歩いて帰ろう
- 2018.06.09 Saturday
- 15:46
気がついた。
北参道の家から表参道の事務所までは電車を使わずに歩いてしまったほうがいっそ早い。
裏原経由の散歩通勤が常となっておよそ一ヶ月。
そろそろ代わり映えのしない景色にも飽きて、特に帰りはわざとらしく派手な寄り道を模索中。
今のところのお気に入りは、あの、あまりにも有名な銀杏並木を突き抜け、球場の縁をなぞるように歩いていると現れる建設中の「新国立競技場」。
それでなくとも呆れた質量が、組まれた足場のおかげで完成した姿よりもさらに一回り大きいのであろう、
色彩の無い鉄骨から成る砦は剥き出しのカタマリから溢れる圧が荘厳にして、しかしなんという禍々しさよ。
ぞくぞくしちゃう。
と、
家の本当にほど近く。
気まぐれに入った裏道にてつい先日遭遇。
「えー!?将棋会館てあのー!?こんなとこにあったのー!?マジかー!」
瞬間、加速度的にテンションが上がるも、
瞬間、将棋に興味も接点もない自分を思い出してなんだか空回り。
なんだったら一瞬とはいえ舞い上がってしまった己が憎い。
何と戦っているのだか。
住宅街に平然と相撲部屋とか、
角を曲がると突然に芸能人とか、
そういう不意打ちにまだまだ慣れません。
トラップの多い街。
動じない男への道のりは険しい。