風潮

  • 2015.06.03 Wednesday
  • 23:23


えー、前置きとして、

最近の心境といたいましては輪をかけていよいよつくづく、

他所様が何をされていてもどうでも良いのですよ実際は、ってこと。

私にできるのは知らずにやってるけど実は知りたいって人に知っていただくきっかけを、

おこがましくも知らせてあげる的な、

なにやら偉そうな物言いではありますが、まぁそういうこと。

あとは微々たる信念と大いなる女々しさゆえに、相も変わらずこんな駄文を書き連ねてみちゃあいるけれど、

どうでもいいのだよなぁホント。

嫌味でなくね、勝手にしなよ?俺も勝手にほざいてるだけなんだからさ、知ったところでどうするかも自由なんだからさ、っていう。

私にもアナタにも、何処にも正義なんてありはしないのだから。

さて、

「おしぼり」に関するクレームが二・三件続きました、

とは言っても当店のことじゃないから私に言われたってどうしようもないのだけれども、まぁとりあえずお話。

まずは漫画「江戸前鮨職人・きららの仕事」第八話から引用して、

って、ねぇ?漫画の引用多いよね?ヲタクとか思われてんのかな?いっけどさ。

食通のジイサンが老舗寿司屋にやって来て、おしぼりで顔をワシワシ拭きながら、

「うーん、ミツさん(寿司屋の女将)のおしぼりは実にいい香りじゃ、ひとつひとつ手で洗わなければこんないい香りにはならん」、

てなことを言うシーンがあるのですが、まぁこういう判断基準であり判定基準がそこ、ってのが一般的ではあるのでしょう。

うわ、引用するほどのことでもなかった?っていうこのやり取りに一つケチをつけるならば、「洗う手間はいいけどさ、出す手間の方が重要なワケで、その描写はまるまる省略してるけど、ねぇ本質的なところは分かってるの?」って。

「おしぼり」ってのは水分を含んだ濡れタオルであって、最大の問題は衛生面。

腐敗とは雑菌の繁殖によって引き起こされるものであり、水を含むモノはすべからく危険をはらむゆえこれに注意すべし、ってのは飲食じゃなくったって衛生管理の大原則。

冷すにしたってそうだけど、いわゆる「おしぼりウォーマー」なんて機械に入れといて温めておくならばなおのこと、雑菌を光の速さで培養するのと同義なわけで、

洗う手間なんかさほどではなく、

実際、清潔を第一に考え「いい香りのおしぼり」を提供しようとなると、

氷水かお湯、それに乾いた状態の清潔なタオルを常に用意しておいて、お客様が来られるやいなやそれを浸し、文字通りおしぼりしてお出しする、

てかまぁ、そもそもだから「おしぼり」って言うのだし、そういうモノなんですけどもね。

これが清潔指向と文化レベルの向上、そこにいかにも日本的と言うか、おもてなし精神が加わった具体的アプローチとして、

ええとこの飲食店では「おしぼり」を出すのが当たり前、となったのは戦後のこと。

ハードル高めの手間仕事が常識化しちゃってさぁ大変。

もはや手作業でのやりくりが困難となった状況に、これはビジネスチャンスと目をつけた業者が誕生、

しただけじゃなくて、ここ、もう少しダーティーな裏話もあるのだけれど今回はスルー。

現在に至りましては飲食店で使用されている「おしぼり」のほとんどが貸おしぼり業者から仕入れたレンタル品、っていう状況。

徹底除菌された上に繁殖を抑える仕様なので半日ぐらいなら温めっぱなしでも使用できる優れもの。

どこでも誰でも、手間をかけずに清潔な「おしぼり」を提供できるようになりましたとさ。

で、先の漫画に立ち返れば、その辺まるっと分かっているなら「ひとつひとつ手で洗わなければ」よりも「ひとりひとり来客するたび手で絞らなければ」となるだろうに、は置いといて話は冒頭、

「クレームってのはこのおしぼりが臭いとか言うんでしょ?」と閃いた方はご明察、

なのだけれどもその内容はちと変化球。

一昔前なら塩素系の消毒薬臭いおしぼりも珍しくはなかったけど、技術も向上し、厚生労働省が設定した衛生基準をクリアした今時の「おしぼり」が臭かったとしたら理由はだいたい以下の通り。

1・必要数の逆算もせず詰め込めるだけウォーマーに詰め込んだ「おしぼり」が宵越し状態となって殺菌効力が失われ雑菌が繁殖し放題にも関わらず、そのまんま翌日だったりそのまた翌日っだったりにまで使いまわしたりするもんだからで臭い。

2・業者の「おしぼり」を使用しないで自分のところで手洗いなんですよ、はいいのだけれど、結局冷蔵庫なりウォーマーで待機させ、事実上濡れたままの放置状態ならそうでなくとも家庭用洗剤レベルの洗濯でとか、そりゃ臭くて当たり前。にしてもこのケースで怖いのは店の人が生臭かったりカビ臭いのに慣れ過ぎてもはや異臭を拾えないぐらいマヒしちゃってることが多いのよね。

そして、

3・いい匂い臭い。

と、今回あったクレームはこの3であり、昨今当たり前になりつつある、流行りと言うかなんと言うか、

私は「押し付け気遣い」とか「ドヤ顔サービス」と呼ぶ一方で、

稼ぎたいだけなら賢い選択とも認めつつ、

でも大概の場合はモノを知らないド天然が綺麗事を口にしながら優れ者気取りなもんで不愉快なんだけど、

なんせいかにもでしょ?いかにもなそれが手間もかからず明日から実践可能とあれば「じゃあウチも」と感染力は抜群で、

今時「おしぼり」にいい香りを後付けして出す、ってのはデフォになりつつあるのです。

方法は簡単。

業者の「おしぼり」を使用してお客様にお出しする直前、何かかけるだけ、っていう。

これがですね、アロマオイルの一振りや何かしらのピール程度ならまだしも、

趣味でもない香水やらドギツイ柔軟剤やら、なんならファ○リーズをまんまとかぶっかけて寄越してくれるもんだから、

え?飲み食いしに来てるのに手元にこんな匂い邪魔なんですけど?臭いんですけど?なんか色々台無しなんですけど?お前は気にならないの?お前こそが気にするべきじゃないの?わぁ手に着いた匂いが取れないのですけれどもー?けれどもー!?

って場面は私も実際経験したことがあるある過ぎて困りものだけど、そういうクレーム。

でもね、

けどね、

テメーでその「おしぼり」使って飲み食いしたことあるの?

あのさ、この手の匂いが嫌な人はガチでムリだよ?

てかさ、スメハラはなにも悪臭だけに限らないとか、ちょっと前にも話題だったじゃん?

出したてにちっとばかし消毒薬臭い「おしぼり」だったとしても揮発性が高いそれがずっと臭うなんてこたないけどねぇ。

しつこくつきまとう香りをそれでもあえて選択する貴店はいったい何屋で何を主旨とした店なのだろう?

最良のサービスとか言いたいなら工程はしょった誤魔化しみたいなことせずに全部キチンとしろよ?

昔ながらに言う良い香りのおしぼりってのは「残り香のするおしぼり」であって、そこに行き着くまでの工程と直前のわざわざこそが「気持ち」であり「仕事」であり「価値」であり「意味」でしょ?

文字通り取って付けてどうすんの?

つーかさー、マジでさー、こういうとこに気がまわらないでさー、むしろイイネ!とか言えちゃうような神経なら向いてないんじゃない?飲食、アハ、どうでもいいとか言っといて止まんないよ?アハ、アハハハハハハハハハ!

とかなんとか問うたって仕方がないのですよ、これが。

パフォーマンスで良いのですもの。

いや、きゃつらの大半はこれが最上級とか思ってそうで怖いけど。

香り付きのおしぼり=いいサービス。

香りが無いおしぼり=気が利いてない。

そんなモノサシしか持ち合わせていない、良く言えば被害者であり無垢な?人達のウケだけを狙うのであればそれで充分なんですもの。

世界はね、世界に住む人々の基準と願いを具現化したカタチ、それそのものなのですよ。

あれ、水にレモンが入ってると喜ぶみたいな、

おつりが封筒に入ってたら嬉しいみたいな、

チャージ取られてサービス料も取られて、それじゃ割りに合わない程度の謎オマケを押し付けられても、とにかく他と違うナニカさえ得られりゃご満悦ってな具合。

内容なんざどうでもよくて。

多分ウチの方こそ言われてるんじゃないですか?

「あそこのおしぼり香りがしなかったねーダメだねー分かってないねーいいBarのおしぼりは香り付きなんだよー」とかって。

じゃあウチでもやればいいじゃん、って?

絶対ヤダ。

優れてるとは言わないけれど、俺の鼻はバカじゃないし、

今回みたいな話がウチで出たってことは、飲み食いを大事にしてて本質的なとこの目利きもできるお客様にお越しいただけてるってことでしょ?

ならそれが何よりですもの、さ。

マイノリティーだっていいじゃないか バーテンダーだもの

好きにしろとは言ったけど自覚はしろよ?

オマエは誰かの築いた足場の上でこれを切り崩しながら、善くも悪くも今を変えようとするような、

そんな動きに少なからず加担しているのだということだけは。


ありがとう!ホームページ・アクセス数20万件突破記念!ご愛顧大感謝ブログ!

  • 2015.06.04 Thursday
  • 20:20

ありがとう?

ありがとうなのかな?

いやホント、しかし一体誰が見てるのだろう?

リアルな話、ブログを含めたホームページの話題が店で出ることなんて年に五回と無いし、

昨日から、本日も現在に至るまで口を開くこともなく、ただ糸クズみたいになって過ごしているだけの私には全くもって実感が無いのですけれども。

虚像にのみニーズがあってもねぇ。

えー?ネットで事足りるとか言わないでよー?


「と、通常はここで終了ですが、ただいまご愛顧大感謝キャンペーン中につき、同じ記事がもう一つ付いてきます!」


ありがとう?

ありがとうなのかな?

いやホント、しかし一体誰が見てるのだろう?

リアルな話、ブログを含めたホームページの話題が店で出ることなんて年に五回と無いし、

昨日から、本日も現在に至るまで口を開くこともなく、ただ糸クズみたいになって過ごしているだけの私には全くもって実感が無いのですけれども。

虚像にのみニーズがあってもねぇ。

えー?ネットで事足りるとか言わないでよー?


「これで満足?いえいえ!まだまだ!なんと今回!さらにもう一つ同じ記事をお付けして!合計三記事を1セットで!しかも!お値段はそのまま!変更無しの無料でご提供!」


ありがとう?

ありがとうなのかな?

いやホント、しかし一体誰が見てるのだろう?

リアルな話、ブログを含めたホームページの話題が店で出ることなんて年に五回と無いし、

昨日から、本日も現在に至るまで口を開くこともなく、ただ糸クズみたいになって過ごしているだけの私には全くもって実感が無いのですけれども。

虚像にのみニーズがあってもねぇ。




ブログでこの手法は意外と画期的ではあるよね。

意味は無いけど。




おしぼり小ネタ・1

  • 2015.06.08 Monday
  • 02:08
この前書いた「おしぼり」の記事が珍しくお店のほうでも反応あったから、

じゃないけどなんとなく出しきっておきたい小さな「おしぼり系」のネタを書いておこうとか思ったのさ、の1。


「鼻がバカになったらおしぼりを嗅ぐ」

ウチでストレートを飲み始めた人なら聞いたこともあるでしょう昔から推奨しているカウンター上の裏技。

ウイスキーやブランデーのストレートなど、香りを楽しみながら飲む酒を、嗅いで、飲んで、嗅いで、飲んで!嗅いで!嗅いで!飲んで!ワーーッ!!を繰り返している内に、

あれ?なんか匂いがボケてきた?香りが鈍い?いや、ん?私は何を嗅いでいたのだろう?まて、ワタシハダレダ…イノチトハナンダ…?

なんて嗅覚のゲシュタルトが崩壊したり自我が消失しかけた時には「おしぼり」を嗅いでみよう。

するとあら不思議、ポンコツになってたお鼻がリフレッシュ、

それまでがリセットされて、再び輪郭のハッキリした鮮明な香りが楽しめることでしょう。

ポイントはさりげなく、ちょっと鼻の下を拭くだけよ?みたいな仕草であくまでもさりげなく。

露骨にならないその様こそがスマート。

なのだけれど、そもそもなぜそんなことが可能かと言えば、

嗅覚ってのが順応性はべラボーに高いけど変化には非常に敏感であり、なおかつ短期的なメモリーの要領はごく小さいって性質を利用してるから。

つまり、鼻ってのは同じ匂いを嗅ぎ続けるとすぐに馴れ、あっという間にその匂い自体を感じなくなっちゃうけど、

次の違う匂いを持ってくると今度はそっちに支配され、前の匂いを再び敏感に感じとれるようになる、ってな具合。

普段の生活の中でも、例えば手のひらとか袖口を嗅ぐことでリセット効果は得られるけれど、

匂いってのはすなわち分子レベルの極小な粒だからして、後に持ってくる匂いには極めて低刺激、だけどキッチリとした分子、

「匂わないという匂い粒」なんてモノが望ましいとなれば、

理想は水分子、蒸気とかを吸い込んで文字通り洗い流すのが好ましい、

けどまさかBarのカウンターでスチーム吸入機を使ったり鼻うがいなんて始めてはとんだクレイジー野郎なので、

湿り気のある「おしぼり」なんてのは都合の良いアイテムとなるわけでして、これの匂いを嗅いでレッツリセットするのです。

一つスイッチを切り替えるためのアクションとしても具体的なアイテムを利用するのは分かりやすくて、

あれだね、ニュアンス的には眠らせるって効果を確実に実現させるためのクロロホルムを染み込ませたハンカチ、みたいな?

別のナニカを明確に嗅ぎ直す、水の匂いをキチンと吸い込む、ってのがポイントとなるのですよ。

言わずもがな次に持ってくるのがキッツイ匂いではそりゃ前の匂いはリセットされるだろうけど嗅覚センサーの機能そのものが破壊され、以降再起不能になる可能性もあるため、

例の「自称・良い香り付きおしぼり」なんかでは使えないどころか逆効果なのでご注意を。

まぁ一度お試しあれ。

は?ワタシの鼻はバカになんかなりませんし?ちゃんと一杯の最後まで香りを嗅ぎ尽くしてますし?

って人ほど、たぶんおそらく「うわ!私いつも終盤はボンヤリ匂いを嗅いでたんだ!?香りを楽しみきれてなかったんだ!?」ってなると思うから。

と、もちろん「おしぼり」ありきのお話なので「おしぼり」が出ない店ではどうしようもないけど、

その時は先に書いたように、手とか袖口とか、

「おしぼり」のそれに比べれば効果のほどはイマイチだけどやらないよりはマシなはず。

グラスの中の香りそのもの、そしてその変化は目に見えはしないけれど、

気付こうとする努力しだいでは見える以上の実感が得られるはず、なのも結局はアナタしだい。

そっち系のお酒はね、100%ポテンシャルを引き出せるか否かは飲み手の力量に委ねられるところが大きかったりもするので、

香りまでしっかり飲み干さなきゃね、もったいないじゃん?

あ、ちなみにクロロホルムをハンカチに染ませて鼻と口に押さえつけたってドラマみたいに瞬間的に眠らせることなんてできません。

暴れまくられるか、気絶まで持ちこもうとなると酸欠を引き起こすまで呼吸を止める必要があるため、それもはやクロロホルム関係ないじゃん?ていう。

あれはフィクション、良い子はマネしないようにね。

おしぼり小ネタ・2 そして終焉

  • 2015.06.10 Wednesday
  • 00:25

くらえ!



ぞうさんでぱおん。

以上、

私が唯一会得しているおしぼり芸でした。

これにておしぼりネタは終了。

んだよ終わんだよヤル気がねーんだよふてくされてんだよはぶてたんだよ先にナンバリングしたぶんこんなネタで引っ張るのが途端に面倒になっちまったんだよ時には感情に素直に生きてみたいお年頃なんだよ。

ちょっとブログのリアクションがあったと調子こいてみた途端に味わわされる孤独なエブリデイの到来を華やかで賑やかな浴衣祭りが追い打ちかけてくれちゃった矢先、

お気に入りだったこのミニはちみつを、



最近スーパーで見かけないと思ったら、ネットでも買えなくてどうやら終売クサイし、

下駄の鼻緒だシューズの紐なら聞いたことあるけど、



ロードバイクの金属ペダルがぶち切れるとか、どんたけの不幸の兆しだよ?って戦々恐々していたら、

なんかもう、得にならない珍事のフラグが乱立しまくりで、

ライフゲージを根こそぎ持っていかれそうなボスかよ?ここはクリア後の隠し洞窟かよ?ってな強キャラとのエンカウント率は急上昇するし、

それからもう、

あとね、

あと書けねーよ、書けるネタにしてくれよ、諸々起きるにしてもよぉ。

てなわけで、さぁ、切り替えていきまっしょい。

やだポジティブ。

そうね、よくネガティブ言われるけどなんだかんだで止まると死んじゃう回遊魚ばりにジタバタし続けちゃいるわけだから相当にポジティブな方だとは思うのよ?

我ながらに。

ただ思考回路が悲観的なだけで。

ショーペンハウアー的なね、強さのペシミズムってやつ?

ん?シニシズム的な?

ニヒリズム?

ポリリズム?

覚醒ヒロイズム?

と言えば、

ねぇ?知ってた?

ウチのロゴっていくつかのデザインを参考にして作ったオリジナルだけど、元ネタと言うか、コアの部分は「黒の契約者」のそれを参考に創作してたんだよ?

さんざ集めた資料とにらめっこしながら店のロゴを考えるも行き詰まっていた頃、

当時こっちじゃド深夜に放送していた「DARKER THAN BLACK」がつけっぱのテレビから流れっぱで、

ボーっと眺めててーの、

「お!」っていう。



前の店舗ならこのぐらいのシュッとした感でアリだったんだけど、今はなおさら昭和チックな店なんだし、

んー、もっと寄せていっときゃ良かったなぁ。

というどうでもいい情報。




テキーラの流儀

  • 2015.06.12 Friday
  • 02:56

アミーゴぉー。

やぁ、暑くなってきたけど元気にBE TOGETHERしてるぅ?

テキーラの新入荷をご紹介、

のその前に、

毎年のごとく今時分になると地味にテキーラを推してきた当店といたしましては、カウンターにて恒例だったマニュアルをここらで一つおさらいがてら、書き起こしておこうとか思いました。

べつに口答による同じ説明を繰り返し求められることが面倒になってきたわけではなく、ましてや同じ説明を繰り返し求められることが面倒になってきたわけでもないから、もちろん同じ説明を繰り返し求められることが面倒になってきたわけじゃないのでそれじゃ早速いってみよう。


「テキーラの流儀」

前提、テキーラを飲むにもスタイルは色々でして、そこはお好みしだい。

テキーラと聞いただけで「ヤベー!ヤベー!うえーい!」なんてザワつきだすような底知れぬ人格の大暴落がもはや歯止めもきかない様相はまるで毎日がブラックマンデーのごとく常に品性のストップ安みたいな連中がテキーラをイッキして今夜はバカになるぜもなにもテメーらは元から・・・、

なんてお子ちゃまにテキーラなんぞ与えてしまったがために引き起こされた悲劇にして残念の最終形態みたいなオーダーでない限りは快くお受けいたしますゆえ、

例えばロックで、あるいは何かで割る等々、お気軽にご相談ください。

なのだけど、やっぱり推奨したい常温ストレートはね、

いや、冷たいところをキューってのも良いのですが暑い時期のそれは不思議と常温でも爽やかで心地よく染み込んでくれて軽やかに酔わしてくれるから好き、っていう個人的趣向を大いに反映させた押し売りとはいえ一度はお試しいただきたいからして、

今回説明するのは「テキーラをストレートで飲む場合のマニュアル」ってのが正確なところ。

で、薦められるがままにオーダーしてみたらこんなのが出てきましたが?を解説していきます。

まずはこちらの画像をご覧ください。



これがテキーラをストレートでオーダーした際に並ぶべきラインナップにしてあるべき姿。

言うなれば「テキーラ・セット」。

なのだけど見たことがなくて当たり前なぐらいBarでこれを当然のものとして要求するほうがメンドクセー客と言われても仕方がないのだからね?

そこは理解してもらいつつ番号順に説明していきましょう。


1・カバジート

本命のテキーラそのものが入ったグラスだけど注目すべきはその形状。

ショット・グラス?

ノン・ノン、これはカバジート。

意味は小さな馬にして形は牛の角に由来しているとかいう謎アイテムだけど、

テキーラのストレートはズン胴のショット・グラスではなく、円柱の細長いグラスに注ぐのが正式とされています。

それも底の部分が飲み口よりも小さいものが好ましいとかなんとか。

これでチビチビとね、舐めるようにね。

アネホなど熟成タイプの色付きテキーラはシュッとしたテイスティング・グラスなんかで優雅に、ってのが今風だけど私的な美学に基づいて当店ではカバジート一択。

下品は論外だけど上品もお呼びじゃない、

乱れない程度のヤサグレ感と適度な無骨っぽさって必要だと思うの、Barで飲むテキーラには。


2・サングリータ

テキーラのストレートに必須の専用チェイサー。

メガネが顔の一部ならサングリータもテキーラの一部ですって勢いでメキシコでは各銘柄がそれ専用のサングリータを作り販売しているほど。




ワイン・パンチたるスペインのサングリアと同様に色から由来してその意味は血、

なのだけど中身はまるで別物で、トマトとオレンジのミックスジュースを柱に各種スパイスやらソースやらをブチ込んだなかなかのゲテモノ、

と言っては失礼かもだけど個人的には美味いと思ったことがないのよねぇ。

ウチ程度の規模では取り扱いが難しいし、廃棄覚悟で仕込んでおくわけにもいかないので、

当店ではクラマト・ジュースで代用しているのはあくまでもサヰキ式なんだけどこれがまぁなかなかによい仕事をしてくれて、

いかなる銘柄相手にも相性抜群なうえに新手のスタンド攻撃か電脳をハッキングされたとしか思えないぐらいにお口の中をリセットしてくれるもんだからテキーラが進む進むよどこまでも。

流行れ!テキーラにクラマト!


3・塩

元来はテキーラの原料になるリュウゼツランに寄生するボクトウガの幼虫、

一見イモムシにして実際イモムシなその虫の名をグサーノ・ロホというのだけれど、

コイツを干して砕いた粉末と唐辛子を塩に混ぜたサル・デ・グサーノなるスパイスが元ネタ。

なにしろグサーノ・ロホ自体が赤い虫って意味なので、そこに唐辛子まで入っているサル・デ・グサーノはピンク色であるため、

これを再現すべく色の濃い岩塩を使用するなり着色して、

とにかく白い塩をまんま出すなんざ野暮ってもんよ、とされています。

いや、彼の地においてもただの塩って横着は浸透しつつあるようなのですが、

当店では比較的マイルドな岩塩をパプリカ・パウダーで着色したものを使用。

虫は入ってません。

ちなみにグサーノ・ロホなる虫を見てみたい人はそのままの名前で実際コイツを漬け込んだ(元々はアルコール含有量を証明するために行っていたのが由来)、

と言ってもかなり小さなサイズの、しかも一匹だけ、おまけにアルコール漬けのせいで色も白くなってるけどボトルの底に沈んでるテキーラ(正確にはメスカルって下位互換の別酒)があるので酒屋かBarで探してみて下さい。

しかしそもそもなぜ塩を?は次でまとめて。


4・ライム

あれでしょ?塩とライムを口に含んだところにテキーラを流し込んで・・・、ん?テキーラ飲んでから塩とライム?

とかどうでもいい順番に悩んでたりする勘違いさんが多いようだけど、

元々昆虫食が盛んなメキシコでは、別にテキーラに限った話ではなく酒のつまみ、

あるいは酒すら関係なくて食卓のお供として、

サル・デ・グサーノとライムってのは付き物で、

なんだろう?日本の卓上醤油とお新香みたいなもんだろうか?

根底にはタンパク質とミネラル分とビタミンの摂取、および食欲増進効果って目的があったにしても、

つまりは「肴」なのです。

酒とあらばもうビールにさえ塩とライムをブチ込まないと気がすまないっていうお国柄から推測すると習慣を通り越してなにか病的なフェチズムって気がしないでもないけれど、

これをアテにしてテキーラをチビチビどうぞ、ってための添え物なので後も先も無く、どうするかは自由。

ライムに塩振ってしゃぶるとか、ライムでカバジートのフチを濡らしてセルフ・スノースタイルなんて独自性を発揮される御人もいらっしゃいますが、無茶しない限りにおいてはお好きにどうぞ。

なのですがあまり放任し過ぎるのもいかがなものか?ってことで、一応基本とされている型がこちら。



ライムを人差し指と親指でつまんで、その付け根あたりに塩をのせ、ライムをしゃぶり、塩を舐めするこのスタイルこそ!

ワンハンドおつまみプレート・ポジション!

などとは呼ばれちゃいないけど一番ポピュラーとされています。

塩は適量をその都度、無くなったら補充すれば良しとして、

ライムは、そりゃまあ好きなら一口でかぶりついてもいいのだけれど、どちらかと言えば舐めるように、しゃぶるようにね。

おかわりが必要ならば二つや三つならご用意もいたしますが、テキーラ一口毎に一かじりとかあんまり数がかさむようならウチじゃなくたって嫌われちゃうのでご注意を。

初めからライムをジュースにして添えるスタイルもあるのだけれど、それをしないししたくもないのは、

だってここが日本でライムて高いからなわけ。

いっぱい欲しい!ジュースで欲しい!って方はレモンでいいと言っていただけたらありがたいです。



こんなところかな?

流儀とか言いながら用語説明に終始してしまったし、なんやかんやでオリジナル要素が多いのであくまでも当店のスタイルと踏まえつつキーワードだけ普遍的なものとご記憶いただければこれ幸い。

けっきょく実践的な飲み方に関しては個々の趣向を尊重しつつ練習と慣れこそが肝要でして、

特に塩とライムの扱いなんかね、不慣れだと付け焼刃感が露骨に出まくりなので、

そのあたりはご希望とあらばカウンターにて個人レッスンいたします。

北島マヤも白目をむいちゃうこの私の演技指導についてこれると言うのならばテキーラが似合う一流のデスペラードになることもまた夢ではないと約束してさしあげてよっ?!

目指せ紅天女!

違う、テキーラマスター!

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