平和公園南東に架かる平和大橋は、その名に反してちっとも大きくない橋だ。
そのため慢性的な交通渋滞の原因ともなっているが、最大の問題は歩道部分にこそある。
隣接するのはまがりなりにも世界遺産に登録された巨大な公園ばかりではなく、近隣にはいくつもの会議場・多目的ホールを有しているならば、
のっぴきならない数の利用者たちには出島に架かる唯一の橋であるかのごとくこれを渡るを強要しておきながら、
あろうことか歩道部分は幅がわずかに1.8メートルしかないという冗談みたいに狭くて不便な設備をもって、
なおかつ一般道でもあるからには日常的にこれを利用せざるを得ない地元民にも当然、歩行者はもちろん自転車もまとめて上手いこと通行したまえという、
無理寄りの無理は一休さんでも「渡れる橋を用意してからトンチを出しやがれ!」とキレる勢いで毎日大混雑が当たり前なのだ。
「あれ?不便じゃね?」と、この状況を打破すべく、現行の橋に並行して歩行者専用の新たな橋を架ける計画が今さらながらに検討され始めたのが恐るべきことにようやく2007年。
5年に及ぶ議論の末、12年に正式決定し、14年から工事が始まったので、今年でかれこれもう4年。
そう、4年間。
現在に至るも絶賛すこぶる工事中である。
完成は予定通りならば今年2018年の内らしい。
新設されるのは幅6メートル弱の歩道橋を長さ100メートルにも満たない川にたった一本架けるのに構想7年・製作4年。
なぜにこうまで時間と費用がかかるのかは私ごときには知る由も無い、そりゃもうたいへんなご苦労があるのだろうが、
ここが毎日の通勤路であった私は結局その完成を迎えることなくこの街を去るのだろう。
そして今日もまた、相も変らぬ大渋滞に辟易としていたのだが今回の本題はこれではなく、
そのほど近くの道路、
広島市中区中町、市民交流プラザ南交差点に突如として現れたのがこちら。
中のバッテン部分が新登場。
スクランブル・・・交差点・・・?
小学校に隣接していることも関係あるのだろう、
以前から、確かに完全時差式で歩行者のエンペラータイムを設けた道路ではあったが、二車線道路と一車線の一方通行道路が交わり、狭い方の道を歩行者が最短で横断しようとすると少し頑張れば三歩で渡れてしまうほどの極小交差点に、
いるか?
これ?
このひしめく白線。
ごちゃごちゃ感パないっス。
目算ではあるものの、おそらく岡山にあるという日本最小のスクランブル交差点よりもさらに小さいのではなかろうか?
となると、せめてネタ的に注目されれば御の字か?
などと勘ぐりながら、実は出現からおよそ二週間、誰かが取り上げるなりニュースにでもなるかと網を張って情報収集をしていたのだが現時点では全く一切話題になっていない。
そんなことよりなにより私が気になってしかたがないのがココだ。
コレ。
なぜ綺麗にクロスしていないんだ?
なぜ直角じゃないんだ?
ただでさえ狭いところに情報を詰め込み過ぎたおかげでとっ散らかっているのに、しかも歪んでいるとかもう、なんだよ?なんなんだよ?物理的に対角線上の歩道が多少ズレていたとして、どうとでも融通利かせられるだろ?線を、ガイドを曲げんなよ?
あぁ落ち着かない、ザワザワする、気持ち悪い、ちゃんとしよ?きちんとしてくれ?
思い返せば不思議な街だ。
そこいら中で目的不明の道路工事が絶え間なく繰り広げられ、あからさまにお粗末な仕上がりが満ち満ちている。
その一方で地域高規格道路網にいたっては他府県からしても正気を疑われるレベルで不備を指摘されつつも、サグラダ・ファミリアをライバル視でもしているかのごとく、もはや完成させては負けと言わんばかりに工期は延長しっぱなし。
これに対して不満の声が特に上がるわけでもなく、あったとしても無視できるレベル。
それがこの街の平常運転。
平和だ。
なるほど国際平和都市。
言うてる場合か。