カシャーサ・ダ・キンタ・ブランカ
- 2020.08.01 Saturday
- 19:14
なんのかんのとかまびすしい世の中じゃあござんすが、夏が来る、きっと夏は来る、頑張ってるんだから絶対来るものと信じてそれらしいボトルを取り寄せてみましたハイこちら。
「カシャーサ・ダ・キンタ・ブランカ」
日本語表記だと「カシャーサ」とか「カサーシャ」、あるいは「カサッシャ」とか「カニーニャ」、なんなら「ピンガ」などなどと、とにかく呼び名が定まらないスピリッツです。
随分と昔の事になりますが当ブログでも取り上げたことはあったので「カイピリーニャ」で検索して頂いて過去記事を読んでもらえれば話は早いのですが、それも面倒だという方のために簡単なところだけ復習がてらにおさらいしておきませう。
ブラジルの特産酒です。
原料にサトウキビを使った蒸留酒です。
じゃぁラムとは何が違うのさ?と問われれば、いっそ同じと答えてしまいたいものの、事の経緯の詳細までを説明するとなるとブラジルが独立に至るまでの過去やらスペインとの黒歴史などなど、政治的かつ面倒極まりないお話を避けては通れなくなってしまうのでお察しいただくとして、
そこはそれ、当のブラジルさんが「ラムとは別物やでぇ!」と頑なに主張されておりますので原産国の意志を尊重した結果だからこそ、ゆえに特産酒なのだとご理解いただけましたら助かります。
ブラジルの国民酒として愛され続けている、と言えば聞こえは良いのですが、誤解を恐れず申し上げればハッキリ言って安酒です。
かつてはBarで取り扱うのも憚られるほどのザコ(ごめんね)でした。
が、近年、これを用いた、というか他に用事も無いのだけれど、「カイピリーニャ」なるご当地ドリンクがカクテルと認知されるまでに昇華したおかげで立派な洋酒扱いを受けるようになったのはここ20年ぐらいのお話し。
随分と出世したブラジル産サトウキビ焼酎なんて例えたくもなりますけれども、
さて、
ここからが本題。
焼酎なんぞと例えましたが、かつては日本の焼酎もさほど大した酒ではないとされていたからこそ安酒と認知されながらも大衆酒として普及していたものの、
幾度かのブームを経てその地位を高めるとともに派手な二極化ののち一部の銘柄が極端なプレミア化を成してきたように、
この「カシャーサ」も現在においては変わらずなエコノミークラスとは別に非量産タイプのプレミアム品が台頭してきており、
それらは「アルテザナウ」(芸術的とか職人による、みたいな意)などと呼ばれ別格扱いをされているあたりが焼酎のそれと似ているもんだから面白い。
で、今回購入した「カシャーサ・ダ・キンタ」は、まさにその「アルテザナウ・カシャーサ」の中にあってもご立派な賞の数々を幾度となく掻っ攫ってきた実績もあり、やたら伝説だ芸術だのと言われ過ぎているやんごとなきボトルでございますからして、
言うなれば今回はブラジルの「魔王」とか「森伊蔵」を買ってみたよ、と例えるとわかりやすいでしょうか?
それにつけても平たく言ってまぁ高い。
だって500mlで4000円オーバーっスよ?
ごく一般的な並の「カシャーサ」の10倍値っスよ?
いかに小規模生産つったってサトウキビ原料の蒸留酒が寝かせてもないのにヘタな熟成ラムより高価ってどういうこと?
どういう仕組み?
まさか近頃のクラフトなんちゃらとか何処ぞのウイスキー群よろしく中身はちっとも釣り合わないクオリティーをして目を引くお値段は結局ただの釣り針だったでやんス、なんてオチじゃあるまいなぁオイ?
はたしていかなる着地を成しているのか?
まぁいくら高いからって比較対象のそもそもが知れてますからして、正味のショット価格はスタンダード仕様とそう大差ございませんので興味がある方はどうぞ。
飲み方はオススメもなにもテイスティング以外なら「カイピリーニャ」一択、ってことにはなるんですけれども。