バーテンダーを殺すのに刃物はいらない。

  • 2015.05.08 Friday
  • 21:46

積み重ねた努力、詰め込んだ知識、研磨した技術、

それでようやく手に入れた小さな自信も一晩あれば全ては無残に塵と化す。

現在、バカ野郎が放った不条理なたった一言に後ろからザックリ刺されたせいで瀕死の重症を負ってしまった私は体調も心なしかよろしくなくて市販の風邪薬に手を出してみたところ、

これが、むしろ、逆に、気持ち良くなってしまってなんてこったいなケミカル・ドラッグ・ジャンキー状態。

マーシャルの匂いで飛んじゃって大変です。

もうやだ。

涙が悲しみを溶かして溢れるものだとしたらその滴ももう一度飲み干してしまいたい。

飲み干しておかわりしたい。

海の底で物言わぬ貝になりたい。

シジミになりたい。

シジミは海の底じゃ生きられない。

じゃ、アサリでいい。

ともかくなにかもう歩けば、

いやさ歩かなくたって棒に当たる、

避けても逃げてもロックオンされた棒がホーミング機能全開で突き刺さりまくりな近々の私ときたら、

久しぶりにミラクル体質だとあきれられながらも、

ここ最近のそれには目撃者なり物的証拠が存在していることにどこか安堵している自分が憎い。

久しぶりと言えばこれまた久しぶりに聞かれました。

Bar道とか更新しないんですか?って。

したい、とは言わないけど、できない、のですよ。

PCずっと壊れてるし。

再び引っぱり出してきたサイド6で父さんからもらったスーパーメカのお陰でなんとか戦えているってのが現状。



画像加工で遊んでるから大丈夫っぽく思えるのでしょうが、基本的に文字入力ができない状態なのです。

もうずっとガラケーで書いてるんだぜ?ここのところのブログ。

なんなら画像内の文字だって一々コピーしてきて張り付けての無駄労力と非効率的作業の賜物なのです。

思いつきしだいの行き当たりばったりな記事ならともかく、酒関連のこととか、そもそも書こうって気になった次の瞬間には萎えちゃうんだよなぁ。

いよいよなのだろうなぁ…。

いよいよと言えば、さぁ、

いよいよなのだろうなぁ…。

いかんです、気合いが足りませんです、あぁ、Crazy in Loveの頃のBeyonceにブン殴られたい。

やっぱりラリってる。

ルジェ クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン ノワール・ド・ブルゴーニュ

  • 2015.05.12 Tuesday
  • 03:51
カシス・リキュールが切れたので補充の買い出しに行ってきたのですが、

個人的にはこの辺の酒を買うのがいつも悩ましく、

活躍の場面は多いし種類も豊富だけど正直そう何本も置いとけないし銘柄指定などあり得ないカクテルの素ならば何を買ってもよさそうだからこそ何を買えばいいのさ?っていう。

なるべく美味しいのがいいじゃん?

他の地域の事は詳しくありませんが、とりあえず近所では居酒屋が酒屋に電話で「カシス一本」とメーカー指定もせずに発注すれば持って来るヤツでお馴染みのカシスと言えばコレな「ルジェ」を使っているとBarとしてどうよ?なんて冷たい視線を浴びるけど、

なぜか「フィリップ・ド・ブルゴーニュ」がぶっちぎりの大人気で、これさえ置いとけば優良Bar扱い、分かってるじゃんと頷かれてみたりする状況。

「ルジェ・ラグート社」のカシス・リキュール


「フィリップ・ド・ブルゴーニュ社」製のそれ


それで他メーカーのは試してみたの?と同業に聞いてみたところで返ってくるのは「ルジェじゃなきゃあとはどれも同じようなものでしょ?」「そこ、こだわる必要あります?」なんて残念なお言葉。

誰かの「これイイ!」待ちなのねそうなのね。

そんなわけで試飲もままならないならば毎度毎回違う種類のボトルを購入してみてはいるのですが、未だ運命の出会いを果たせないまま今回巡り会ってみたりしたのがこちら。

「ルジェ クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン ノワール・ド・ブルゴーニュ」



とりあえずド・ド・ドうっせーし長げーよとツッコミながらまずは基礎知識。

今時カシスと言えばイコール酒ぐらいの勢いで普及している感がありますが、カシスはフランス語名で英語ではブラック・カラント、和名はクロスグリ。



ちょい苦の酸っぱ系微甘ベリー類でして、収穫高世界一はポーランドだけど、これを酒にしている国となるとほぼフランスの独壇場なので逆にその他の国で作られたカシス・リキュールを見つけるほうが大変、にしてもなぜかこの類いのリキュールにしては異常にアメリカ産が少ないのには理由もあるのだけれどめんどくさいから省略。

この実を中性スピリッツの中で潰して寝かせて砂糖をぶち込んで最後に濾過する、ってのが一般的なカシス・リキュールの作り方。

日本国内で流通しているカシス・リキュールのそのほとんどが「クレーム・ド・カシス」なる名前になっているのはだからフランス産まみれの現状ゆえなのですが、

ついでに言っとけば他のリキュールでも目にする機会の多いこの「クレーム・ド・なんちゃら」はEUの規格でして、

1リットルあたり250グラム以上の糖を含有していることを表していて、要はクリームみたいにねっとり甘くて美味しいんだぜい?と謳っているのですが、

ことカシスに限っては400グラム以上の糖が無ければそうとは名乗れないため、いかにカシス・リキュールが平均して激甘なのかと知れるところ。

ゆえの人気と定番化?

糖分の気になる方はご注意を。

しかしそれもこれもヨーロッパ経由の素性正しいボトルにのみ言えることであって、

他国じゃカシス・シロップにも「クレーム・ド」とか好きに付けたり呼んだりすることもしばしばで、かと思えば全く違う名称で流通してたりするもんだから英語圏のサイトでレシピを漁ってたりすると紛らわしいイージートラップが多かったりもするけれどそれで困る人なんてそんなに居ないだろうからまぁいいか。

して当ボトル。

実は先に出た「ザ・どこにでも転がっている居酒屋カシス」でお馴染みのそれと同様ルジェ社の商品なのですが、

何気にここが世界で初めてカシス・リキュールを作った元祖のメーカーだったりするのにあまりにもかわいそうな世間のイメージと残念な評価に本気を出してみたのかキレたのか?

フランスでもカシスと言えば最良の栽培地域とされるブルゴーニュ地方の中でも最高と称えられるコート・ドール地区で収穫したカシスを用いてラベルにディジョンと発見出来ればそれだけでフランスAOCのお墨付きなのにカシスはカシスでも最高級品種であるノワール・ド・ブルゴーニュのみを使用して、

しかもそれの厳選したところの一番搾りエキスだけを使って作ってみたとかまぁ盛り込んだね?盛り込みまくったね?

と、言うならば松竹梅の松のその上を行くのっぴきならない代物はもはやカシスなんて呼び捨てにできないならば御カシス様。

以前にこれの先行試作型限定版として「ダブル・カシス」なる商品がありましたが評判が良かったのか?ふざけた値段もそのままに再び登場したのが当ボトルなんだけど、

そうなんだよ美味いんだよ美味いんだけど高いんだよ高過ぎるんだけどベース・リキュールにこれ使ってるからグラスの値段もアップしますとかは絶妙に言い難いとこなのでコスパ上々のカクテルが飲めるよ?今なら当店カシス系がお得だよ?さぁ俺をいじめにかかって来やがれ。

で、どうやって飲めばいいかなんてソーダ割りとかオレンジ割りとか?ありふれた楽しみ方でよろしいのではないかと。

そのほうが違いも分かりやすいでしょうし。

どうでもいいけど小慣れた感じを出そうと思ってなのか?Barで「カシオレ〜」なんて注文するのは逆効果だから気を付けていただきたいにしても、

ウチじゃ二年前に一度だけ「カシオレ」なる注文をいただいた際に本気で何を言ってるのか分からなくて「なんだその酒、カクテル?」と、あやうくネットで調べかけたのも今では良い想い出、

なわけない。

当たり前のように過ごしているけれど、このレールの上でバーテンダーをやらせてもらえている今にアリガトウゴザイマス。

まっ、犠牲にしているモノも多いけど、ね。


今月のウイスキー、とか言ったらそれはなんか違う気がする。

  • 2015.05.14 Thursday
  • 23:42

いや、もろもろあったにしてもフツーに考えてだよ?いくらご時世だからって一歩で40%も詰めてくる値上げなんて聞いたことねーよ?どこのハイパーインフレだよ?趣向品だろうが仮にも飲食物やぞ?腹が立つの通り越して呆れるのも飛び越えてなんかもう恥ずかしいわ。

とかなんとか言ったって実際ウイスキーブームな現在でして、

それにしてもこれだけ極端な値上げに対してさえ大きな声も無いままに割とすんなりってところを見る限り、

いかに「価値もよく分からないままに買わされている人・飲まされているだけの人」が多いかの裏返しでもあるのでしょうな。

売る人がいて買う人がいる、ただそれだけのこと。

それは今ある土台を切り崩していることに他ならず、そして十年後、この文化が廃れていたとしても誰のせいでもないのかい?そうなのかい?

それとして、

ウチも一応Barですさかい、最近ライトな、他意など無く、なんと言いましょうか?あんまりBarとか知らないけどたまさかご来店いただいたお客様からウイスキー飲んでみたいとか言われることも多くて…、

それでその、やっぱりなんと申しましょうか?当店は酒類に関して造詣の深い常連様が多くて、そうでなくとも遠方よりのお客様にしたって、まぁ、なんて言うか、

その、

あぁ、

メンドクセー!

ウチはこなれ過ぎてるかマニアックか!そうでなくとも角度がアレな客が圧倒的なもんだからいわゆるね!普通のアイテムが!単体だとね!極端にね!少ねーんだよ!マッカランもアードベックも竹鶴も山崎もねーんだよっ!言われたこと無いからさ!ゴメンね!逆にね!カクテルはね!逆に変わったカクテルとかねーから!巷に逆らってスタンダード・カクテルの雨あられだから!なんかゴメンね!

とかさらりと失礼なことを吐きながら、流石にそれではよろしくないだろうと思った矢先、モルトの数本が売り切れたタイミングも重なったのでスタンダード系ウイスキーを買いに行ったわけですよ。

とにかく初見のお客様からするとせっかく覚えた銘柄の、そのことごとくが注文したとて「ございません」では感じ悪いですし、

あるいはショボいと見切られかねませんからね、

と、

分かっていたはずなのに、フタを開けてみたら微妙にナナメなチョイスのボトルばっかり買ってきちゃったよオレのバカ。

とは言っても特別珍しいモノや新発売の類は無いので今月の当店の新顔、ぐらいのノリでふわっとご紹介。



まずは左から順番に、って一番左は切らしていた「スパイス・ツリー」を再入荷しただけなのでその隣は同じコンパス・ボックスの「オーク・クロス」。

健太郎くんと猛くんが友情パワーを合体させるのは「バロム・クロス」。

こちらのボトルはアメリカン・オークとフレンチ・オーク、二つのオーク樽で寝かせたウイスキーを合体させた、的なあれで「オーク・クロス」みたいな。

使われている原酒は「スパイス・ツリー」とほぼ同様、コンパス得意のクライヌリッシュ主体らしいので樽の違いでこうなりますか?と飲み比べてみるのもよいかも。

次。

わんわんお、なボトルは「マクリー・ムーア」。

創業から二十年経つのでぼちぼち新興の、とは言いづらくなってきた「アラン」が、蒸留所がある島の中の名所から名前を持ってきて名付けた、

ここのところ毎年数量限定で販売しているピートを効かせてみたバージョンの、言わば「アラン ピーテッド・エディション」。

って、毎年フェノール値は違うし、あれなんじゃないの?島産なのに人気の臭い系を出さない手はないだろうつって前々から実験的に仕込んでた試作ゆえに不安定な原酒を放出してるだけなんじゃないの?後々リリース予定のレギュラー品が完成するまでの継ぎなんじゃないの?とかは言いっこなしだ。

なんで買ったって?それは見た目がカワイイから。

わんわんお。

マニアのために言っておくとちなみにサード・エディションです。

最後。

一番右は「タリスカー・スペシャルエディション ダブル・マチュアード」

ディアジオ関連のフィニッシュ系でお馴染みダブル・マチュアード・シリーズのタリスカー版。

ボトリング前にアモロソ・シェリー樽で寝かせ直してみたとかいうあれ、のナゼか微妙に古いとも言い難い2011年バージョン。

行った酒屋の棚にあったから買った、としか説明できません。

うっすらお気付きの方もいらっしゃるでしょうが個人的にちょっとだけ好きなのです、マチュアード・シリーズが。

さて、

それでその、自分で仕入れといてなんだけど、今必要だったのはこのラインナップではなかったはずだろうが?と。

オレのバカ。

分かりやすく例えるならば。

  • 2015.05.17 Sunday
  • 19:04

近頃流行りのカクテル。

インフュージョンとかミクソロジーとかネオ・クラシカルとか。

おむすびで言うとこういうこと。

「とんこつラーメン御飯・煮玉子おむすびマヨネーズ」みたいな。



ね?悪夢のようだろう?

てかなんかもうスゲーなオイ。

これを是として打ち込んでいる方を否定はしないけど、容認するわけにもいかないのだなぁ。

だってそれは私の信じるところに対する紛れもない冒涜なのだから。

「なんで?美味しそうじゃん?」って思う人はたぶんウチとか向いてないと思うよ。

ただ現実問題、これを違和感なく疑問もなく受け入れる人と実際に提供している今があるというのは確かなこと。

Bar業界に限ったことではない、もっと大きな、時代の流れのようなものなのだろうな、きっと。

どうやら食育なるプロジェクトはとっくに手遅れだったのか、はたまた失敗に終わったのか、あるいは最初からそんなものは・・・。



選択肢

  • 2015.05.24 Sunday
  • 20:26

自由とは何か?

縛られないことか?

奪われないことか?

逆らうこと?

抗うこと?

いいや、違うね。

自由とは、

選べることだっ!

さぁ!選べっ!

君は自由だっ!

ナポリタンだっ!

目玉焼きがRide On !

これは従来のナポリタン!



そしてこちらもナポリタン!



迫り来る香ばしさ!

襲いかかるチーズ感!

新☆登☆場!焼きチーズ・スタイル!

選べるのだよ!

これからはっ!

当店のナポリタンがっ!

さぁ!どうするっ!?

懐かしい昭和の趣、ステンの皿の上、玉子を潰すタイミングに悩むのも、その玉子がねっとりと絡みつくいやらしい(いやらしくはない)ソフト麺をすすり上げるのも、それは自由!

熱々の鉄板の上、食欲そそる焦げ目の色と香りを存分に愛でるのも、トロトロに溶けたはしたない(はしたなくはない)チーズを艶やかにまとわせて貪るように喰らうのも、それは自由!

どうするんだい?

どうしたいんだい?

いやらしい(いやらしいくはない)のが好きなのかい?

それともはしたない(はしたなくはない)のが欲しいのかい?

なぁ?奥さん(奥さんに限らない)

どうなんだい?(キライにならないで)


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