お客様が「コレ知ってる?」とウンチクなり雑学を持ち込まれるのはままあることなのですが、
あのさ、
聞いといてこっちが「知ってる」って答えた途端に露骨に嫌そうな顔するのはやめてよね?
こんばんは、
およそ生きるに必要ない無駄知識ならば無駄に知っているでお馴染み、アカシックレコードのゴミ箱フォルダことサヰキです。
そんなこんなでタイトルにもある「4スタンス理論」。
今回のお客様はテレビから仕入れてこられたネタだったようですが、
これ、少なからずBarとの関連性もある話なので少しイジっておこうかな?と。
まず肝心の「4スタンス理論」とは、
全ての人間が先天的に有している肉体的な特徴のうちでも主に重心と動作の連動性については大別して必ず4つに分けられる、
とした考え方で、
言ってしまえばつまりはクセ。
手っ取り早くまずは判別してみましょう。
直立状態で横から誰かに手首を掴んで引っ張ってもらい体が動かなければタイプA。
重心が崩れて引っ張られた横方向に素直に傾くようならタイプB。
次にヒジを掴んで同じく横方向に引っ張ってもらえばタイプAなら今度は動いてしまうはず。
タイプBの人は動きません。
引っ張ってもらう人なんてそばにいないわっ!リア充爆発しろ!って私みたいに残念な人はもっと簡単に、
ケータイを耳に当て、た時に指でつまむように持っていればタイプA。
タイプBならしっかり手の平をつけて握っているはず。
ウチワで自分をあおげばタイプAはワキを締めて手首で、タイプBならワキを開けてヒジを使って。
Aの歯磨きはブラシを指で持ちヒジは固定して手首を使って。
Bはブラシを握りワキを上げてヒジから動かし。
つり革に指を引っ掛けるだけのA。
しっかり握るB。
で、ここからさらに重心が内側か外側かと調べていけばその名の通りタイプA1/A2・B1/B2と4つに分けられるのですが、
AならBの、BならAのアクションが、理解しがたいレベルで有り得ないと感じるもんだからアラ不思議。
そもそもコレ、スポーツ分野で発見・活用されている理論で、
要はフォームとかトレーニング法とか、従来であれば理想とする完成形は不変的にして唯一無二の絶対正義と考えられていたものが、
例えば野球のバッティングなら、両ワキを軽く締め、アゴは引いてまわし、顔はピッチャーに対してなるべく正対させてウンヌンが万人に共通する正しいあり方とされていたわけですが、
実はこれだとタイプBにとっては窮屈でポテンシャルを活かせないフォームだったと判明。
野球に限らずなんですけど、振り返ればあらゆるジャンルにおいてタイプA向きの指導法こそが全ての人に適したトレーニングだと勘違いしていた事実が浮き彫りとなり、
その最たる原因となると、おそらくは見た目単純にスマートで綺麗だから(ここ重要)なんだろうけど、
これは見直して行かねばならないでしょう?と、今やスポーツ指導に従事する人達にとっては常識となりつつある理論なのです。
けっこう画期的な。
マジ、パラダイムシフトな。
あぁ、これまでタイプBで才能を潰されてきた人って多いのだろうなぁ、とか思うとせつないけども、
なにしろここはBarのブログなのです、一応。
以下、専門的なことは各々自習ってことにしていただいて、
今回はもうこのタイプA・Bって二つの分類だけで私の話は転がるのでBar関連に的を絞りつつ先に進みます。
重心がどうのはあんまり関係ないのよね。
要は、
「手を使った作業的運動」の際、
タイプAはワキを締め手首を活用する指先スタイル。
タイプBはワキを上げヒジから全体を動かす腕スタイル。
という所がポイント。
私が最初に気になったのはシェーキング。
バーテンダーさんの中には基本的な二段振り、あるいは一段振りであってもワキをパッカパカして、えー?飛んじゃうのー?どっか飛んでっちゃうのー?ってぐらい羽ばたくような振り方をする人がいらっしゃる。
懐かしいところで言えばラララライ体操だったりワカチコワカチコー的な腕の動き。
これがもうどうにも気になっていました。
だって無駄じゃん?
意味無いじゃん?
あ、ちなみに私はタイプA1なんですけど。
体の正面で腕を上下運動させスナップは手首を使えばいいだけなのにどうしてワキとヒジをバタバタさせる必要があるのさ?と。
私のシェーキングも右ワキだけはパカパカさせますが、これはワッシワシ振ってもアイスフレークを極力出したくないからこそ縦方向だけではなくリアルに横にも振っているためで(氷を直線的にぶつけないようにするため)、
横から見ると全体は上下、正面から見るとシェーカーのボトムを横8の字に動かしているので連動してヒジも上がる、ではなく上げているのです。
そのあたりを横軸の動きは無い、てか両ワキを同時にパカパカしてるんじゃどうにも意味は無いよねえ?って人に聞いてみると、
「ヒジの動きを手首に伝わせて腕全体でより強力なスナップを・・・」とか、
もっともらしいけど有り得ないバカみたいな答えを返してくる人は放っておくとして、
当時は自分がタイプAだとも知らない私からすると単純動作に無駄なアクションをねじ込むなんてことがむしろ逆に難し過ぎて、ワケも分からぬままある意味スゴイ?のか?、とか感心しかけていました、が、
その手の人達をさらに観察するうち、なんだか気になる共通点が色々見えてきまして。
それは、シェーキングでワキがパッカパカの人はシェーカーからグラスに中身を注ぐ時でもワキがパッカーだし、
もうシェーキング関係ないところでも何かにつけてはワキを上げヒジから腕を動かすために体の中心線とか崩れがちだし、
あとなぜか高確率でボトルの扱いが雑。
掴む、もう、ガシッと、むんずと。
全体的にどうにも繊細さと優美さに欠ける動き。
いや、細かいところは誰であろうと意識しなければこなせない所作にしたって、
とにかく指先だけ、手首だけって動作が苦手なご様子の人が圧倒的に多い。
さらに指導する立場になってからは気付くことも増え、
スナップの練習のために上下運動なしで手首だけ動かしてみろと言ってもワキが、ヒジがパカパカしちゃう後輩は中々これが修正できず、
あぁ、パカパカして振ってる人って「してる」んじゃないんだ、「しないと」振れないんだ、と発見はやがて確信へと至り、
同じ後輩にいくらボトル、に限らずカウンターの中ではあらゆるモノを扱う際に指先を使って優しく丁寧に、と教えたところでうっかりガッツリ掴んでくれる握ってくれる。
これが一緒に飲みに行ってはステム付きのグラスであってもワシっと握りこんでみたり、
グラスをヒジから持ち上げて飲むもんだから隣で飲んでるこっちの視界とパーソナルスペースにチラチラ進入して来るわでなんかさー、
あのさー、
もーーーー!
って、
あれ?
ふとお客様を観察してみてもそう、
グラスの持ち方と飲み方、動きに姿勢。
一事が万事とはまさにこのことで、本当に一点、
モノを、
ツマんで扱う人は腕を無駄に動かさない。
ツカんで扱う人は腕全体を動かさずにはいられない。
印象としては特にヒジ。
前者は固定気味なので必然ワキも上がらないから全体的にコンパクト。
後者はむしろヒジから動くので当然ワキも上がってダイナミック。
丁寧な人と雑な人がいる、ってだけの感想で済まされる話じゃないぞ?
つながってる!
法則性!
うひゃあwwwちょwwwコレwww大発見?と思って調べてみたら既にありましたから今語っています。
話は冒頭、だから知ってました。
で、
私がタイプAなのをいいことにタイプBの方を追い込みたいのでもイジメたいワケでもないのですが、
見た目を犠牲にしたって成果を優先して然るべきのスポーツならともかく、
残念ながらBarにおいて求められるのは作り手にせよ飲み手にせよ単純に見てスマートなフォームが、
つまりはこれ、タイプAの動き。
なにしろ印象・所作・行儀・雰囲気の問題ですから。
ことバーテンダーの資質として見れば、タイプBの人はフレアとか向いてるとも言えるのでしょうね、きっと。
もちろん修正も矯正もできるわけですけど、まずは知っておかないと。
知っておいてどうするか?あるはどうもしないか、それは自由。
今日のところはとりあえずお見知りおきのきっかけってことで終わっておきます。
ただ本当、この先この理論は「うさぎ跳びはヒザに悪い」とか「運動中の水分補給は必須」ってレベルで常識化していくでしょうから覚えておいて損はないはず。
これね、難しいところなのです、表現やら言い方。
バカがオモチャにしちゃうと選民思想やら差別意識にもつながりかねないので。
説く方も受け入れる方も取り扱いにはくれぐれもご注意を。
無理強いもナンセンスなら卑屈になる必要も無いのだから。
まぁあれです、見えるとこの綺麗にこだわってるうち、見えないとこを醜く歪ませてしまいませぬように、
ね?
いいこと言った!オレいいこと言ったよ!
た↑だぁ↓、
その昔「お前はヒジが動いてないから手首のスナップも効いてないしダメだ!」とかワケわかんないイチャモンつけてきてたタイプBのドアホウ!
オレはテメーみてーにヒジもワキもアホみたくパカパカ開かなくったってちゃんと手首を動かせんだよ!
やーいやーい!
ええ、私はいいのですよ、とっくに汚れてしまっているので。
少なくとも今後、ヒジやらワキやらの動きをして、
やれこれでヒネリを加えてるんだー、だからシェークの性能が違うんだー、オレのカクテルはスゴイんだー言うてた連中のウソはもう通じないからね?
お気を付けあそばせ。