なにかがおかしい。
やる気スイッチはメリ込むほど押し込んでいるのに私に私がついて来ない。
病気でもなければ怪我でもないが元気と言えば嘘になる。
だがしかし辛いと言うほどでもない、
慢性的な疲労感と倦怠感を常時引きずりながら、
眼を開けているのにどこか覚醒しきれないで頭の片隅に靄がかかったような、
肉体と精神が微妙にズレているような、
そんな状態が続いて早数か月。
幸いなことに集めてまとめれば総合病院の運営には事欠かない程度には各分野の医療従事者が揃う当店のカウンターならば、わざわざ病院に足を運ばずとも問診を受けてみたところ、
診断書にあえて書くなら自律神経失調症としか言いようもない、
つまりこれはアレらしい、
「老い」だ。
「ちょっと早いけど・・・ハイ!更年期障害だお♪」と幼馴染のかわいいあの娘に早めの誕生日プレゼントをもらった風に脳内変換してみたけれどそれはやっぱり嬉しいわけもない。
来た。
どうやら来ちゃったらしい。
誰もが自分は例外で特別で無縁と信じてやまないが、
同時に誰もが抗いきれず逃れられない、
これが老化というやつか。
それはもちろんこれまでにも年齢を重ねてきたと自覚する瞬間はあったが、
明らかに以前までのそれとは次元と質とふり幅が違う。
が、
「年間通して休みも無いこの労働時間に加えて腹筋割る程度の運動を持続できてりゃそれはまだまだ充分に元気な部類」と言われてみると、それは確かにそうかもしれない。
現状維持にはすでに尽力できているとするならば、別角度からのさらなるアプローチ、
今後は「アンチエイジング」がテーマになってくるのだろう。
子供じみた言いぐさは相も変わらず、決して長生きを望むわけではないけれど、
今、ここで屈するのはいささかシャクなのです。
最近、諸先輩方との話といえば、もっぱら健康がテーマに絞られ気味とかいう色気の無さはバーテンダーとしていかがなものかとは思うが。
実はすでに「セサミン」に手を出していたもののいまいち効果が感じられなかった私だが、先輩からのアドバイス、
「サプリ系に頼るな、食するモノの中にこそ正義あり」との言葉を受けて、
先日から黒酢を飲み始めた。
私は、それがたとえ眉唾の疑わしい事例であったにせよ自らの臨床データのみを信ずるのであれば、とりあえず迂闊に手を伸ばしてみるを躊躇しないタイプなのだ。
でもちょっとなんだか調子がいい。
私は存外、単純な生き物なのだ。
あとは少し、休息についても真面目に考えなければならないだろうか?
量ではなく、質という意味で。
ところで、
休みと言えば年末年始。
休業するにしても大晦日と元日だろうが明言はもう少し先延ばしにしておきたい。
その選択がこの手の中にあるという自由こそが最も楽しい時間だから。