もう一度観たければさっさと行けよ?てか公開四日目にして満席だった?ってなに?
と思われた方はするどい。
これにはいくつか事情がございまして、
私、これで一応バーテンダーなもので、昼夜逆転とは言わないまでも、日照時間の短い人生を歩んでおりますゆえ、いざ映画など鑑賞しようとなりますと生活リズムに支障をきたす恐れがあり、
さしずめこれを一般の方に当てはめますれば、普段は午前六時起きの人が、早朝三時には起床して劇場に寄り、それから出勤するようなものだとするならば、
上映時間を考慮の上、より負担を軽減すべく画策しました結果、
立地は通勤途中、「アルパーク北館・109シネマズ広島」で行われる開始時間は午後二時十分の回が最適と、
立案された作戦に問題がただ一つ。
4DX上映なのですな、これが。
広島ではまだ珍しく、市内に限定すれば唯一の導入映画館ですからして人気も高く、
ゆえに満席だったというわけなのです。
そもそも4DXってなに?って方は解説ホームページでもご覧いただくとして、
http://109cinemas.net/4dx/
映画は静かに落ち着いて。
じっくりゆっくり鑑賞に没頭したいを願うなら、
IMAXならば興味もありましたが、3Dさえ避けてきた保守的な私といたしましては、かのような「奇抜」はなんとも選択し難い条件なれど、
そこはそれ、ゴジラの為ならば致し方なく初体験して参りました。
まぁ、話のネタに一回ぐらいはね?
というコメント自体がすでにネタバレ臭いですが、
「どうなのよ?」って興味のある方の参考になれば幸い、個人的な感想というかレビューをば。
「前段階」
大きな手荷物は事前にロッカーに預けるシステムでした。(返金タイプ)
飲食物の持ち込みは基本的にOKなのですが何しろ色々起きます。全て自己責任で。ドジッ子は自粛するのが吉です。
離席・再着席の難易度が通常のシートよりも高くなります。離れる時は良しとしても戻って来た際に大縄跳びに入れないで「あわわっ」ってなってる子、みたいな人が実際にいました。いつにも増してトイレはしっかり済ましておきましょう。
「椅子が動く(大)」 90点
座席自体が上下左右、フレキシブルに動くのですが、これが思っていた以上に荒ぶるアクションで、あぜ道をかっ飛ばす軽トラか、ポニーにまたがってロデオをしているぐらいにはぐりんぐりん動きます。
最高、スゴクイイ。
鑑賞の邪魔になるどころか臨場感ハンパなく、むしろ作品に没頭できます。
シンクロ率ヤベー。
元からして絶叫マシン好きな私でしたからもっと動いてくれても良かったぐらいでしたが、三半規管がデリケートな人は注意が必要かも?
「風が吹く」 80点
前方から風が吹くだけで、まさかこんなに体感度が変わるとは、素直に驚きです。
爆風や衝撃とリンクしたそれはイマイチでしたが、何かしらの乗り物に搭乗しているシーン、とりわけ飛行している場面で「椅子が動く(大)」との合わせ技が発動すると効果は抜群。
危うくケイト・ウィンスレットの生霊が舞い降りてきて「飛んでるみたいだわっ!」とか口走るところでした。
今度、家でレースかフライト系のゲームをする際には扇風機を置いてみようかな?とか思わせるレベルで感心。
「椅子が動く(小)」 30点
まんまマッサージ・チェアのそれを想像していただければけっこうです。
背中に「たたき機能」、足元には「バイブレーション機能」と、内蔵されたギミックが細かく仕事をします。
「椅子が動く(大)」とは違ってアクションが小さい上に局所的なため、どうにも取って付けた感が強かったです。
と、中でも一点、特に気になったのは、
攻撃ヘリ・アパッチがゴジラに対してヘルファイヤー対戦車ミサイルを二発「バシュ!バシュ!」と発射するタイミングに合わせて、背中の「たたき機能」が優しく「トン・トン」とマッサージをしてくれた瞬間には「違うだろうっ!?」と少しイラっとしました。
「水が出る」 10点
ミストがふわー、みたいなものを想像していると大間違い、わりにビシバシ顔面めがけて飛んできます。
死んでもスッピンは見せたくないという方はウォータープルーフ全開のばっちりメイクで挑んでどうぞ。
今作においてはハンカチで対応可能な範囲でしたが、これ、海洋系映画だとどうなるんだろう?
まさにアトラクションといった要素で、「おいおーい♪」と喜べたのも最初だけ。
私は鑑賞中メガネをするので邪魔以外のなにものでもなく、この機能のみ手元のスイッチでオン・オフが選択可能なため速攻で切りました。
「シャボン玉とんだ」 2点
本作では倒壊したビルから舞い上がる粉塵にリンクして一回のみ、シャボン玉と言っても小さなものが大量に、
それこそホコリのごとく、といった感じで使用されましたが、「わっ!なんか出たっ!」とテンションが上がったのも束の間、
すでにシーンが切り替わっても消えずに浮遊するそれは目障りなだけですし、よく見りゃシャボン玉なわけですし「なんでメルヘンやねん?」っていう。
「スモークが焚かれる」 0点
劇場最前列の左右から往年の歌番組よろしく白い煙がもくもくと出ます。
時にはその辺りに座っている方、「あれ?観えてんのかな?」と心配になる勢いでしたので座席選びの参考までに。
私が座った位置は後方寄りだったので鑑賞の支障にはなりませんでしたが、距離があるとそれはそれで意味も無く、
そもそも完成した映像作品の上映にあたりスクリーン外での視覚効果ってどうなんでしょう?
「フラッシュがベカベカ」 -30点
天井の左右に設けられたフラッシュがストロボ撮影のごとく瞬きます。
作動時間は短いながらも強い光の影響は大きく、映像が瞬間とはいえ薄くなる、
のよりも問題なのは、せっかくスクリーンに没頭していたのに、それよりも明るく照らし出された鮮明すぎる劇場内の観客席が目に飛び込んでくるおかげで一瞬にして現実に引きも出されると同時になんとも白けた雰囲気を感じてしまうその様は、
まるで、薄暗い明かりの中、せっかく彼女といいカンジにヨロシクしていたのに慣れないラブホの照明スイッチに当たってしまい、いきなり部屋を最大光量で明るくしてしまって「な、あ、ごめん・・・」みたいな気まずさ。
「耳元に空気を発射」 -100点
座席の頭部付近に二つ、ちょうど両耳の少し外側の位置に噴射口があり、ここから空気が発射され、
上手く作用すれば「弾丸が耳元をかすめたゼ!」みたいになります。
「ワタシぃ、耳が弱いのぉ」って方はご注意ください。
じゃ、ねーよ。
うるっせーんだよ。
「パシュ」って言う、耳元でハッキリクッキリ、カタカナで、「パシュ」って言いやがる。
耳の後ろに控えた小さいオッサン二人が「パシュ」って言いながら息を吹きかけてきやがる。
とにかくウルサイ、まぁーウルサイ、全編通してウルサイのだけど、最高に最悪だったのは攻撃ヘリ・コブラが20ミリ機関砲を撃つシーン。
進行するゴジラに対してに命がけで「ダダダダダダダッ!!!」
にリンクして左右交互に「パシュパシュパシュパシュ」。
やたらリズミカルに「パシュパシュパシュパシュ」。
オッサン二人が「パシュパシュパシュパシュ」。
じゃかましわいっ!
なんで鉄板をもブチ抜くガトリング攻撃がオッサンの鼻息に変換されとんねんっ!!
「いい香りを出す」 -5億点
なんの匂いぃーーーーーー!?
ねぇこれ一体なんの匂いぃーーーーーー!?
ゴジラからずっと謎の甘い匂いがするよぉおおおおーーーーー?!!
めっちゃするよーーーーー?!!
そんなシーンなくねーーーー?!
必要性皆無じゃねぇーーーー?!
関連性ゼロじゃねぇーーーー?!
てか臭せぇーーーーー!!!
搭載されたギミックは全て使用しなければならないって使命感?
後でクレームをつけられても困るからって事前の予防策?
本当に謎。
マジで意味不明。
鑑賞中はもちろん、終わっても、家に帰ってもなおしつこくつきまとう正体不明の甘い香りに殺意さえ芽生えました。
「ただいまー」
「!?アナタどこ行ってたのよ?」
「え?映画を観て来たんだよ」
「うそ!?女ねっ!浮気してたんでしょ!?」
「違うよ!これはゴジラだよ!ゴジラの匂いなんだよ!」
とかならないようご注意ください。
「総評的なもの」
大いなる可能性と魅力を感じるも、個人的には「匂い」と「空気発射」が絶対的NG。
しかし「椅子が動く(大)」と「風が吹く」についてはむしろ全映画館で標準装備にして欲しいぐらいに感動したのもまた事実。
「水」以外も手元のスイッチでのオン・オフを可能にしてもらえればなぁ、と。
結局のところ上映作品との相性こそが最大のポイントで、私はもう一度「シン・ゴジラ」を「4DX」で鑑賞しようとは思いませんが、
徹頭徹尾大はしゃぎのドタバタ映画ならば再チャレンジもやぶさかではない、
のですが、ただし、
これが最も重要なポイント、
一人は地獄です。
上映中のお喋りはタブーにしたって、何か起きては時折目配せをして「やだぁ、今のスゴかったね?」「やーん、水ちょーきたー♪」と意思の疎通・共有をする相手がいなければ、
これはもう、ヤンチャな座席に振り回されている哀れな真顔のオッサンでしかないのです。
次は絶対に女子と来よう、周囲のお一人様が殺意を抱くほどに楽しんでますオーラを醸し出しながらはしゃいでやろう、と、
そう固く誓うのでした。
って言ってたら、いつまでも次が観れないので、普通に2Dに行くのでしょう。
徹夜して。
いや、徹・・・昼?