か、完食?七種類のご当地カレーを完食?一週間もかけずにか?・・・
- 2016.07.01 Friday
- 01:36
愛媛「愛媛の赤いトマトカレー」
とても良くできています。
ヘルシーさを求めるがあまり、ともすれば軽薄な印象にもなりがちな野菜主体のルーをしっかりと支える動物性脂肪分と、
おそらくは小麦粉も多めに配合してあるのでしょう、
粘度を高めにすることで爽やかな酸味と深みのあるコクの両立に成功しています。
具材がトマト、という感じではなく、スープそのものをトマトとしてルーを溶かした、といったテイストは、
水を一切使わず、代わりにトマトジュースとホイールトマトを使用して作る裏技的カレーレシピのような仕上がりで、
そう言えば昔、彼女が得意になって「これ知ってるぅ?」と作ってくれたのを思い出しましたが、
あの時は、そう、女子に接することに関してはオーガニック・コットンよりもやさしいと言われた、この私ともあろうものがリアクションを間違えて、
「どう?」と感想を求められたのに対し、
「まぁ、普通?」と答えてしまったばっかりに彼女を不機嫌にさせてしまったというどうでもいいエピソードをついでに語りつつ、
いただけないのはパッケージにおける説明不足感。
アカウンタビリティをプライオリティしてないからコンプライアンスがコミットされていません。
愛媛とトマトの関係性については華麗にスルーしておきながら、けっこうどうでもいいピザへのアレンジ・レシピにスペースを割いているのは、まぁ良しとして、
「愛媛のご当地タレントらくさぶろうとコラボしました!」とありますが、
で誰だよ?
コラボ?
と、その内容には一ミリも触れていないため何がどうコラボってるのかは純度100%で謎。
どころではなく人物紹介はおろか写真すらないので「らくさぶろう」なる人物、まずそれ自体が謎。
パッケージ裏には、これはおそらく、その「らくさぶろう」が演じるキャラクターなのだろうけれども、
突然「らくおばちゃん」なる謎人物がイラストで登場するも、やはり説明が無いどころか「はたしてその正体は???」と煽ってくる始末。
だから知らないっつーの、を通り越して少しイラッとさせられます。
「詳しくはウェブで」とアドレス表記、すら無いという徹底した秘密主義はナゼなんだぜ?
このご時世、そのぐらいのことは自力でググレカスってか?
いや、そのきっかけをここでこそ持ってもらわなきゃ、紹介しなきゃのご当地カレーなんじゃないの?
「私は誰でしょう?」なんて書かれた名刺を渡されましても、ねぇ?
というわけで、愛媛では盛り上がるのかもしれませんが、他府県の人間には取り付く島もない勢いで一切なにも伝わってませんよ?
地産地消目的で生産しています、ってわけでもないなら改善されたほうがよろしいかと。
広島「戦国カリー 毛利元就の陣」(一部端末では表示できない文字をカタカナに変換しています)
今場所の千秋楽、結びの一番を飾るこのカレーだけは他と少々異なる経緯をたどって登場。
地元・広島のお客様が近所のスーパーで見かけて、
「てぇへんだ親分!こんな不届き者がいやがったぁ!叩き斬ってくだせぇ!」と当店に持ち込まれた代物。
いや、なに目的のブログだよ?そもそもの主旨な?
とお断りしようにも、このパッケージを一目見てしまったからには捨て置くわけにもゆくまいて。
どぉれ、一から順にゆるりと潰して参ろうぞ。
瀬戸内の穏やかな気候に育まれた新鮮な毛利元就がギュッとつまった贅沢なカレーであるはずがないならば、
どこいらあたりが毛利要素かと言えば、
あまりにも有名な例の故事になぞらえて、広島を代表する三つの素材を一つに合わせたご当地カレー、
などとどの口が言うのか?
一目瞭然でネタバレですが、まずは箱の左上をアップに。
さて、
律儀に上から一本ずつ、へし折って行きましょう。
一本目「広島産の梨」
このブログの懸命な読者様ならお気づきでしょうが、出たよ、梨。
どうしたって梨とカレーは相性が悪く、梨を活かせばカレーが死に、カレーを活かせば梨が死ぬことは明白な事実であるにも関わらず、
なぜご当地カレーはこぞって梨を使いたがるのか?
普通はリンゴのところをあえて梨のオレカッケーなのか?
はたまたご当地カレー業界と梨ギルドの間には水面下にて取り交わされている秘密の黒いつながりでも存在するのだろうか?
そして、なぜ都道府県別生産量で25位なんて中途半端な広島の梨をご当地の素材として筆頭に掲げてきたのかも謎だけど、
それでもまだ広島産だからね、うん。
さぁ、一気に加速するぜ?
しっかりつかまってな。
二本目「ブレンドスパイス」
ブレンドしちゃったよ!複数じゃん!
三本の矢どこいった?!
広島もどこいった!?
まだ二本目なのにあきらめるの早過ぎだろ!?
てか、カレーにブレンドスパイスって当たり前じゃね??
むしろ使ってなかったらカレーじゃなくね!?
ちょっとナニ言ってるのかわからないんですけれども容赦なく次。
三本目「沢山の野菜」
なんなんだオイ?
日本語が不自由か?
来日三日目か?
沢山て言っちゃったあああああーーーー!!!
三本て言うてたのに三本目で沢山て言っちゃたああああーーーー!!!
三て数の意味ぃいいいーーーー!!!
沢山て言葉の立場ぁあああーーーー!!!
二本目で投げておいて三本目で自己否定ぃいいいいいいーーーー!!!
こうやって一本の矢では簡単に折れてしまうじゃろう?二本でもじゃ、しかしこうして三本目に沢山の矢を束ねてやればそりゃ折れねぇえええええーーーー!!!
何本の矢ぁーーーー?!
メニーメニーねぇーーーー?!
無敵を信じて雨のように降ってくる矢の中を歩いても無傷だったっていうアレキサンダー大王でさえ即死する勢いで撃ってきてるぅーーーー!!!
つーか野菜ぃいいいーーーーー!!!
ふつうーーーー!!!
それはカレーに当たり前ーーーー!!!
いるよーーー?!
沢山の野菜ーーーー!!!
カレーにぃいいいいいいいいいいいいああああああああああーーーーー!!!
てなわけで、味?
もはやそんなことはどうでもいい話しだしお察しください。
「毛利元就」要素ゼロ。
よくよく考えてみれば「戦国カリー」ってなんだよ?変なところにだけ凝ってロクに変換もできやしない文字まで使ってさぁ?
「毛利元就の陣」ってのもどういう意味だよ?
ねぇ、ここには何か一つでも本当があるの?
・・・ナシ?
いや、誰がウマイこと言えと。
というか、
エ?コレハイッタイナンデスカ?
こういう便乗商法的な誠意の感じられない商品を目にすると、
特にそれが飲食物であるならばなおのこと、怒りとやるせない感情がこみ上げてきますが、
それ以上に思うのは、
こんなモノでもきっと、少なからずの大人達を経由しているであろうにも関わらず、
世に出るを止められず、
あるいは喜々として送り出され、
そしてそれを仕入れ、売り、買っている人が現実に存在するのでしょう?
なんとなく、まぁ、売れればいいか?食えればいいか?と。
構造的には同じなのだよなぁ。
分散された責任ならば誰も使命と感じぬままに、気付いた時には手遅れでも、その問題の一端を担う構成要因の一つであったことさえ無自覚、とか。
今回のこれでないがしろにされているのは情報面だけだとして、
技術面が犠牲にされた場合、
安全面が軽視された場合、
より利益優先で全てにいい加減になった場合でも、はたして笑っていられるか?
相変わらずの事件・事故が起きてしまうなら、
違和感には敏感に、
ありえないを見逃さず許せないとしておかなければいけないの、とか思うよ?
コワイ。
もう本当にコワイ。
私の心の矢も折れたところで(ウマイ)今回はお開きと相成ります。