スペースバンパイア
- 2014.12.01 Monday
- 01:04
いつものビデオ屋に、なぜだかひどく懐かしい作品が新入荷として陳列されていた。
どうやらデジタルリマスター版が今年になって発売されていたらしい。
原題「ライフフォース」。
邦題は「スペースバンパイア」。
ちょうど日曜日なので借りてみた。
お若い方は知らんじゃろうがその昔、視聴率稼ぎのために野郎共を狙って、
繰返し繰返し「日曜洋画劇場」で放送されておった内容そっちのけのエロ映画があってのぉ、
デ・パルマの「ボディ・ダブル」と並んでもう一本、
それがこの「スペースバンパイア」じゃったのじゃよ。
ストーリーを極力簡単に言えば、
宇宙で拾ったんだから絶対に怪しい全裸のオネーチャンを地球に持ち帰ってみたら案の定やらかしあげてさあ大変。
てかタイトルでネタバレしてるし。
あっち側の住人だったはずの淀川長治氏までもが高まり過ぎておかしなテンションになり、
「何回おっぱい言うねん?」と、つっこみたくなるような迷解説を残しているほどに、
今となっては地上波でなんて放送できないであろう、徹頭徹尾おっぱい祭りなおっぱいムービー。
当時19歳だったマチルダ・メイをはじめ、よく見りゃ中々の面子のキャスト陣。
純正の殿方のみに媚びるだけでは飽き足らず、挟み込まれる濃厚なホモシーン。
突如として目覚めるご都合主義なインクレティブルパワー。
脈略もなく解明される宇宙人の謎と弱点。
気が付けばいつの間にやらゾンビ映画に路線変更。
唯一のセリフが「貴様に私が倒せるのか?」だったのに次の瞬間には秒殺されている残念な敵。
後半につれ破綻しかしてないストーリーと設定。
最後は時間が来たから終わりますとばかりに観客を置いてけぼりの投げっぱなしなエンディング。
そんな流れの中にあっては違和感でしかない、ヘンリー・マンシーニ作曲、ロンドン交響楽団演奏によるカッコ良すぎるテーマ曲。
監督トビー・フーパー、脚本ダン・オバノンでどうしてこうなった?
いや、だから、なのか?
などなど、
イジらざるを得ないネタに満ち溢れた内容ゆえ、B級映画フリークの間では大変有名かつ評価の高い作品であることは、
ニコニコ大百科辺りの異常に盛り上がりまくりな記事の充実っぷりからもうかがい知れるところ。
いかにもイギリス映画的な堅苦しさと妙な落ち着きが全体を支配する中に、
ちょっと無理して頑張ってSFをねじ込んでみたような、
真面目なお笑いともふざけたシリアスともつかない、
絶妙に不安を煽る独特の雰囲気もまた他では見られない特徴の一つ、
ではあるのだが、
ブリキのオモチャを愛でるがごとく、もう少し懐かしさと優しさをもってして楽しめるかと思いきや、
やはり80年代VFXのチープさと、このジャンルではいかんせんマイナスにしか働かない、
時代遅れの古臭さを年季や味とは捉えられぬまま、「正直キツかった」ってのが素直な感想2014。
テンポの良さだけが救いとは言え、「そういう作品だから」って角度から入れなければ、
ディレクターズカット程度のオマケでは補いきれない「今さら感」は厄介。
やはりそもそも真っ直ぐに鑑賞していい映画ではないのです。
ただ、
人類存亡の危機に瀕した原因と、その理由をたった一言、
「あんなにスゴいセックスは生まれて初めてだったんだっ!」→絶句
で済ませてしまった迫真の演技と渾身の表現力は、映画史上屈指の名シーンであり、
よくよく噛みしめてみてもみなくてもとんでもないセリフであることは間違いない、と再確認できたことは収穫でした。
あれ?こんなセリフあったっけ?
内容はともかく有無を言わせぬ言葉の重みを感じた。
意味はともかく絶対の正義であるかのような迫力に満ちていた。
連れて行かれたね、
「なに言ってんだコイツ?」の向こう側に。
このセリフとあの演技が現実社会でも再現できたなら、遅刻だろうが浮気だろうが、
何を責められても「それなら仕方がないね」と相手を納得させることが可能なような、
そんな説得力がある。
あった。
気がする。
なに言ってんだオレ?
どなたか実践ののち結果報告をお願いします。
どうやらデジタルリマスター版が今年になって発売されていたらしい。
原題「ライフフォース」。
邦題は「スペースバンパイア」。
ちょうど日曜日なので借りてみた。
お若い方は知らんじゃろうがその昔、視聴率稼ぎのために野郎共を狙って、
繰返し繰返し「日曜洋画劇場」で放送されておった内容そっちのけのエロ映画があってのぉ、
デ・パルマの「ボディ・ダブル」と並んでもう一本、
それがこの「スペースバンパイア」じゃったのじゃよ。
ストーリーを極力簡単に言えば、
宇宙で拾ったんだから絶対に怪しい全裸のオネーチャンを地球に持ち帰ってみたら案の定やらかしあげてさあ大変。
てかタイトルでネタバレしてるし。
あっち側の住人だったはずの淀川長治氏までもが高まり過ぎておかしなテンションになり、
「何回おっぱい言うねん?」と、つっこみたくなるような迷解説を残しているほどに、
今となっては地上波でなんて放送できないであろう、徹頭徹尾おっぱい祭りなおっぱいムービー。
当時19歳だったマチルダ・メイをはじめ、よく見りゃ中々の面子のキャスト陣。
純正の殿方のみに媚びるだけでは飽き足らず、挟み込まれる濃厚なホモシーン。
突如として目覚めるご都合主義なインクレティブルパワー。
脈略もなく解明される宇宙人の謎と弱点。
気が付けばいつの間にやらゾンビ映画に路線変更。
唯一のセリフが「貴様に私が倒せるのか?」だったのに次の瞬間には秒殺されている残念な敵。
後半につれ破綻しかしてないストーリーと設定。
最後は時間が来たから終わりますとばかりに観客を置いてけぼりの投げっぱなしなエンディング。
そんな流れの中にあっては違和感でしかない、ヘンリー・マンシーニ作曲、ロンドン交響楽団演奏によるカッコ良すぎるテーマ曲。
監督トビー・フーパー、脚本ダン・オバノンでどうしてこうなった?
いや、だから、なのか?
などなど、
イジらざるを得ないネタに満ち溢れた内容ゆえ、B級映画フリークの間では大変有名かつ評価の高い作品であることは、
ニコニコ大百科辺りの異常に盛り上がりまくりな記事の充実っぷりからもうかがい知れるところ。
いかにもイギリス映画的な堅苦しさと妙な落ち着きが全体を支配する中に、
ちょっと無理して頑張ってSFをねじ込んでみたような、
真面目なお笑いともふざけたシリアスともつかない、
絶妙に不安を煽る独特の雰囲気もまた他では見られない特徴の一つ、
ではあるのだが、
ブリキのオモチャを愛でるがごとく、もう少し懐かしさと優しさをもってして楽しめるかと思いきや、
やはり80年代VFXのチープさと、このジャンルではいかんせんマイナスにしか働かない、
時代遅れの古臭さを年季や味とは捉えられぬまま、「正直キツかった」ってのが素直な感想2014。
テンポの良さだけが救いとは言え、「そういう作品だから」って角度から入れなければ、
ディレクターズカット程度のオマケでは補いきれない「今さら感」は厄介。
やはりそもそも真っ直ぐに鑑賞していい映画ではないのです。
ただ、
人類存亡の危機に瀕した原因と、その理由をたった一言、
「あんなにスゴいセックスは生まれて初めてだったんだっ!」→絶句
で済ませてしまった迫真の演技と渾身の表現力は、映画史上屈指の名シーンであり、
よくよく噛みしめてみてもみなくてもとんでもないセリフであることは間違いない、と再確認できたことは収穫でした。
あれ?こんなセリフあったっけ?
内容はともかく有無を言わせぬ言葉の重みを感じた。
意味はともかく絶対の正義であるかのような迫力に満ちていた。
連れて行かれたね、
「なに言ってんだコイツ?」の向こう側に。
このセリフとあの演技が現実社会でも再現できたなら、遅刻だろうが浮気だろうが、
何を責められても「それなら仕方がないね」と相手を納得させることが可能なような、
そんな説得力がある。
あった。
気がする。
なに言ってんだオレ?
どなたか実践ののち結果報告をお願いします。