そもそも英国には古くから「ジンジャー・ビアー」なる微炭酸ジュースがありまして。
水にショウガやら糖類やら混ぜて発酵させたもので、ご家庭でも作られる代物だったわけですが、
フランスのシャンパンの刺激的な強炭酸に感銘したカナダ人のジョン・J・マックローリンさんが、
「何これ超シュワシュワする〜?!こんなジュース作ったら良くなくな〜い?」と、
「ジンジャー・ビアー」を参考に「シャンパン」の発泡性を目指して作ったのが「ジンジャー・エール」。
名前もこれ、言わば元祖が「ビアー」なもんで、
細かいこと言わなきゃ同じ発酵製法の仲間でもビール系に用いられる呼び名の「エール」をくっつけたっていう。
とまぁ生い立ちはそんな感じ。
カナダ人の、でピンときた方はご明察。
「ジンジャー・エール」の元祖は「カナダ・ドライ」ブランド。(現在日本ではコカ・コーラが取り扱い)
が、しかし、
「これが本物、これじゃなきゃ」とやたらカウンターで推される比率が高いのがこちら、
「ウィルキンソン ジンジャ・エール(ノーマル)」(写真右、左のDryについては後述)
理由は以下の通りかな?と。
●めっちゃショウガ、めっちゃ辛い。
いや美味しいですけどね。好きだと言われる方の感性を否定する気はさらさら無くて。
しかし、ショウガっぽさを求めるなら「ジンジャー・ビアー」でええやん?と言いきれないのは、
今だ「ビアー」はマニアック商品かつそこそこ値も張るわけでして、
これが簡単に入手できるようになる以前から多くのファンを獲得してきたもんで現在に至ってる。
分かりやすいインパクトがいかにも普通じゃない感丸出しで「通はコレだよ」と。
ま、ジュースでこれだけあからさまに「辛い」ってのは立派な個性だし、
辛い=大人=通、ゆえに好まれるってのは分からなくもないけど。
●同商品には「ドライ」もあるものの、「ノーマル」のほうが辛くて「ドライ」がまろやか仕様。
もちろん好まれるのは「ノーマル」の方だけど、大体は「辛いほう」とか「普通の」とか「紫」だの「茶」だのと。(エンブレムの色に由来)
ハードルの低いウンチクなれどすぐに覚えられるからこそ、
ついどこかで誰かに言いたくなる適度なややこしさがお好きな人にはたまらないのでしょう。
●「ジンジャー・エール」じゃなくて「ジンジャ・エール」ね、って、これに関しては知らない人も多いけど、
「ウィルキンソン」のそれは商標が「ジンジャ」(カタカナ表記の場合、あとちなみに旧社名はウヰルキンソン)。
マニアックアピールには最適、てか何かこの辺もうあえて狙ってないか?逆に。
てなわけで、元祖「ジンジャー・エール」の「カナダ・ドライ」がつまらない奴に思えるほど、
「ウヰルキンソン」の「ジンジャ・エール」がネタの宝庫(分かりやすく普通じゃない)なためと考察するがこれいかに。
実際、他の水モノは各一種類しかありませんけど?が当たり前ながら、
「ジンジャー・エール」だけに関しては「ウィルキンソンのノーマル」、つまり極辛口と、
他の「何か」、普通のジューステイストのモノとの二種を用意しているBarが多かったり。
提供の立場から迷ったらまぁ、「ウィルキンソン」の「ノーマル」と「ドライ」を用意しておけばいいんじゃないでしょうか?
一家言おありの方には「分かってるね」と納得いただけるだろうし、
ご存知ない方には、
「どっちを使いましょう?でもこれノーマルの方が辛くてドライの方が甘いんですよ」とか言って一ネタ入れながらイチビれるし、
って、
・・・・・、
あ、
なるほどね。
そういうこと?
ちなみに当店の「ジンジャー・エール」は「カナダ・ドライ」が本命。
対策用として一本だけノーマル「ジンジャ・エール」を常駐させつつ、
ショウガフリークさんには「フェンティマンス」の「ジンジャー・ビアー」がスタメンに居りますのでこちらをお薦めしております。
美味ですよ?
なんか全体的に毒っ気が強くなったっぽいのは、きっと昔受けた古傷的なナニかがそうさせたのだろうけど、
ま、いいか。
後はやたら最近、自家製が流行中のアイテムだけど、食中毒とか気を付けてね。
しっかし近年におけるカフェやらBarでのショウガの使用率の高さ、進出度を異常に思うのは私だけ?
場合によっちゃ完全にアウト(法律的にも)な場合もチラホラ見るけど、
その辺りはまた別の話だし長くなるから終わり。