Violet Sky
- 2013.09.01 Sunday
- 02:58
不謹慎ながら正直、台風とか、少しテンションが上がってしまうダメな大人です。
閉店後、戯れに西広島まで歩いてみたその途中、
天満町にさしかかった8月31日午前5時31分よりおよそ2分間。
ふと振り返った東の空は初めて見る色に染まっていて、
風は強くて、
雲は速くて、
ちょっと、ドキドキしてました。
「ニンゲン モリ コワス。 オレ ジファール ツカウ。グローバルナバーテンダー ナル。」
と、ショウジョウ様を見習った発想に基づいて「ジファール」のリキュールを二種追加。
「ジファール カシス ノワール・ド・ブルゴーニュ&アガベセック」
カシスの方はカシスでして、
「ノワール・ド・ブルゴーニュ」とは「ブルゴーニュの黒」と名付けられた最上級カシスを使用してるって意味。
ゆえに同銘柄で異メーカーのボトルも存在します。
貪欲に色々試したい一環で、無くなりかけの「ヴァドレンヌ スーパー・カシス」の代わりに入れてみました。
で、「何それ?」なのは「アガベセック」の方でしょうか?
まず「アガベ」とはテキーラの原材料にもなるアロエだかサボテンっぽい外見をして実はランの仲間って竜舌蘭のこと。
「アガベ」
これの葉を落とした姿はパイナップルに似ているのでスペイン語(メキシコ公用語)でそれを意味する「ピーニャ」なんて呼ばれたり。
「刈ったるでー」
この核と言うか株と言うか、茎の部分を絞った汁を発酵させて「プルケ」、を蒸留して「メスカル」、の中の選ばれしエリート様を「テキーラ」と、
細かいところすっ飛ばせばまぁそういうことなのですが、
発酵の素になるってことはつまり糖を含むわけで、
この糖分を抽出して作った甘味料を「アガベネクター」とか「アガベシロップ」などと呼び、
数年前まで「オーガニック甘味料なのに低GI食品で水溶性食物繊維イヌリンも含む」とか、
よく意味は分からないけどあれでしょ?イイやつなんでしょ?
と、健康志向の強い、ナチュラルとかオーガニックってワードが大好きなそういう方面の方々にウケていたものの、
最近では「でも血中で分解されないフルクトース値が高いので肝臓に負担が」とか言われだし、
手のひらを返したような嫌われっぷりで検索ワードに「アガベ」と入力すれば入力候補に「アガベシロップ 危険」と出る始末。
喧嘩売るつもりは無いけど、個人的にはそういうのどうかと思うよ?
どんだけ食べても身体に優しいどころかむしろ健康になっちゃう食物なんてあるわけないでしょうに。
なんだろね?こういう「健康のためなら死ねる」感じのノリで喜び勇んで飛びついておきながら、
誰かが必死に落ち度を探しては「ハイこれ危険、食べちゃダメ」って言われた途端に回れ右みたいな。
我が身が優先第一なのはそりゃそうでしょうけど、
「食す」って行いに対する真摯さとか謙虚さとかありがたみとか、
そういうのが薄そうで、業なんて軽そうどころか感じても無さそうで、なんかイヤ。
覚悟と感謝を放棄して責任と節制は他力本願でも満足と納得はしたいとか、
なんだかとっても傲慢な気がするな?
食に対して関心を持つのは良しとして、真面目に取り組むにも力加減と方向性が大事、とか思うの。
で、話は変わって「アガベセック」の「セック」の方。
フランス語で「辛口」を意味するのだけど、ことBarのそれだと特定のところを指すのがセオリーで、
かつて「コアントロー」がブレイクしたのは従来の、あ・く・ま・で従来のリキュールに比べれば甘味を抑えた、そのテイストにこそあったのだけれど、
これを「トリプル・セック」(三倍辛口)と銘打ってみたところ、
そりゃいいネ、と多くのメーカーが真似たことから、
キュラソー系(オレンジ風味の甘口リキュール)でも特に色無しの「ホワイト・キュラソー」ってジャンルは、辛くも無いのに「トリプル・セック」と同義語になり、もう「セック」でもそういうことでいいんじゃね?ってことで落ち着いた、という経緯が。
てなわけで「アガベセック」とは、
砂糖を使わず「アガベシロップ」のみで調整した「コアントロー」みたいな酒、ってことで、
簡単にこんな感じで覚えといて下さい。
となると単純に思いつくけど興味をそそる楽しみ方と言えば、
コレで「マルガリータ」とか、ね。
そうですよ?
それを試してみたいがためだけに仕入れてみましたがナニか?
が、しかし、ベタなれど、真面目な話、
実質「ホワイ・トキュラソー=コアントロー」な現状で、
チートアイテムも魔改造も無しのまま、
「じゃ、コアントローの代わりにコレ使ってみよ」なんてボトル、そうそうありはしないのですから。
正直ネタとしては一足遅れで、二・三年前、アガベシロップいえーい!な時に便乗して、ってのがベストなタイミングだったのだろうけど、あえて今、ってところに先に書いたあたりの思惑もありーの、今でも充分珍品だしーの、ってことで。
最後にどうでもいい話。
「アガベセック」は「キナ-キナ」同様、独立ブランド的なスタンスで販売されてるから当てはまらないけど、
「ジファール」のボトルは基本、同フランスのリキュールメーカー「モーリン」のそれと同じ規格っぽい。
なので並べてみた。
それだけ。
コメントが無いぐらいでは狼狽えない程度の精神力ならとっくにオプション装備済なので、
たまに押されたり押されなかったりの「いいね!」ボタンごときで動じる私ではございませんが、
なにせ明確な数値で表示されるそれが全く気にならないかと言えば、
正直、ちょっとだけ、小さなため息をつくぐらいには意識してしまいますのですがけれども。
ダンベルを写しただけのこの記事のみ「11いいね!」ってのはどうにも解せない。
「雨の日は始発、待ちわびて。」より
一体ナニが求められているのか?
ともあれありがとうございマッスル。
かれこれ10万近いアクセスをマークしつつある当店のネット部門。
ほぼまぁブログですが、
実際、これきっかけで見知っていただき、
それでリアルにご来店頂いたお客様はどのくらいおられたのかと言えば、
これが本気でこの8月までお一人様というのが現実だったものの、
ここ最近少しばかり様子が変わり、
例えば直接ではないにしろ、ご愛読頂いておられる他府県のご同業様からの推薦、
またあるいは常連様による宣伝といったかたちで、
結果、目に見える変化を感じ取れるに至ったことは、
「ありがたい」の言葉以外で表現できるものではありません。
そんな嬉しい出来事が非常に多かったここ二週間ではあったのですが、
だがしかし、
それとは別に、
やはりここ二週間ばかりの間、
同時多発的に起こった一連の出来事は、
たまたま重なったと言えばそれまでのことなれど、
個々においてはそれぞれの事情もあるわけで、
これらを十把絡げて皆同じとは言わないまでも、
つまりは誰か個人を特定してかく言うつもりではないので変に気にしたりすることのなきようにお願いしつつ、
少しばかりの生意気と言い訳をお許し下さい。
まず、嬉しいのです、それは。
嬉しいのですが、同時に申し訳ないし忍びない。
あの、
ですね、
当店確かに午前5時までの営業を掲げておりますし、
基本的には無休ということで、
「最後にサヰキに顔出して帰ろう」という発想は、まずありがたいしなるほどです。
けれども、
無理を押してまでご来店いただいたうえ、正直もう飲むのもしんどいという状態の方に、
さほど善人でもありゃしない私ですがBarですが店ですが、
出せませんよ、グラスなんて。
それでも大丈夫だからと求められれば、でも、ほら、ね、
ワチャワチャっとなっちゃうじゃないですか。
そこはですね、なかなか認めたくはないでしょうし、
引っ込みがつかない心情わかります。
でも、嘘でも、いや嘘じゃダメなんだけど、
バーテンダーの「やめときなさい」は、それはやっぱりそうなんです。
結局「ごめんね」で来店され「ごめんね」で退店され、
いやもう退店できればまだ良くて、とか。
こういうパターンで一番ありがちで怖いのが、
「あそこには迷惑かけちゃったから行けないや」という流れ。
逆、逆。
ウチじゃなくともこういう際は、なるべく早いうちに「この前はごめんね」で再訪し、
「ありがとう」で帰る、
「リセットの日」を作るのが得策。
だいたいそんなことで私が根に持つようなそんな、
私の優しさとサービス精神、バーテンダーとしての器を見くびらないでいただきたい!と言ってみたい。
で、
完全なる言い訳とワガママですが、
頑ななまでに5時まで営業を続けておりました当店。
今週イレギュラーに発生してしまったそれは除いて、
少しばかりの早仕舞いもあるものとお見知りおきを願いたく存じます。
ラストオーダーなど具体的な設定をするつもりはございませんけれども。
今までよりほんの少しの余裕を持ってご来店頂ければこれ幸い、と。
どこまでも一方的かつ理不尽な願い事ではございますが、
わずかながら頭の隅にでも置いていただきたいのです。
楽しく過ごしていただけるぶんには、もういくらでも居てもらって結構ですから。
あとこれ、
ホント商売とか銭金とか、
そういうんじゃないんで誤解してもらいたくないんだけど、
本音だからそのまま書けば、
そりゃさぁ、口癖みたいに色んなBarへ行ってみ?とか言うてるけどさぁ、
たまにはウチでガッツリ飲んでけよ?
カクテルなんてさ、特にショートとか、ハシゴじゃなかなか対峙も辛いでしょ?
私だって人並みに嫉妬もすれば独占欲だってあるし負けず嫌いやし、
けっこう自分のカクテルとか飲ませたがりなんやで?