン君。


自動販売機でドリンク買ってるのとは訳が違うんだ。


何の為のBar(カウンター)システムとバーテンダーだ?


とね。


もちろん、押し付けがましいプレゼンは論外なので、そこは場を見て空気を読んで、


って、言うほど私も出来てはいませんが、


自己アピールと自己満足にならない範囲で、知らないと、ましてや知りたいと仰るならばなおのこと、


プラスアルファーをいかに提供できるかが力量ってもんじゃないの?


どう?


「キューバ・リバーとラム・コークって同じですよ」と提供していた昨日までの自分はどう?


どうでもいいけどまた長くなっちゃったし以下簡潔にまとめるとなんだっけ?


「ラム・コーク」ね。


ベース聞いて、話が転がればそこから広げるも良しにせよ、


加えてレモンかライムの有無を聞いて、


ウチはホワイト系のライトなベース選択ならば搾って濾したジュースとピールを、


ダーク系選択なら野趣のある演出をかねてシャフトカットのそれを投入。


個人的には少し厚めのスライスレモンを一枚ってのが好きなのでお薦め。


ちなみに当店のレモンは全て県内産なのでなんとなくお得?


コーラは何しろ「コーク」ってのが「コカ・コーラ」固有の愛称なのだからこれ一択。


てかこれしか当店ございませんが、


そこんとこ踏まえて、結局まだ「キューバ・リバー」の説明ができてないのにダラダラしたから、


もう一回つづく。

THE END OF キューバ・リバーとラム・コーク

  • 2012.03.10 Saturday
  • 04:00

 無計画に構成も考えないままタイピングしてるとダメですね、どうも。


てなわけで、ようやく当店の「キューバ・リバー」のご紹介。


まずはベース。


一般に「ホワイト・ラムベース」が基本とされていますが、


資料を紐解けば元祖は「バカルディー・ゴールド」、


現行商品の「オロ」に相当する「ゴールド・ラム」が始祖であったという説が有力。


なのですが、ちょっとですね、個人的な想いが反映されるわけです。


そもそもスペイン生まれのキューバ育ちだったバカルディ社は「いろいろ」あって、


現在本社はイギリス領のバミューダにして本拠地はアメリカ領のプエルトリコ。


で、世界五箇所で製品造りに勤しみつつ、日本に輸入されているボトルは原産国スペイン表記という、


ま、その、ややこしい。


てか裏ラベルの但書きでわざわざ「※プエルトリコ産原酒をボトリング」って表記してるあたり、


メーカー様もかなり「いろいろ」意識されてるのでしょうが、ってボカしときますけども、


「キューバ・リバー」のベースなんですから「キューバのラム」とコークで作りたいってことで、


当店では「ハバナクラブ3年」、これは3年間の樽熟成による薄いゴールド色をしているものの、


分類的にはホワイトに区分されることが多いライト・ミディアムなんて最近のパチンコみたいな分かりにくい仕様。


なれど試作・試飲の結果と個人的趣向を踏まえ、こちらをチョイスいたしました。


それにしても「いろいろ」ってのは本当に「いろいろ」あって、ってやつで、


遡れば「ゲバラ」とか「キューバ危機」とか、「ハバナクラブ」との因縁やら何やら、


ちょっとダーティーなお話になってしまうので詳しく知りたい方はご来店下さいませ。


だいたいバカルディさんも「キューバ・リバー」のベースだ元祖だなどと謳われるのを嫌って、


「コカ・コーラ」と共同で「バカルディ・コーク」の普及・宣伝に努めていたぐらいですしね。


え?


最近じゃあ「キューバー・リバー」ならウチが元祖だと宣伝しまくり?


あっそ。



続きましては「コーラ」の方。


と言っても狭い店の小さな冷蔵庫に、そう何種類もの水物を置けるはずもなく、


当店でコーラは元祖コーラ飲料「コカ・コーラ」ノーマルタイプの瓶一択。


前回軽く触れましたが、「コーク」とは「コカ・コーラ」の愛称ですので、


その他ドリンク、「ラム・コーク」だ「コーク・ハイ」だのの作成に関してもあって当然、無くては困る存在なのです。


最近ではカロリーオフ的な商品も多いですが、


これに関しては「Barでそんなコーラ使われたらなんか腹が立つ」と仰られてたお客様の声に非常に共感できたため、


ウチじゃそんなモノ使いませんのであしからず。



そして「ライム」。


古いカクテルブックには必ずライム、絶対ライム、意地でもライムと表記されていると言うか、


ライムが無くちゃ「ラム・コーク」だと断言しているレシピまであるのでやっぱりここは外せません。


これに沿って、先に説明した通り、当店では「リッキー・スタイル」で仕上げます。


たまたまタイムリーなお話しなのですが、最近ライムの品質が悪いのなんの。


主にメキシコ産を使用することになるライムなのですが、


他の柑橘類と比べても「悪い時期」に突入すると極端に「売り物ってレベルじゃねーぞ?!」って品しか入らなくなります。


当店ではフルーツは全て業者発注ではなく直接買い付けしてますから、


モノを見て良いものを選んでますので、


「コレどんだけマドラーで潰してもジュースが出ないぞ?」なんてことはありません、ご安心を。


それにしても、市場→スーパー→フルーツ屋→スーパー→フルーツ屋とまわっても良いものが無いのに、


近所のコンビニで最良の品を発見、なんてことが多いのはなぜだろう?


グラスの中で潰す「リッキー・スタイル」ということで、最も重要な「ポストハーベスト」「ワックス」関連の問題については、


通常より細心の注意をはらっておりますので問題なし。


詳しくは「Bar道」参照。



その他オマケ要素として、


「リッキー・スタイル」のカクテルですからグラスの中でマドラーを使いやすいよう、


通常のロングカクテルに使用するそれよりも小さめのかち割り氷を投入するのはもちろん、


マドラー置きも添えてね、って、


いい加減マドラーをグラスに差しっぱなしで受け皿も無しのご提供はやめましょう。


カクテルピンやその他デコレーションしかり。


食べ物関係でも多いことですが、お客様が「これどうしたらいいの?」と困惑されてるのに、


「お好きにどうぞ?」って、そう言うからには好きにできる土俵を用意してないと、でしょうが?


って思う。


こんなところですか?


で、そもそもなんだっけ?


そうそう、これをしてもまだ、


「キューバ・リバーとラム・コークは等価値なんだ、僕にとってはね」と言うのなら、


カヲル君?君が何を言っているのか分からないよ?カヲル君。


もうあれだ、それもまた自由だよ。


ただし、有り体な言い回しだけど責任無き自由はただの身勝手。


お客様につっこまれた場合、納得してもらえるだけの理由は必要になることも忘れないように。


それ以前に「まぁいっか」で適当な仕事をしないことが肝要だけれども。


 


「キューバ・リバー」


オーダーするのも自由!しないのも自由!


ライムを潰すのも自由!潰すと見せかけて潰さないのも自由!


きっと本当の悲しみなんて自分ひとりで癒すものさ!


起こしちゃいなよレボリューション!


「ビバ!クバ!リブレ!」

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