ザンシア

  • 2014.10.03 Friday
  • 02:33
「Xanthia」

ショートカクテル。

ジン、シャルトリューズ・ジョーヌ、チェリー・ブランデー各1/3をシェーク。

まぁ良くできたレシピです。

美味い。

少し前に香草系リキュール好きでスタンダードのあらかたは経験済みなんていう手練れのお客様からの要望に応えるべく、

シャルトリューズを軸に検索して出会うまでは恥ずかしながらその存在自体を知りませんでした、

と言うか組み合せを文字だけで見ればごった煮感は否めず先入観を優先させて無意識にスルーしていたのでしょうけど、

そこそこボリュームのある真っ当なカクテルブックになら掲載されていますしスタンダードの類いです。

やはり勉強不足で未熟な私などは生意気にもオリジナル・カクテル様に手をつけるなんてまだまだ早く、

スタンダードの復習と精査に尽力するのが分相応と痛感しきりにございます。

として、

「ザンシア」。

やはりと言うか、制作者やら由来やら、詳しいことは分からず、

名前は世界の略奪物御披露目展示場、もとい大英博物館に所蔵されたギリシャの大理石彫刻から、

というのが唯一の説明になっているようでプロのブログだろうが素人のブログだろうがwikiにだってそうとしか書かれてないんだからそれならそういうことなんでしょう以上おしまいですごきげんようさようなら。



以下いつものやつ。

煽るつもりは無いからと言い訳しながら独り言。

このカクテルをしてなぜその解釈で納得できるのかが真面目に理解できないんだけど本気なの?

わざとなの?

せめてその彫刻ぐらいはチェックしてみたの?

博物館の大理石彫刻感なんてこのカクテルのどこに感じるの?

お前のイマジネーションどうなってんの?

「へぇー」じゃねんだよ。

まずそこな?

まずはそこな?

な?

ていう。

調べてみましたところ「Xanthia」はギリシャで女性の名前にも使われる単語のようで、

そこにはブロンド、パツキンの、って意味も含まれるご様子。

レシピから辿ればシャルトリューズのジョーヌは黄色ですしなにしろ女性をイメージして開発された酒ともなればジンは良しとして浮いてくるのがチェリー・ブランデーの存在。

これが入ることにより一気に色合いが赤っぽくなっているわけだからもしも透明なチェリー・ブランデーがあったとしたら、

ギリシャのブロンド美人をイメージして創作したカクテルとして筋道は立つけども、

透明なチェリー・ブランデーなんてそんな酒あるの?と言われれば心当たりしかない。

そもそもチェリー・ブランデーとはブランデーにチェリーを漬け込んだものとチェリーを発酵して作ったチェリー・ワインとも言うべき酒を蒸留したものとがあり、

前者は茶色、後者は透明。

なのだけれども今現在、そのどちらとも異なるニュートラルスピリッツにチェリーエキスと糖分を加えたチェリー・リキュールを使用するのが常。

これが赤い、てか赤黒い。

もう少し具体的な現状を言うと、事実上チェリー・ブランデーなる酒はチェリー・リキュールでほぼ完全に代用されており、

透明なチェリー・ブランデーを使用すべきレシピに関しては「キルシュ」など特定の銘柄が指定されていることが多い。

そんなこんなでそういうことなんじゃないの?

毎度ながらあっし一人が言ってることみたいで以下完全なる妄想でやんすがへぇへぇ。

その昔、ギリシャ人だかパツキンギリシャ美人に惚れたどこぞのバーテンダーだかがこれをイメージしてカクテルを製作。

金色の髪を再現するためシャルトリューズのジョーヌを使い、これに合わせたのが透明なジンとやはり透明なチェリー・ブランデー。

それはそれなりの出来でレシピが広まりどっかのバーテンダーが「なになにチェリー・ブランデー?んじゃチェリー・リキュールでいいよね?」と。

これがウマー。

名前を調べてみたら博物館の所蔵物に同じ名前があったからそれじゃあそういうことで、って。

実際どうも海外にはキリシュなど透明チェリー・ブランデーで作成した「Xanthia」も存在するご様子ですし、

つーかサボイのカクテルブックにも掲載してあるあたり、なんとなく「アラスカ」のバリエーションとしてここいらで創作されたってだけな気もしなくはないのは一先ず置いといて、

「ザンシア」=「チェリー・リキュールを使用した赤っぽいカクテル」は日本のみの常識なのかも?

言うほど普及してないので議論にすらならないしどうでもいいのでしょうけど。

にしても、だったら仮説にしたってオリジナルを尊重して「透明チェリー・ブランデー」を使用すべきなのでは?と言われたら?

「だが、断る」

だってだからこそ美味いんだからしょうがない。

それとこれとは話が別。

大体ね、そもそもとか言い出したらそもそもギリシャなんて名前の国は無いんだしギリシャ人でブロンドなんて純正じゃあり得ないんだからその辺のところはいいんだよ別に。

大人は卑怯なのさ。

最後に忠告。

「Xanthia」で画像検索すると「なにかの余興でレディ・ガガのモノマネをしてみたけど完全に失敗して周りをドン引きさせちゃった人」みたいな、

中々に刺激的かつ破壊力のあるトラウマネーチャンの写真がわんさかヒットするのでご注意を。

ポール・ジロー「エクストラ・ヴィユー」

  • 2014.10.31 Friday
  • 03:03
ブランデーと言えばメジャーな、

例えば「ヘネシー」だ「カミュ」だ「マーテル」だ「レミー・マルタン」なんてところなら酒に詳しくない人でもそこそこの知名度はあるのに、

「それ以外」となると割に明確な壁が、

そりゃもうえっらい低い壁だけど、これを越えない限りはなかなかにご存知ない人気がない出番がない。

そんな中、Barという空間においては自称詳しい人達が「アレ知ってる?」と、こぞって持ち出したがって頼みたがって、

例えるなら「インディーズだけど実力派でヤバいバンドだぜこれ知らなきゃ通じゃねえぜ」的な、

昔からの同ポジションで言うと「デラマン」だの「ジャン・フィユー」先輩を押し退けて、

ブランデー界の「それ以外」塾生一年筆頭みたいな扱いされ過ぎたおかげでやたら一部の層に大人気になってもはや近頃のBarでは普通のブランデーより普通な存在なんじゃね?

なのが「ポール・ジロー」。

メジャーブランドのお歴々が力業の販促と宣伝で普及したのに対し、

さしたるプッシュも無かった一銘柄がなぜにそうチヤホヤされるようになったのか?

小規模自社生産によりブランデー界のシングルモルトと称される希少性。

最上級畑の葡萄を手摘み収穫し無添加で仕上げられるプレミア感。

インポーターの信頼性に、言っても主力が水割りの形態も含めた酒類販売業界全体からすればマイナー銘柄ゆえにクオリティーの割にはお求め易いお得感などなど、

もちろん推されるに納得なスペックは有しているし語りやすいウンチクのオンパレードだけれども、

個人的には、なんて発見者面するこたないぐらい皆さんもとっくに思ってそう。

名前なんじゃね?って。

「ポール」て。

んで「ジロー」て。

二人合わせて「ポール・ジロー」もなにもフランス人だし一人だし。

似たような語感のコメディアンだかミュージシャンだかを挙げだしたらきりがなさそな覚えやすさとキャッチーさ。

んーこの声に出して読みたい銘柄感ね。

「え?ポール○○の次男なの?」なんてくだらないボケはさんざ聞きたおしてるんでこの期に及んでブッ込まれた日にはきっと私はスイミングスクール帰りの小学生のような疲れきって魂が抜けかけた目をして冷たい視線を向けるだろうけどそれはアナタが悪い。

それとして、けれどやっぱりブランデー。

名前は聞いたことあるけど飲んだことないって人も多いのでは?

今回の「エクストラ・ヴィユー」は年数で言うと25年モノ以上の原酒で作られた日本向け限定ボトル。

と聞くとなにやら凄そうに思えるけど、定期販売だしその他限定やら特別仕様やら上を見たらキリがない同社ラインナップからするとミドルクラスだしあくまでもレギュラーのスタンダード商品。

ウチのことだからまぁ安いし。

なんとなし茶化した感はあるけれど実力は折紙付きだし好きな銘柄ではあるんですけどね。

だってねなんかね、

近頃のブランデーなら他知らなくても「ポール・ジロー」って言ってりゃ良し、

どころかこれさえ持ち上げといてその他を下に見とけば通、みたいな、一部にはびこるそういった雰囲気がキライ。

そう、きっと私は昔どこぞのカウンターで耳に飛び込んできた、

「これはブランデーのシングルモルトなんですよ」・「いいねモルトみたいだね」・「モルトみたいでしょ?」・「コレを飲んだら他のブランデーは飲めないね」・「ワハハハハ」

なんて意味不明過ぎて適当の最上級にして狂気の沙汰の極みみたいな会話を拳を震わせながら聞いた経験が忘れられないだけ。

マシ。

世の中はきっともう少し全体的にマシ。

なはず。

なのはともかく、

寒くなってきたことですし茶色いお酒をクイッとやるには良い季節なわけでして。

乱れないていど崩れながら恍惚のため息を欲するならブランデーこそ。

うっとり。

calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< October 2014 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM