九州+α (後)
- 2016.04.02 Saturday
- 18:51
鹿児島「かのや 黒豚カレー」
美味。
鹿児島県鹿屋産の「六白黒豚」と「紅はるか」(さつまいも)を使用。
いささかネタとしてのインパクトには欠けるものの、
そんなことはどうでもいいと思わせるクオリティーの高さ。
ご当地カレーは緯度が下がるほどに甘味が強くなる傾向を感じていましたが、
南方系の美味しい「当たり」カレーの共通点こそが、まさにその甘味の上手な使い方。
これまた負けじと強めのスパイスをぶつけておいて、それでいてケンカさせるワケでなく互いを活かすバランス取りの妙。
本品はその最たる例で、ともすればカレーでの扱いが難しそうな「紅はるか」由来の甘味を最適化された香辛料で調和させ、甘辛の塩梅を高レベルの美味にまで昇華させています。
また、味を構成する成分が非常に多く、コクと深みも充分。
丁寧に作られた旨味はもはやレトルトの域を越え、そこらでランチに出されているちょっと奇をてらってみただけの自称こだわりカレーなど凌駕する完成度。
さらに具材の豚肉も質・量ともに文句なし、
と、中身だけでもここまで素晴らしいのに特筆すべきはコレ。
パッケージに使用されているのは箱ではなく包み紙で、
これを広げると「かのや黒豚」ブランドのカレーが食べられるお店の紹介から鹿屋市の詳細データと観光スポット案内に便利な地図まで記載されてと、
しゃかりき溢れるアピール意欲に溺れてしまえと言わんばかりのご当地情報が盛り沢山。
ありそうで無かったこのアイデアと姿勢、これだーっ!みんなメモれっ コピれーっ!MAKE MONEY!
いざ立ち返ってみればそう、
これと比べると多くのご当地カレーは特定の食材を消費し宣伝することのみに終始して、肝心のご当地貢献・郷土愛の感じられない、言わば便乗商品ばかりが目立ちます。
あらためてご当地カレーの、その意義と使命を思い出させてくれました。
とにかく誠意を感じる逸品。
ありがとう。
宇宙「スペースカレー 宇宙日本食レトルトカレー」
宇宙キター!(このカレーに仮面ライダーフォーゼ、ならびに福士蒼汰は付属しません)
お陰様をもちまして、すでにグローバルなラインナップをレビューするまでにはサクセスしていた当ブログのご当地カレー探求ですが、
ついに地球を飛び出して、その範囲は宇宙にまで広がるコズミックぶり。
で?なにが宇宙って?
本品はJAXAこと国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構とハウス食品が手を組み、宇宙飛行士が宇宙で食べる宇宙食として共同開発された宇宙専用カレーなのだ。
頭痛が痛い、みたいな解説になってしまったがアレだ、
ザクで言ったらF型だ。
ドムで言ったらリック・ドム。
まぁ、製造は大阪のそれを「はやぶさ」の打ち上げで知られる鹿児島は内之浦宇宙空間観測所にてご購入いただいたわけですけども、
「じゃあ国産じゃん?宇宙じゃなくね?」とか夢の無いこと言う子、先生キライだな。
ここまで何回「宇宙」て書いてると思ってんだ?
だったらそりゃもう宇宙土産でしょ?
内容的な特徴としては、無重力空間では味覚が鈍る(へぇー)ことを考慮して濃い目の味付けがなされているほか、
宇宙空間での生活をサポートする目的でウコン・カルシウムなどの成分を通常のカレーより多めに含むなど(ほぉー)それ専用に強化・カスタマイズが成されているのだ。
ザクで言ったらS型だ。
いや、R系かな?
それでお味はどうだった?って、幾分濃い味の無難なカレーだったけど、もはやそんなことはどうでもよいのだよ。
ロマンだロマン。
私がいただいたのはカレーじゃない、
ロマンなのだから。
そして今、取り込んだその全てが、
「きのこ」が、「チョウザメ」が、「黒豚」が、「宇宙」さえも、
私の血となり肉となる。
まるっとまとめてご馳走様でした。
ありがとうございます。
いや、割とまじめに今の私をそれなりの施設に持ち込んで成分分析を依頼すれば数パーセントぐらいは「カレー」って出てくるんじゃなかろうか?